見出し画像

テニス上達メモ052.頭で考えない。体に委ねて「選ぶ人生」を生きる


▶効果抜群の「古典的メンタルテクニック」

 
前回のテニス上達メモ「テニスは天然さんだと上手くいく!」、いかがでしたでしょうか?
 
今回はそのスピンオフとなるお話です。

たとえば「ストリングの交点を見つめると集中できる」という、古典的なメンタルテクニックがあります。

ストリングの細かな交点にぴったりと目のピントを合せると、雑念が入らない(考えられない)から、視覚的集中がかなうと、説明されます。
 
本当は交点の「さらに細部」に迫りますけどね

いつも申し上げているように「集中しなきゃ!」などと頭で考えるのではなく、体に働きかけるのです。

現代社会は「頭で考えるほうが知的で高尚だ!」などと、インテリジェンス寄りな風潮かもしれませんけれども、今も昔も、体のほうがよっぽど精緻で、頼りになるのです。

▶「じゃあ、今すぐやってみよう!」


非常に、あまりにもお手軽で、しかも効果抜群の集中法。

ただしあまりにもお手軽なだけに、「見つめることに、何の意味があるんだ?」「そんな簡単なことで、ホントに集中できるのか?」「もっと高度な集中法が、ほかにあるんじゃないか?」などと勘繰ってしまいがちなのが、人工さん。

でも天然さんは、とにかく実践第一だから、「じゃあ、今すぐやってみよう!」と、実際に試してみるのです。

天然さんは、考えない。

こう聞いて、どんな印象を抱くでしょうか?

アンインテリジェンス???

▶「馬鹿になれ!」

 
親父の格言に「馬鹿になれ!」などという小言があります。
 
小言なれど、真実。

これは、禅の教えを踏襲するものであり、禅に傾倒した鈴木大拙の「大拙」とは、まさに、「大馬鹿者」の意味ですね。

天然キャラと言うと、一般的にはどこか「ヌケている」ように思われがちかもしれませんけれども、全然、そうではないと分かります。

考えない=無心
 
その意味や、結果を深く「考えない」からこそ、(思考と視覚はトレードオフの相関だから)、深く「集中する」のです

考えない度合いと、感覚的に集中する度合いとは、完全に正比例。

意味や結果を考えると、集中は上手くいきません。
 

▶スティーブ・ジョブズの「ラストメッセージ」


またスティーブ・ジョブズによるスタンフォード大学卒業式の祝辞は、「もし今日が人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしたことを、本当にやりたいだろうか」が有名。
 
そしてそのラストメッセージは、「Stay Hungry. Stay Foolish.(ハングリーであれ。愚か者であれ)」だったそうです。
  
ところが人工さんは、「それでどんな効果があるのか?」などと、考え始めます。

計算するのが得意(必ずしも算数という意味ではなくて)ですから、損を避けようとするのです。

それはそれで、得する場合もあるでしょう。

騙されも、しにくいでしょう。

ただし何かを試すからには、「裏付けが欲しい」「証拠はあるのか?」「エビデンスは何?」などと、人工さんは「考える」のですね。

そうこうしているうちに「面倒くさいからや~めた」となって、やらない(笑)。

せっかくお手軽なのに、「お手軽にできるものなどには効果がない!」などと、小利口に切り捨ててしまいがちなのです。
 

▶「機械的に」着手する

 
意味や結果などを考えずに、ただただ、機械的に(考えずに、ばかになって)着手するのが最速。

やる気というのは「先に出す」のではなく「後から出る」というのがアズイフの法則でしたね(参考記事:「やる気」はあとからついてくる

感情を交えず、いとわず、疑わず、人目もはばからず、やればいいだけです。

集中というのは、絞り込む技術なわけです。

たとえば、虫眼鏡のレンズで太陽光を一点に絞り込めば、紙を燃やせる高いエネルギーを創出できるのが、集中です。

エネルギーを集めるのに、太陽光をフラフラとさまよわせては、ロス。

それと同様に、ストリングの交点を見つめて視線をフィックスするアイコントロールにより、さまざまなものを見てしまうロスがなくなり、精神エネルギーがギュギュギューッと集約されます
 

▶ピート・サンプラスもやっていた

 
テニスプレーヤーなら、遠くの広いスタンドを眺めるよりも、近くて細かな「点」を見つめるほうが、「虫眼鏡効果」が発揮されやすいのです。

ピート・サンプラスもポイント間では、しょっちゅうストリングに視線を落としていましたね。

とはいえ、こういうエピソードによる理論武装は(人工さんは好きかもしれないけれど)、くどくど説明しておきながら、あまり意味がありません。

「ただ、やればいい」のですから。

そのような分析は、顕在意識が担う部分であって、決して潜在意識へのアプローチにはならないのです。

潜在意識を活性化させる極意は、顕在意識の沈静化。

セルフ1を黙らせて、セルフ2に、一切を委ねるのでした。

ですから、ただただ機械的に、それとなく、意識せず無意識的に、試してみるのが吉

そしてそうするのが、天然さん。

▶人目をはばからない

 
虫眼鏡実験で、「上手くいかなかったらどうしよう……」「面倒くさい……」「本当に燃えるのか?」「できなかったら恥ずかしい」などと考えるのは、明らかにロスでしょう。

太陽光を一点に絞り込む作業にも、支障をきたすかもしれません。

考えると、レンズを持つ手元もぶれるからです。

そういうときは、光の焦点に目のピントをピッタリ合わせると、逆に手元が定まります

「裏付け」「証拠」「エビデンス」が集まるのを、待つ必要などありません。

感情を交えず、結果を考えず、いとわず、疑わず、人目もはばからず、やればいいだけ

それが、集中。

やっていると自分なりの「裏付け」「証拠」「エビデンス」が、だんだん分かってきます

ですから「自然上達」なのです。

▶「頭で考える」のではなく「体に聞く」

 
頭で考えるよりも体のほうが、よっぽど精緻で頼りになると、先述しました。
 
 体がだるくなってくれるのは、「これ以上は危険だから、もう動くな!」というサインなのでしたね。

それと同じように重要な決断を迫られたときには、頭で考えるのではなく、体に聞けば、まず大きな間違いはしません

たとえば頭痛や胃の痛みが続くようなら、やめたほうがよいサイン。

頭で考えるよりも、具体的で分かりやすいのです。

だけど人工さんはつい、「そうはいっても、ほかの人も頑張っているから……」などと頭で考えて、人目をはばかったりしがちです(参考記事:みんながみんな、松岡修造ではない)。

それとは逆に、体に軽快感を覚えるならば、ためらわずGOサイン

この「選択」の一つひとつが、人生の方向性をコントロールしています

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero

無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com

この記事が参加している募集

スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero