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質問056:試合になるとミスが多くなる。意識することや改善法は?

こんにちは。
ホームページを見てメールをしました。
さて質問なんですが、僕はいくらアドバイスをもらっても試合で思うように勝てません。
ある程度のボールは打てるのですが拾われたりミスしたりします。
緊張している訳ではないですが、やはり練習よりミスが多いです。
何か意識することや改善法を教えて下されば幸いです。
それでは失礼します。

回答


▶練習と試合は「別物」


テニスプレーヤーには大別すると、特徴的な2種類のタイプがいます。

ひとつは、「上手いけど弱い」
もうひとつは、「下手だけど強い」

「えー、上手けりゃ強くて、下手だと弱いんじゃないの?」と思われるかもしれません。

もちろんそういったタイプもいるにはいるのですが、上記の特徴的な2タイプに、テニスという競技は結構振り分けられやすいのです。

それはなぜかというと「練習と試合とは別物」だからです。

同じラケットとボールとコートの道具を使って行なうというのに、練習と試合とでは「別のスポーツだ」とさえ、言ってもいいかもしれません。

▶試合で強いプレーヤーの特徴


それが証拠に同じようなミスをしたとしても、練習と試合とでは、受ける心理的ダメージの影響が全然違うのではないでしょうか?

練習だとミスしても「チェッ!」「あーあ」くらいの反応かもしれません。

けれども試合だと「この世の終わり……」とさえ思える(笑)。

一方、あまり練習せず、試合(やゲーム形式)ばかりやっている人(試合が練習という人)は、その差が初めからあまりないわけですね。

つまり試合でミスしても「チェッ!」「あーあ」くらいの反応で抑えられる。

だから、結構強い。

▶ぐちゃぐちゃフォーム=対応力の高さ


試合では練習の球出しとは全然違って、ボールはどこに飛んでくるのか分かりません。

なので、フォームなんてぐっちゃぐちゃ

フォームを整えている暇なんてないのだけれど、その分、対応力の高さが半端ない

これが、「下手だけど強い」にカテゴライズされる一群です。

試合経験が少ないと「えー、そんな人いるのー?」と思われるかもしれません。

けれども実際に試合の現場を数多く見てみると、むしろそんな「下手だけど強い」プレーヤーのオンパレードです。
 

▶試合で実力を発揮できる「逆算プロセス」とは?


さて、試合でも実力を発揮するには、一体どうすればいいでしょうか?

結果を出すには何ごともそうですが、「逆算」のプロセスをたどるのが有効です。

ぜひ、このまま読み進めてみてください。

「今まで、一体何だったのか?」

世界感がガラリと変わる「結果」が得られるでしょう。

テニスであれば、「練習をして、上手くなったら試合に出よう」などと、考えるかもしれません。

その傾向性が高じると、「まだまだ試合に出られるレベルじゃない!」などと、出場をためらう人もいるでしょう。

だけど、そうではないのです。

結果を出したければ、「まず試合に出る」のです。

そもそも試合に出てみないことには、技術的にも体力的にも心理的にも、「自分に何が必要なのか?」「自分に何が足りないのか?」が、分かりません

テクニックに関して言えば、いざ、試合に出てみると、サーブが全然入らないのに、普段の練習ではストロークの乱打ばかりしていたりする。

それでは、勝てないですよね。

▶勉強の王道は「先に答えを見る」


これは、試験などの勉強もそうです。

逆算のプロセスを歩むと結果が出ます

まず志望校の「赤本(過去問)」にあたるのです。

ところが多くの人は、「いきなり赤本をやっても解けるはずがない」といって、躊躇しがちです。

だけど「赤本」にあたらないことには、「自分には何が必要なのか?」「自分には何が足りていないのか?」が、分かるはずがありません

赤本にあたるといっても、解く必要すらありません(どうせ解けないのですから)。

すぐに回答を見て、傾向と対策を知るのです

極端な例ですが、過去問では「リスニング」の出題割合が高いのに、普段の勉強では「文法」ばかりをやっていては、結果が出る(合格する)はずがないのです。

例は極端かもしれませんけれども、多かれ少なかれ、テニスの試合でも試験勉強でも、結果が伴わない人は、同じような取り組み方をしがちなのです。

勉強の王道は、先に「答え」を見る

答えを見てそれから必要な解き方を学ぶのが、間違いありません。

▶プライドを捨て試合に出よ


答えは「目標」とも言い換えられます。

答え(目標)を見ずに解き方(手段)をあれこれ考えても、それが合っている保証は、どこにもないのです。

ではなぜ、まずは「試合に出る」あるいは「赤本にあたる」ができないのか?

「プライド」が関わっています。

ボロ負け」したり「0点」だったりするのが怖いのです。

さて今後の取り組む方向性が、ずいぶん見えてきたはずです。

昨日のメール回答にも記しましたが、物理学者のアルベルト・アインシュタインは奇人について、「同じことを繰り返しながら違う結果を期待する人」のことだと、定義したそうです。
 
なぞらえて言うならば、今と同じように、たまにしか試合に出ず、主として「練習ばかりを繰り返しながら、違う結果の勝利を期待する」ならば、アインシュタインに「奇人扱い」されてしまいます(笑)。

▶「試合が練習」こそ最強


なので回答としては、「下手だけど強い」を目指してみてはいかがでしょうか?

つまり「フォームなんてぐっちゃぐちゃ。だけど対応力の高さは半端ない」カテゴリーです。

恐らく今のご自身は、「練習だと上手いけど、試合になると弱い」にカテゴライズされています。

「練習で安心したい」気持ちは分かるけれど、それに慣れすぎると、試合で犯すミスを「この世の終わり」と感じてしまいかねません。

「試合が練習」くらいの比率に改め、「強いプレーヤー」を目指していただければと思います。

ノバク・ジョコビッチも言っています。

「試合でプレイする以上に良い練習はない」と。

そのためには、「ボロ負け」も辞さない「プライドを捨てる勇気」も必要です。

やがてさらなる「上手さ」は、経験を積んで洗練されるにつれ、伴ってくるはずですから。

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(テニスゼロ)
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