質問158:Aクラス(全国レベル)に上がるには?
回答
▶狙おうとするから狙えない?
まず「①コースを狙うには」ですが、打ちながらコースを狙ってしまうというのが、コースを狙えないよくある原因です。
なぜなら打ちながらコースのことを「あっち打とう」「こっち打とう」などと考えてしまうからですね。
プレーしながら「思考」すると、ボールを見られなくなって(思考と視覚はトレードオフの相関)、特に全国レベルのような速いボールに対応しようとすると、タイミングが合わず、狙える以前にミスしてしまいます。
▶「とりあえず」返していませんか?
これを防いでコースを狙えるようになるには、「相手が打った直後にはコースを定め、自分が打つときには何も考えずに打つ」ようにします。
どういうことかというと、コースを狙えないプレーヤーほどコース決定のひらめきが遅れて、コントロールできない傾向。
いちばん難しくなるのは、「どこに打つのか自分でも決めていない。とりあえず打ち返す」という打ち方。
自分でも決めていないのですから、コントロールのしようもありません。
心当たりはないでしょうか?
▶狙ってないから狙えない?
ところがそうであるにも関わらず、ミスしたあとに「なぜコントロールできなかったのだろう?」と、考え込んでしまう人が少なくないのです。
これっておかしな話ですよね。
だけどコースを狙える上級者ほど、対戦相手が打ったら早い段階でコースを決定し(ひらめき)、そして実際に打つときには「考えずに」、ボールにだけ集中しています。
ですから、ボールが手元でハッキリ・クッキリよく見える。
ですからタイミングがドンピシャ合って、コースを結果的に狙えます。
▶完璧に狙おうとしない
とはいえ上級者でも、状況によっては取り敢えず打ち返すしかないケースも少なくありません。
テニスは時間のないスポーツですからね。
ですから完璧を目指さないというのもストレスを溜め込まないためのポイント。
そもそも相手に打たれてから時間がありませんから、今よりも一瞬早くひらめくだけでも全然違ってきます。
▶「宣言練習」で狙えるようになる
練習では、たとえば的当てをする場合、あらかじめコースが定められている(狙うイメージができている)から、多少厳しい揺さぶるボールを送られてもある程度狙えます。
だけど試合になるとその「的」がないものですから、打つ状況は似ていても、もっと言えば打ちやすいチャンスボールであるにも関わらず、狙う難易度が高くなったように感じられてしまう。
もちろん最初からできることではありません。
実際に的を3カ所くらいに置いて、相手からボールが送られたらどこを狙うか、瞬時に応えられるようにする「宣言練習」をすると効果的です。
ただしボールが送られる前に狙いをあらかじめ決めておくと、ただの球出し練習になり、試合でコースを狙う実戦的な力は身につかないのでご注意ください。
なお、宣言練習に慣れてしまえば、試合中はコースを狙おうと意識しなくてもひらめく機会が自然と多くなってきます(関連記事「これでコースを狙えるようになる!」)。
コースだけではなく、ドロップショットやドロップボレーなどを打つひらめきも得られます。
▶フォームで狙おうとしない
ちなみによくありがちなのですが、打ちながら「狙う方向に足を踏み込む」「狙うコースへラケットを振り抜く」「逆クロスは体を開く」「いや開いたら相手に見破られるから開きすぎないようにする」など、狙いをフォームでコントロールしようとする例。
これをするとテニスが難しくなって、ますます狙うどころではなくなってしまいます。
▶迷惑をかけないようにするという迷惑
「②練習相手の邪魔ではないか」というご質問に関して、これは非常によくあります。
テニスの上達を妨げる障壁です。
「ミスしては相手に悪い」
「相手の取りやすいボールを返さなきゃ」
このような思いに、テニスの練習中はよく苛まれます。
打ち合いのラリー練習では、そのことばかりに頭の中を支配されてしまうという人も少なくありません。
特に自分よりも上手な相手と練習するときに、感じやすいのではないでしょうか。
たとえば相手が取りにくそうな浅いボールを打ってしまったら「マズイッ」などと、つい反応してしまう。
すると相手のことを思うあまりに、自分の打った飛んで行くボールを見られなくなって、かえってミスが多くなり、相手に迷惑をかけてしまう現実を引き寄せてしまいがちです。
しかし「悪い」「ごめん」などと謝ったりするのは、本当に意味がないこと。
むしろ相手が取りにくい浅いボールを打ってしまったら、相手の対応力は高まるのです!
▶「他者肯定感」を高めよう!
相手のことを気にする性格というのは、一方では相手の心理を読む戦略的な視点に立てば有用ですけれども、もう一方ではインプレーにまで持ち込むと、ボールに集中できなくなる障壁になりやすい。
ご質問にお応えするならば、「迷惑をかけないようにしよう」と考えてしまうと、「余計に迷惑がかかる」ということになると思います。
自己肯定感が高いと、相手の許容度・寛容度を高く据えますから(他者肯定)、自分がミスしても「練習相手は気を悪くするような人ではない」という認識。
「人の心って温かい」という感じ方。
ですから自己肯定感が高いと、相手(人目)を気にすることなく、のびのびプレーできます。
またミスしても、ミスと自分の存在は別という感覚ですから、「ありのままの自分」を受け入れられます。
▶相手ではなくボールに集中!
「迷惑をかけないようにしよう」という思考が、ストレスになるので、一層調子を狂わせます。
相手の邪魔にならないようにするには、相手の邪魔にならないようにとは考えず、ボールに集中すればいいのですね。
そうすれば、結果的に相手の邪魔にならない自分になれます。
▶願望が雑念に変わるとき
「③Aクラスになりたい」について、願望はあって構いません。
だけど思いが強くなりすぎて、プレー中にまで出てこないように気をつけたいところです。
というのも、自分では意識していないつもりでも、何かにつけ、ミスするたび、「こんなんじゃAクラスになんてなれない」「Aクラスのあの人と、自分じゃ違いすぎる」などと、願望が強いほど思考しがち。
この思考がフックとなって、次のポイントまでミスの嫌な気持ちを引きずってしまう、するとまたミスをするという負の連鎖に陥りがちです。
▶モヤモヤとしてスッキリしない理由
ここで大事なのは、「自分でも意識していないつもり」という気づき。
「プレー中はAクラスのことなんて考えていない」と自分では思っていても、何かモヤモヤとしてスッキリしない雑念に、頭の中を支配されがちです。
青い象ではないけれど、考えないようにしようと意識すればするほど、考えてしまいます(関連記事「考えないようにしようとするから『考える』」)」。
ですから、願望はあっていいとしても、プレー中にまでは引きずってしまわないように注意する必要がある。
そんなふうに思います。
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