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テニス上達メモ488.集中の奥義は「細分化」


▶目標の功罪

 
目標を立てる。
 
目標があるから、私たちはそれに向かって進んで行けます。
 
ただし目標というのは、ややもすれば「未来志向」になりがちです。
 
未来の結果について考えると、共犯関係である「不安」が喚起されがちです(関連記事「未来と不安は『共犯関係』」)。
 
たとえば受験シーズン、志望校に受かりたい目標があると、「受かるかどうか……」の不安に苛まれかねません。
 
それによってかえって勉強が手につかなくなる「努力逆転の法則」にもなりかねないでしょう(関連記事「付録・※注1『努力逆転の法則』はお金、愛、幸せ、健康、テニスの上達に通じる」)。

▶「未来」と「未来の結果」の違い

 
さてここで峻別しておきたいのは、「未来」と「未来の結果」の違いですね(関連記事「『成功しかない』必ず結果が出る方法!」)。
 
未来について考えるのは、今後の人生設計や一年の計などを立てる上で必要。
 
しかしそれがどうなるだろうという「結果」に意識が向いてしまうと、「不安」が喚起される構造です。

▶「イージーモード」に切り替える

 
パフォーマンスを上げるうえで重要なのは、「未来」ではなく「今」です。
 
集中すべき対象へ、今やるべきことに力を注ぐのが「集中力」です。
 
にも関わらず、未来の安心のためには、今を犠牲にせざるを得ないという発想の人は少なくありません。
 
確かに未来について心配する性格は「几帳面」のような側面もありますけれども、裏を返して言えば今を疎かにする「ずぼら」となりかねません(関連記事「『将来』のために『今』を犠牲にする人たち」)。
 
では、今集中すべき対象に力を注ぐには、いったいどうすればいいでしょうか?
 
『テニス上達メモ』でもお伝えしている「スモールステップ」。
 
集中すべき対象を「細分化」すればいいだけです。
 
つまり「大」を「小」に、言い換えれば「大変」を「楽」に、「重い」を「軽く」するイージーモードです(関連記事「ボレーは『横向き』って言ってなかった!?」)。

▶「モーニングノート」と『ゼロ秒思考』の真髄


志望校に受かりたい大きな目標はあっていい。
 
しかしその目標達成のための具体的な取り組みである勉強のやる気が起きない時には、ノートの1ページをめくるだけにする行動の細分化(関連記事「自分にもっと、甘く甘く!」)。
 
「そんなの意味ないじゃないか?」などと侮ることなかれ。
 
ページをめくるやいなや、目に飛び込んできたある単語の意味を調べたくなるのをきっかけに、どんどんやる気が出てきます。
 
意味が分かればそのセンテンスも分かりたくなるといった具合に、指数関数的な広がりを見せます(関連記事「賽銭や托鉢の『狙い』とは!?」)

億劫だった掃除を始めてみると、やめられなくなる・止まらなくなるのに似ています。

あるいは、やる気がなければ「やる気がない」とだけノートに書いてみる。
 
するとその一行をきっかけに弾みがついてペンが止まらなくなるのが、「モーニングノート」や『ゼロ秒思考』の「メモ書き」の真髄でしょう(関連記事「『適当』であるほど着手しやすい」)。

▶悲しいから泣くのではない

 
そしてこれも「アズイフの法則」。
 
一般的な印象に反して、行動や体験が先で、感情や気持ちが後からついてくる法則ですね。
 
悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなる。
 
寂しいから喪失体験をするのではなく、喪失体験をするから寂しい。
 
やる気が出るから勉強するのではなく、先に勉強するから、後からやる気が出る(関連記事「結果を意識しても『やる気』は出ない」)。
 

▶テニスの集中も「細分化」


さてテニスでも、集中するには、どうすればいいでしょうか?
 
同じ手順を踏めばよいのです。
 
すなわち、ある大会に出場して優勝するという目標を立てるのはいいとしても、その結果が気になるようだと未来志向ですから、共犯関係の不安が顔を覗かせます。
 
そこで集中するためのステップ「細分化」。
 
すなわちインプレー中は、大会優勝という大きな目標ではなく、はたまたショットを成功させるという中くらいの目標でもなく、目の前のボールという小さな対象に集中するのが目標
 
いえ、ボールというとまだまだ大雑把ですから、その「回転」やフェルトの「毛羽」、あるいは「縫い目」「印字」などの細部へと目のフォーカスを絞り込みます(関連記事「ボールに集中する方法は?」)。
 
すると未来の結果にとらわれなくなり、不安を感じずにプレーできるようになるのです。

▶今と未来は地続き。今の先に「大きな結果」がついてくる

 
集中の奥義は細分化。
 
そのためのスモールステップです。
 
目標を立てることは、それに向かって進んでいけるからいいのだけど、その結果については考えずに、テニスでも仕事でも勉強でも、インプレー中は「今に集中」
 
具体的には「締め切りに間に合わせる」よりも、「1行書く」の細分化です。
 
大会優勝、志望校合格などに目が向くと、共犯関係の不安が喚起されます。
 
今に集中。
 
そのためには、対象をできるだけ絞り込んで細分化する。
 
どんなに大きな目標も、細かなタスクの積み重ねでしかありません。
 
連綿と続く「今・今・今」のその先に、目標達成の大きな結果がついてきます

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero