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テニス上達メモ061.あなたの「テニス自己肯定感」は?

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〜12月20日 13:00


▶「私にもできるかも!」という根拠なきポジティブ!


自己肯定感というのは、生まれたてがいちばん高くて、年齢を重ねるごとに低くなっていくのが一般的な傾向として知られています。
 
テニスも同じ。
 
テニスを始めたての初心者のころは、テニスに関する自己肯定感(ここでは「テニス自己肯定感」と呼ぶことにします)が高いのだけれど、キャリアを重ねるうちに、低くなりがちです。
 
それが証拠に、テニス初心者のころは、「私にもできるかも!」という根拠なきポジティブがあったでしょう。
 
初めから「私には無理だろうな」と思ってテニスを始める人は、いません(苦笑)。
 
だけどキャリアを重ねるうちに、「自分はこんなもんだ」などというネガティブモードに突入するのです。
 

▶自己肯定感と自信は違うから……

 
「いや、プロはキャリアを重ねながらテニス自己肯定感を高めてきたはずでは?」と思われるかもしれませんけれども、それは自己肯定感というよりも、テニスが上手くできるようになった「自信」です。
 
自己肯定感というのは説明したとおり、テニスができない初心者であっても「私にもできるかも!」という感じ方であるのに対し、自信というのは、できるようになったテニスの実力を根拠とするメンタルで、テニスが上手くできなくなると失うという違いがあります。
 

▶禁止令により育つ「偽りの自分」


自己肯定感の低下については、幼少期より浴びせられ続けてきた「禁止令」が関与しています。
 
「ワガママ言うな!」
 
「泣くな!」
 
「サボるな!」
 
「あんな友だちと遊ぶな!」
 
そういった禁止令を、雨あられのように浴びせられ続けてきた結果、私たちは大人になるにつれ、「ありのままの自分」では、いられなくなってゆきます。
 
「偽りの自分」を演じるようになる。

つまり、「自己肯定感」が損なわれます。
 
禁止令は何も「※※するな」といった否定形の表現ばかりではありません。
 
「我慢しろ!」の命令形は、「感情を表に出すな!」という否定形を言い換えたにすぎません。
 
「礼儀正しいね!」という評価は、「無礼にするな!」という否定形を言い換えたにすぎません。
 
ほかにも言葉だけではなく、表情の曇り具合や、ため息、舌打ちなども、禁止令としての効果は十分高いと言えます。 


▶「テニス自己肯定感」をスポイルするフォーム指導


テニスのフォーム指導も、まったく同じです。
 
「手首を使うな!」
 
「ヘッドアップするな!」
 
「体を開くな!」
 
そういった禁止令を雨あられのようにテニス初心者が浴びせられ続けると、どうなるでしょうか?
 
たとえばサーブは、投球動作に似ているといわれます。
 
そして私たちは普通に、投球動作ができます。
 
だけど常識的なテニス指導によるフォーム矯正ではそこに、「体の開きをちょっと抑えて」とか「トスした左手をすぐに下ろすな」などの禁止令が発せられます。
 
「トロフィーポーズが上手にできているよ」という評価も、「ヒザを曲げてしっかりタメないとダメだよ」という禁止令の言い換えです。
 
するとどうなるかというと、普通にできていた投球動作さえ、できなくなる。
 
「体の開きをちょっと抑えて」
 
「トスした左手をすぐに下ろすな」
 
「トロフィーポーズが上手にできている」
 
禁止令を守ろうとするそのフォームは、おおよそ投球動作とはほど遠いギクシャクしたものになるのです。
 
普通にできていた、ありのままの自分らしい動き方が、できなくなるのです。 

それは、「テニス自己肯定感」をスポイル(ダメに)してしまうことにほかりません。

▶錦織圭が発揮した「スルー力」

 
錦織圭はジュニア時代、コーチから「ピョンピョン飛び跳ねながら打つな!」との禁止令を受けました。
 
だけどまだ自己肯定感が高い子どもだったから、そのアドバイスをスルーできた。
 
これが「エアK」の起源であると、「テニス上達メモ051.テニスは『天然さん』だと上手くいく!」で紹介しているとおりです。
 
だけど大人になると、なかなかそうはいかないでしょう。

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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero