質問038:勝ちたいと思うのは当たり前ではないか?
▶勝ちたい欲は「罠」
そのとおりです。
とはいえ、勝ちたいという「欲」が強くなると、今、やるべきことへの集中力が落ちるので、結局、勝ちが遠のくのです。
気持ちは分かります。
しかしそれが、「罠」なのです。
▶「合格したい」と思ったら「落ちる」
誰だって100点を取りたい。
志望校に合格したい。
ですが、複雑な計算式の問題を解いている最中にそのような欲が一瞬でもよぎると、思考の一貫性が損なわれ、解けなくなる、イチからやり直し、という事態になりかねません。
テニスも「勝ちたい」欲が強まると、とっさの判断力が鈍ったり、メンタルが動揺しやすくなったり、あるいは身体レベルでも反応スピードや瞬発力が落ちたりします。
視力も低下します。
「ボールに集中」する以外に精神的なエネルギーを費やすのですから、そうなります(集中力が目減りする)。
また「勝ちたい」と思えば「やる気」が出るかと、そうではありません。
「やる気を出す唯一の方法」は、心理学者ウィリアム・ジェームズが提唱した「アズイフの法則」に従います。
▶勝ちたい欲を手放すと「今に集中」できる
そして強い欲は、極度の緊張を招く誘因にもなります。
皮肉なもので、「勝ちたい」「上達したい」と思わなくなった時に、むしろリラックスできて、それらがかなう確率が高くなるのです。
その理由は簡単で、「未来」ではなく「今」に集中できるようになるからです。
余計な心身の力みも取れるからです。
▶「欲しがらなくなったとき手に入る」法則
「いつか勝ちたい」
「1年後には上達したい」という期待が希薄になり、今・ここ・この瞬間のボールに集中できます。
期待するからこそ、それがかなわないと怒りに転化するのです。
自己肯定感も、損なわれます。
欲しがらなくなったとき、手に入る。
これはもう、「普遍の法則」とすら、言っていいかもしれません。
▶恋愛もお金も、追えば逃げる
恋愛にもたとえられます。
追えば、逃る。
逃げれば、言い寄られる。
お金も、貯めようとすると、貯まりません。
気にしなければ、いつの間にか余っています。
ゾーンに入ろうとすると、入れません。
ゾーンに入ろうとして入れるのであれば、スポーツ選手は誰も苦労しません。
だけどテニスではボールに集中していれば、いつのまにかゾーンに入ります。
そうすると、「勝ちたい」と思わなくても(思わないから)、勝つ確率が高まるのです。
▶「勝つと思えば思えば負けよ」は本当
深掘りすると冗長になるので割愛しますが、こちらで述べている「外発的動機・内発的動機報酬」の区別が、まったく違う結果を生み出すのです。
「勝ちたいと思えば勝てる!」とか、「負けるのは勝ちたい気持ちが足りないからだ!」とかいう説教は「罠」なので、よくよく気をつけなければなりません。
美空ひばりの歌にも謳われます。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com