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紅くらげに告ぐ

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長編4作目
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記事一覧

紅くらげに告ぐ #10

紅くらげに告ぐ #10

和:............

体が硬直して動かない。布団に入って、ギュッと目を瞑る。

カタカタカタカタ

部屋にはパソコンのキーボードを叩く音だけが響いていた。

〜〜

数分前

コンコンコンッ

半ばヤケクソになって、扉をノックした。

「あ?誰だー?」

扉の向こうから声が聞こえる。

和:わ、私です! あぁ...和です...

「........入れ」

少し沈黙があった後、私は部屋に

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紅くらげに告ぐ #0

紅くらげに告ぐ #0

空は青い。

朝は明るくて、夜は暗い。

雲は白い。 .....まぁ灰色の時もあるけど。

日々の当たり前を受容して、溶け込ませて馴染む。

すれ違い様に会う異端を、排除して心で殺す。

俺は本当に人間なんだろうか。 

そう思う事が、時々ある。

楽しみでも、快楽でも、情熱でも、平凡でも....

何か一つでも生きる理由があれば、良いんじゃないだろうか。

それがたとえ、憎しみでも

プルルルル

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紅くらげに告ぐ #1

紅くらげに告ぐ #1

いつかはきっと報われる。

そんな言葉に惑わされて何も無い日々に希望を打ち立てる。

それが、人間。

   

    生まれ変わったら何になりたい?

世界で一番くだらなくて、この世界に辟易している事を暗喩している恐ろしい質問。

俺はこう答えたことがある。

          ベニクラゲ

周りの人間はキョトンとしていた。

なんでベニクラゲ?と聞かれたから、こう答えた。

ベニクラゲは不

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紅くらげに告ぐ #2

紅くらげに告ぐ #2

??:はぁー....めんどくさい仕事終わった...

??:お疲れ様、飯あるけど食う?

??:ちょーだい....あれ?〇〇は?

??:仕事入った。

??:へー.......

====================================

カチャ

何で? というより初めて見た。体が固まって動けない。

和:な...何で...

〇〇:すーっ....はぁ....

タバコの臭いが

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紅くらげに告ぐ #3

紅くらげに告ぐ #3

〇〇:ふぃー....今日も仕事終わりっと。

後輩:お疲れ様です!

〇〇:今日はミス無しだったな。

後輩:先輩のおかげです!

〇〇:今度飯行くか。奢るよ。

後輩:ほんとですか!? ありがとうございます!

〇〇:よしっ!じゃあ美味い飯目指して、来週も頑張るかー。

〜〜

後輩:じゃ、僕はここで。

〇〇:うぃー。お疲れー。

後輩:お疲れ様です!蓮加先輩も!

ウィーン エレベーターの扉

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紅くらげに告ぐ #4

紅くらげに告ぐ #4

和:ご飯出来たよー。

「やったぁ!皆んなご飯だってー!」

和:そんな焦らなくても大丈夫だよ笑

大きめのテーブルを何個か並べ、その上に料理を並べていく。

「「いただきまーす!」」

嬉しそうに食べてくれる子供達を見ると、こっちまで笑顔になれる。

イチノセ孤児院に来て、わかった事がいくつかある。

・皆んな普通に学校に通っている事。

・〇〇、九条が帰らない日が多い事。

・美空がこの孤児院

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紅くらげに告ぐ #5

紅くらげに告ぐ #5

「鬼ー! やっと帰って来た!」

「あっちで遊ぼー」

鬼木:うっせぇ!今取り込み中だっての。

パァン!

「ぎゃー!笑 皆んなー!鬼に撃たれるぞー」

「逃げろーー!笑」

和:な...なんなのこの状況...

子ども達に銃を撃ち、それを子ども達は笑いながら逃げている。

私に向けて撃たれた銃声を聴いて、みんな起きて来たみたいだ。

鬼木:んで、こいつ誰。

カチッ

鬼木:ありゃ...弾切れ

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紅くらげに告ぐ #6

紅くらげに告ぐ #6

鬼木:寒ぃな....雪降ってもおかしくねぇぞこれ..

和:.........

私は190cmはあるだろうという巨躯の後ろをついていく。どんどんと、いかにもという路地に入っていく男は、特注であろうマスクを被り、顔を隠す。

鬼木:お....いたいた。

和:....あ....

巨躯の後ろから少し顔を出して路地を見ると、高校生らしい男が、三人程の大人に囲まれている。

鬼木:よし、じゃあここで待

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紅くらげに告ぐ #7

紅くらげに告ぐ #7

ガチャ

和:ただいまー....

シャワーも浴びずにベッドへと倒れ込む。寒さのせいもあってか、体がどっと疲れている。

和:ふぅ......

目を瞑っても、頭を巡るのは先刻の出来事。鬼木が悪い人では無いのはわかった。むしろ良い人。

気がかりだったのは、鬼木から聞いた〇〇の話。

和:(全然わかんない....どんな人か...)

鬼木含め、様々な人を救っているのは話を聞いてわかった。何でも屋が

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紅くらげに告ぐ #8

紅くらげに告ぐ #8

美空:ただいまー....

鬼木:おう、おかえり。

美空:はぁ....疲れた。

鬼木:今日ダンスのレッスンか?

美空:うん.....あれ?和は?

鬼木:あぁ、〇〇の仕事についてった。

美空:えぇーーー!!!??

鬼木:なんだよ笑

美空:ぶぅー.....私もまだ連れてって貰ったことないのに....

鬼木:はっは笑 和には必要な事だったんだろ笑.....てか何、まだ〇〇の事好きなの?笑

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紅くらげに告ぐ #9

紅くらげに告ぐ #9

サツエ:ありがとう。散歩に連れて行ってくれて。

和:い、いえいえ、こんな事ならいくらでもやります。

寒空の下の散歩。30分ほど歩いて、家路についた。澪が来てからは、サツエさんは殆ど澪とばかり話していた。

.....私が初対面の人と話すのが苦手っていうのもあるんだけど。

澪:ねぇ、お婆ちゃん。和に町を案内して来てもいい?

サツエ:あら、いいわね。私はお留守番してるから楽しんで?緊急の時はモ

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