紅くらげに告ぐ #0
空は青い。
朝は明るくて、夜は暗い。
雲は白い。 .....まぁ灰色の時もあるけど。
日々の当たり前を受容して、溶け込ませて馴染む。
すれ違い様に会う異端を、排除して心で殺す。
俺は本当に人間なんだろうか。
そう思う事が、時々ある。
楽しみでも、快楽でも、情熱でも、平凡でも....
何か一つでも生きる理由があれば、良いんじゃないだろうか。
それがたとえ、憎しみでも
プルルルル プルルルル
ガチャ
「はい、こちら"何でも屋"」
「あの....その....た、助けてください...」
「詳細をどうぞ」
「家出したんです...でも...泊まるとこがなくて」
「....わかりました。では今からいう住所に....あ、いや、その前にお名前を」
「井上...和です...」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ガチャン プツッ
今日も依頼が入った。
笑いが止まらない。
いつもと変わらないただ一通のお悩み。
そう彼女は思っていたに違いない。
これが全部の始まりで、俺の世界を変える全ての要因になるなんて
誰も思ってはいなかったんだ
==================================
2024年11月15日