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材料学

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木材・金属・プラスチックなど様々な材料について紹介します。
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林業ゲーム『ZORING』

林業ゲーム『ZORING』

ZORINGは、林業森林整備の過程をテーマに、4~5人のプレイヤーが「自分の森林づくり」を競う対戦型のカードゲームだ。

ルールは、トランプの七ならべの要領で、「事業カード」を順番に並べながら森林づくりを進め、得点の最も高いプレイヤーの勝利となる。実際に森林で起きているシカの食害やその対策をカードに盛り込み、プレイの中で森林整備の難しさややりがいを感じてもらえる工夫がされている。

社会や技術の授

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木質の壁が睡眠に与える影響を調査

木質の壁が睡眠に与える影響を調査

オフィスなど非住宅分野で内装の一部に木質材料を使う例が増えている。

ヤマガタヤ産業は、木の端材をチップやパウダーにして再利用する塗り壁材「Mokkun(モックン)」を活用し、木質材料を使った内装がもたらす睡眠への影響を測る実験に乗り出す。

実験では、脳波で睡眠の状況を解析するほか、ストレスに関係する唾液、興奮時に活発になる交感神経、リラックス時に出る副交感神経などの変化を調べる。

スギチップ

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台所に使われている金属

台所に使われている金属

台所用品は、毎日のように火や水による加熱と湿気にさらされる一方で、清潔さと耐久性ももとめられます。
そのため、台所用品には、錆にくくて光沢が続く金属や、汚れがつきにくい金属が選ばれます。
 食器や野菜を水洗いするシンク(流し台)は、調理した鍋やフライパンを流し台に置いたまま水をためたり、洗ったりできる適度な深さと強度が求められます。鉄鋼は強度面では申し分ないのですが、赤錆が発生してしまいます。銀白

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低温でプラスチックを分解する

低温でプラスチックを分解する

レジ袋などに使うポリエチレンは、生産量が多いプラスチックの一つです。化石資源の枯渇や環境汚染を防ぐためにプラスチックをリサイクルする重要性が増しているが、ポリエチレンは構造が安定しているために300〜500度に加熱しないと分解しない。そのために環境への負荷を抑えたリサイクルが難しかった。

東京大学の研究チームは、ポリエチレンを低温で細かく分解する技術を開発した。触媒にセリウム塩を使い、ポリエステ

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まくら木

まくら木

中学校の技術では、木材や金属、プラスチックなど材料についてまなびます。『木材で出来ている物にはどんな物がある!?』と生徒に聞くと、線路のまくら木が出てきたりします。

まくら木の役割は、レールを強固に連結させ、左右のレールの軌道を正しく保ち、レールから受けた列車の荷重を道床に分散させます。
 
“木まくら木”は、栗、檜、ぶな、松などの硬くて、腐朽しにくい材質が使われます。木は弾性に富み、レールの締

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【技術科教師旅】八幡製鉄

【技術科教師旅】八幡製鉄

八幡製鉄所をめぐると古いレンガの建物、製鉄所のために作られた鉄道網、そして高くそびえ立つ高炉を見ることができます。

鉄鉱石から鉄をたくさん取り出すためには、炉に強力な風を送り込んで、勢いよく石炭を燃やす必要があります。炉を高くすると、炉全体が煙突のようになって、勢いよく空気を吸い込みます。そのため、炉の高さはどんどん高くなりました。製鉄のために建てられた背の高い炉を高炉と呼びます。

驚くことに

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樹木の成長

樹木の成長

山地に生息する樹木は、その標高や地形によって生育状況が異なる。尾根筋は雨が降ってもすぐに流れ去ってしまい、風も強いので乾燥しやすいです。光は上方・側方から獲得しやすいです。谷筋は水が集中し風が弱いので水分環境は良好ですが、光は上方からしかこないので、隣接する木との光獲得競争が激しいです。中腹は水分も光も中間にあたります。
そのため、尾根にある木は背が低く下枝が大きく張っており、根は広く伸びています

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化石化の原理を応用する

化石化の原理を応用する

博物館などで見かける、球状の岩石に覆われた化石、数万年〜数十万年以上に渡って風化などに耐え、球状コンクリージョンと言われる自然のコンクリートに守られているため、化石の保存状態がとてもいい。

この長期的な耐久性、シーリング効果、そして自然の球状コンクリージョンは亀裂が入ったときも、驚くスピードで再シーリング化するといいます。
この化石化のメカニズムを解明し、化石化を応用した新しいコンクリーション剤

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フッ素樹脂で加工した調理器具

フッ素樹脂で加工した調理器具

フッ素樹脂で加工した調理器具は、焦げ付きづらく、油をわずかしか使わなくても炒め物などの調理ができることから、フライパンの他にも、なべ、炊飯器、ホットプレートなどに利用されています。
しかし、フッ素樹脂は、プラスチックの中でも耐熱性に優れていると言っても、連続した加熱で耐えられる温度は260℃までで、高温にさらされると傷みます。また、フッ素樹脂より硬い金属などで強くこすると、削れてはがれます。フッ素

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感動!!旧東ドイツが生んだ「トラバント」

感動!!旧東ドイツが生んだ「トラバント」

聞いたことのないエンジン音だな、と思ったらトラバント!!ダンボール箱のような外観のレトロ車です。初めて見ました。

日本では、車のボディは主に鋼材で作られており、プラスチック材料はバンパやフロントガラスなど一部に限られています。しかし、東西ドイツ統一(1989年)前の東ドイツでは、プラスチックと布を積層にしてボディに使ったトラバントという車が約300万台製造されていました。排気量は600cc、定員

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木製ロードバイク

木製ロードバイク

先日東京に行った時に、木製フレームのロードバイクを見かけました。タイヤのリム部分の丸い形状も木製でできていることにビックリしました。
ネットで調べてみると、カリモク工業の金子社長が、中学校のころからサイクリング部に所属していて、自転車を改造するのが趣味だったのがきっかけのようです。
リム部の曲げ加工は北海道産の合板を高周波で曲げて加工したとか。国産材を高付加価値製品に変えるすばらしい製品だ!!

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中世ヨーロッパ 銀のカトラリー

中世ヨーロッパ 銀のカトラリー

現代社会において、銀は優れた導電率の高さから、電子・電気部品の分野や、殺菌・抗菌特性を利用した用途など身の回りにたくさん使われています。

また銀の性質として、自動車の排ガスや温泉地の硫化水素などと反応しやすく、表面に硫化銀を生成して黒ずんでしまいます。

中世ヨーロッパのカトラリーに銀食器が用いられていたのは、料理に硫黄化合物などの毒混入をいち早く察知することができるためと言われています。

金属の“硬さ”とは!?

金属の“硬さ”とは!?

だれもが身近に使っている金属の重要な品質項目として“硬さ”が挙げられます。しかし、“硬さ”とはそもそも何か、数百年前から大勢の研究者や技術者が、試験方法や試験機を工夫し、硬さを定義して、膨大な“自分流の試験”を行なってきましたが、統一の定義はいまだ存在していないようです。
みなさんなら、金属の硬さをどのように測りますか?金属の硬さの試験方法のうち、客観的に数値化しやすく、扱いやすいものが現在も取り

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生きる化石 イチョウ

生きる化石 イチョウ

『イチョウは広葉樹?針葉樹?』中学校の理科で学ぶ問題だ。イチョウの葉の形から、イチョウは広葉樹だと思われがちだが、実際はイチョウ属→イチョウ科→ イチョウ綱と大分類に至っても一種だけしか残っていない生きた化石植物といわれ、裸子植物で針葉樹の仲間です。
約1億5000年前の中生代ジュラ紀(巨大な恐竜が活動していた時代)から現在まで生き残っています。

材料としては柔らかめ。木肌が細やかで仕上がりがき

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