見出し画像

CLASSIC個人的10選

人生で一番最初にちゃんと自分の家でCDで聞いた音楽ジャンルが僕の場合「クラシック音楽」でした。このnoteのどこかで書いた気もしますが改めて言いますと。小学校4年生の時、バブル真っ只中の昭和63年、1988年に僕の母親はシングルマザーでしたが生命保険会社の営業員としてそこそこの給料、といっても金持ちとかではなかったですが、まあ不自由なく暮らしていける程度には稼いでいて、僕もかなり甘えて結構母親と買い物に出かけた日曜日に「お母さん、一生のお願い」を結構乱発してしまっていて、5000円もするファミコンのカセットを誕生日でもないただの日曜日にまあ年に何回か買ってもらってたりと、うーん甘いなあ。でも嬉しかったなあ。で、そんな結構お金に余裕がある感じのバブル全盛の母親の生命保険会社にある日飛び込みの営業か何かで「クラシック音楽全集」を売りつけにきた人がいて、まあ言葉巧みに女性陣ばかりの職場で大見え切ったのかどうかは定かではありませんが、当時レコードからCDへと切り替わる初めの頃でまだまだ世間的にはレコードが優勢だった時代に、「これからはCDの時代です。一生音質は変わらず、ずっといい音楽が聴けるんですよ、奥さん」とか何とか言ってたのでしょう。経済的に余裕のあった母親はおそらくCD全集とそのソニーの最先端のCDプレイヤー、とステレオを40万円くらいでローンで購入し、家に今まで見たこともない機械がやってきました。今考えてもあのソニーのCDプレイヤーは相当高級な一品で音質もよかったと思います。CD入れるところは一つなのにビデオデッキみたいな大きさで、ステレオ自体は小型でしたがアンプがかなり大きく、その工場からの出来たての何とも言えないいいにおいを嗅ぎながら、これまたクラシック全集90枚を一個一個ビニールに入れてある感じのものを1枚目から剥がして聞いていった感じでした。その今まで見たことも嗅いだことも、聞いたこともないアイテムに小学4年生の僕は、ファミコンにはない「特別なもの」を感じ、音楽自体はファミコンの音楽かアニメソング、テレビの歌番組から流れて来る当時の80年代の邦楽とかしか知らなかったのですが、そのクラシックのおそらくこの人生においてもなかなかその高みの芸術を拝むことも少ないであろう音楽を人生の一番初めの音楽体験として心に焼き付けることが出来たのはこの人生でもかなり幸運なことだったのではないかと今になって思ったりします。CDのビニールを剥がして初めから全部で90枚もあった大全集だったりしますが、全部の袋開けるのにたぶん、4年くらいかかったんじゃないでしょうか、そこはやはり「敷居の高い」クラシック音楽で今聴いても分からない曲も多めだったりしますが、それだけこう人生かけて一生聴いていく感じの音楽なんですかね。そこまで堅くは聴いてはないのですが、そんな感じも受けます。でもやっぱり洋楽とかでもそうですが、聞いたことのある有名な曲とか多くて、それは小学校4年とかで聴いても楽しかった記憶があります。「エリーゼのために」とか「アイネクライネナハトムジーク」とかヴィヴァルディの「四季」とか。他にも題名は知らないけど聞いたことのある有名な名曲に出会うと凄く満たされた気持ちになったり。ホンマ僕は最初から音楽が大好きやったんやなあって思ったりします。まあ長々と語っていてもこのシリーズは始まらないので、早速大全集の1枚目「トランペット吹きの休日/ホームコンサートの愉しみ」から行ってみましょう。ちなみにこの「CLASSIC個人的10選」シリーズでは「JAZZ個人的10選」シリーズと同じく家にある90枚(ジャズは160枚くらい)もの大全集のCDを1枚目から順番に抜けなく僕がいいなと思った曲を毎回10曲ずつ紹介していく感じになるかと思います。終わるまで10年くらいかかりそう笑。年に2回程度になる予定なので。ではそんな感じですが、早速どうぞ。


トランペット吹きの休日 / ルロイ・アンダーソン
記念すべき「世界クラシック音楽体系」(このCD全集の正式名称)の1枚目の1曲目がこのアメリカの20世紀を代表するクラシック音楽家、ルロイ・アンダーソンのこの曲です。結構つかみは完璧やったなあって思ったりします。やっぱりクラシック音楽は「敷居が高い」イメージがあり、いきなり本格的なクラシック持って来られても僕なんかは「そっぽ」向いてクラシック聴こうか、とはならなかったと思うので、そこら辺はこのCD全集制作した昭和60年代とかですから、明治生まれや戦前生まれの「ちゃんとした」大人の日本人が(偏見多め)もの凄く配慮に配慮を重ねて「教育的に」聴衆を導くみたいな感じで、このクラシック音楽にしてはかなり「ライト」で「聴きやすい」曲を持ってきていて、助かりましたね。この曲との出会いがまだ小学校4年生とかでしたが、僕の音楽人生を決めたと言っても過言ではない感じもします。別にミュージシャンでもないですけど笑。でも音楽の一番いいところ、一番美しいところをこの小学生の段階で触れさせてもらった経験はやっぱりかけがえのない経験だったと思ったりします。一番感受性が豊かな時に一番美しいものを「ドスン」と魂の真ん中に落としてくれたわけですから。お金持ちでは決してありませんでしたが、いい教育をここだけはちゃんと受けたような気もします。あとはかなりジャンクなファミコンとか漫画とかテレビとかお菓子とかいろいろまみれたりしておりましたが。


そり滑り / ルロイ・アンダーソン
これもルロイ・アンダーソンの曲で、何とも言えない情緒豊かなアメリカの冬の景色、雪山でのひと時を思わせる、いやサンタがそのままトナカイにそりを引かせている感じの名曲で冬になると、クリスマスシーズンとかは特にどこかしらで今でもかかっている感じですね。全然堅苦しくない感じの曲で、初心者過ぎた子供の僕でも楽しんで聞いていました。やっぱり音楽は楽しむことから入るのがいいですね。頭にいいからとかでいやいやモーツァルトとかずっとかけられていたら、たぶんクラシック音楽や、音楽自体嫌いになっていたかもです。


シンコペイティッド・クロック / ルロイ・アンダーソン
CD全集1枚目のルロイ・アンダーソンは名曲揃いで、これはそのまま3曲目とかですが、これもいいですね。聴きやすいし、入りやすいです。ホームコンサートさながらの堅苦しくない感じで、クラシックの世界に誘われる構成がやっぱり見事で、子どもにも優しい感じの曲の並びが本当に戦前の教養豊かな「本当の」大人が編集した昭和の遺産的な編集内容だなと思ったりします。昭和が大好きなのはたぶん、大人が本当にいい教養をもってちゃんとしていた気がしたからかな。テレビマンとかも本当に面白い番組作っていたと思いますし。平成30年間で全部そこは世代変わりして、いなくなってしまったというのが、何ともこの国の……、ここでは止めておきましょうか。虚しくなるだけだから。


タイプライター / ルロイ・アンダーソン
4曲目もルロイ・アンダーソンで。これ知っている人は今ではかなり少なくなっていると思いますが、僕が小学生の時、丁度このクラシック音楽全集を買ってもらった4年生くらいは毎朝テレビは東京の言い方で言うと「4チャンネル」関西では「10チャンネル」の日本テレビ系列読売テレビで放送されていた「ズームイン朝」を見ていて、確かお料理コーナーのバックで流れていたのがこの曲で。だから初めてこの曲聴いた時は「うわ、ズームイン朝で流れている曲や」って興奮したのを覚えています。余談ですが僕はこの当時ズームイン朝の司会をしていた日本テレビアナウンサー福留功さんが大好きでして。それはなぜかというとこの方が司会していた「アメリカ横断ウルトラクイズ」が冗談抜きで人生で一番好きなテレビ番組で、いつか大学生になったら絶対出て福留さんに会うんだって意気込んだりしておりました。毎年夏とかになると福留さんがズームイン朝を休んだりしていて「あ、今年もウルトラクイズで海外行っているんや」とか子供心に思ったりしておりましたが、平成になってすぐ司会が「ジャストミート福沢」氏に変わり、そして次の年には、くらいだったかな、「ウルトラクイズ」自体が終了してしまって、めちゃくちゃがっかりしたのを覚えています。平成に入った最初がこの事件だったので僕自身「平成」は基本的に嫌いです。うつ病とか引きこもりとかロクなことがなかったので(高校中退とか自業自得な面もありましたが)。子供時代が大いに満たされていた昭和が大好きでした。そして何もいいことがなかった平成が終わって令和になって僕の人生もようやく大学に入学出来たりと上向き加減なので令和も基本的に好きです。何の話やねんな余談でした笑。まあウルトラクイズは本当に面白かったので日本テレビさん、DVDとかで販売してくれないかな、特に思い出深い1987年から1990年くらいまでの4年間をノーカットで。MVはあんまり詳しくないですが、海外の高校生かな凄い若いオーケストラの学生さんたちの、これってホンマにタイプライターも「楽器」としてコンサートで演奏されいるんですね、面白いです、な名演奏です。


おどる子猫 / ルロイ・アンダーソン
すいません、結局ルロイ・アンダーソン全部入れてしまいました。それくらいつかみは完璧やったなあ。捨て曲なし。結構この全集の最初の3枚が「ホームコンサート」と銘打って聴きやすい配置で、やっぱり入りやすかったです。その後もピアノとかギターとか、管弦曲とかでいろいろ分けて16枚目までそんな感じのイントロで、そこからようやくベートーヴェンやモーツァルト、バッハといった大御所ごとの交響曲とかで、上手い事編成してました。母にはこのことの関しては本当に感謝しております。40万円くらい出して、この全集とステレオコンポも買ってくれたのですから。


森の水車 / アイレンベルク
この方もあんまり知らない作曲ですが、この曲は聞いたことある感じで、今改めて聴くといいですね。ホームコンサート1枚目のこれまた連続で6曲目とかで、捨て曲なしです。結構このシリーズ続くとしたらほとんどすべての曲を順番にやってしまうのではないかっていうくらい、今大人になった耳で聴くとクラシック「古典」と呼ばれるだけあって、歴史の審判に耐え抜いたいい音楽ばかりやなあって思ったりします。森の水車の雰囲気が滲み出ている感じがいいですね。


おもちゃの兵隊の観兵式 / イエッセル
これもどこかで聞いたことのあるような聴きやすい曲ですね。バイエルン(でしたっけ)のソーセージのコマーシャルとかで流れていそうな、そんな感じもします。流れていたのかもですが、ちょっと記憶が曖昧で。ウィキペディアでいろいろ調べたら作曲者のイエッセルさんはドイツの人で1887年にこの曲をピアノ用として出しましたが後に管弦楽用に編曲して、行進曲としても使われたりしていたそうです。また日本の学習指導要領で小学1年生の音楽の授業でこの曲を習っていたらしいですが、あんまり覚えてないなあ。でもどこかで聞いたことあるからやっぱり学校でもならったのかもです。曲の説明として「幼い子供の夢の世界で、きらびやかな軍服を着、ピカピカと輝く鉄砲や剣を持ち颯爽と行進しているおもちゃの兵隊、窓辺に朝の光が差し込んだとたん、兵隊たちが慌てておもちゃ箱にもぐり込んだ様子を表現している」とあるので、おもちゃの兵隊っていうのはやっぱり非現実的な世界を描いている感じで、自由な伸び伸びした雰囲気がやっぱりしていて、いいですね。動画で調べたらこの曲あの有名な「キューピー3分クッキング」のテーマのアレンジした原曲みたいですね。道理で聞いたことあるわけです。


見よ、勇者は帰る / ヘンデル
未だに何かしらの表彰式、卒業式とかでは必ずかかる曲で、世界中でやっぱり今でもどこかしらで使われているんでしょうね。凄いです。クラシック音楽の破壊力や影響力は。ここまで普遍性を持つとなるとなかなか到達しない領域で、もし使用料とかトータルで換算するととんでもない金額になるんやろうな、って下世話にも思ったりします。ヘンデルは有名ですよね。未だに小学校とかの音楽室でベートーベンとかと一緒に並んでいる姿が思い浮かびます。懐かしいなあ、クラシックの作曲家の顔とか人生であの場所でしか見たことないです笑。ちなみにヨーロッパとかではラジオでクラシック音楽のリクエストランキングみたいなヒットチャート的なものを毎週やっているとかなんとか聞いたこともあり、さすが本場やなあって昔感心した記憶があります。ロックやポップスが幅を利かせるようになってからもう半世紀以上経ちましたが、クラシックのヒットチャート的なものが出来るくらいにクラシックはやっぱり流行らんかなあ。ちょっと難しいですね。わからないですけど。


口笛吹きと犬 / プライアー
これまた聞いたことある曲で。クラシック初心者はこういう曲聴くとテンション上がったりしておりました。といっても小学生とかでしたが。分かりやすくて親しみやすい感じがいいですね。もういい年齢になってきたから、そろそろもう一回ちゃんとクラシック音楽も聴いていこうかな。いやでもかなりロックに「毒されて」しまっているから(いい意味です)、なかなか刺激のない生活に戻るっていうのも、まあ元々音楽は雑食系なので、自分がいいと思った音楽を気の向くままに聞いていく感じがやっぱり合っているので、このままマイペースで生きて行きます。


ガヴォット / ゴセック
これまたCMとかで散々聞いたようなよく知っている曲で。小学生くらいの時に初めてこういう「品」のある曲聴いた時、純粋だったからそのまま音楽の世界に連れて行かれて、そこから思いっきり空想とかイメージ広げてその世界に浸っておりました。後にドラマや漫画で大ヒットした「のだめカンタービレ」でヒロインの恋人で玉木宏が演じていた「千秋」が指揮している中でその(この曲ではない、交響曲とかでしたか)音楽を肌で感じて「草原の中にいるようだ」って描写とかありましたが、まさにそんな感じで、本当にいい音楽に純粋な時に触れるとそういういい右脳の働きとか促進されたりするのかも、って今振り返ると思ったりします。そういう意味でクラシック音楽に小学生の時に触れることが出来たのは幸運なことだったと思ったりします。もしそうでなかったら思春期以降のどうしようもない「うつ病」や「ひきこもり」の試練で完全に事切れていた可能性もあるかなと思ったり。それくらいやっぱり精神の滋養強壮には、かなりクラシック音楽は効果あるのかもです。個人的な見解かもですが。ちなみにガヴォットとはフランスの地方におけるフォークダンスとそれに由来する古典舞踊の名称だそうです。


なんとか第1回目のクラシック音楽の記事を書きあげることが出来ましたが、今までのジャンルとはかなり異なるので冒険でもあるかなって感じはします。でも自分の音楽遍歴の一番最初にあるジャンルでもあるので、どこかでやらないと嘘になるとか、変に気負ったり。ジャズはやたら受けたけどクラシック音楽はどうやろ、って不安もありますが、まあ受けても受けなくてもまたどこかで第2弾をやるかもです。小学生の時はクラシック音楽は誰も周りで聴いていなかったから余計に自分ひとりの世界に耽溺して、良くも悪くもその後の「自分の感性」を形成した部分もあり、自分の感性を信じすぎたために、高校中退とか我が道を突き進んでやたら人生損したこともありましたが、でもクラシック音楽で身に付いたような気もする「美しいもの」を見分ける審美眼的なものは、今でもいろいろ役に立っているかも、とも思ったりします。人と違うっていうのはなかなかしんどい道ですが、自分の核を形成してくれたクラシック音楽や、母親の40万円(ローンで何年もかかったらしいです。どっちみちバブルと言ってもシングルマザーの非金持ち世帯でしたから)出しても子どもにいいものを聞かせようっていう気持ちには今となっては本当に感謝しております。今回はそんな感じで失礼します。ではまた何かの10選とかで。

いいなと思ったら応援しよう!