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銀河の図書室

数日前に読んでいた本の感想文

「銀河の図書室」  名取佐和子 著

 タイトルやイラストから、そこはかとなく感じ取れた本のイメージの一つは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に関係しているのかしら…と。
 
 入学早々、部活の勧誘がされる中、風変わりな名前の図書館を起点としている「イーハトー部」があった。この部を校長に頼み込み創設した本来、いるはずの部長が原因不明の不登校。替わって部の代表を務めることになった主人公が、友人と新しく勧誘した部員とで彼が最後に残していたメッセージから謎を解こうとするのだが…。その謎にたどりつく鍵を握る一人の女子生徒。謎が解かれたとき、そこには暗い闇と希望の光が広がっていた。

 そう、そんなことは、よくあることなのかもしれない。
心の中で良かれと思ってやった善意が、とんでもないことを引き起こすこともある。この作品はそんな自分の解釈によっては、人の状況も変えてしまうこともあり、また自分自身を変えていくこともあるというストーリーが描かれています。青春を楽しんでいるさなかに起こった悲劇と一言で言っていいのかどうか。それでも、本の中の登場人物である彼らが引き続き高校生活を楽しんでもらいたいと願う…そう思わされる。
 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を知っている方なら、目に浮かぶ光景や言葉がより深く響くかもしれない。作中で出てくる「あかいめだまの さそり~」から始まる「星めぐり」の歌のくだりが特に心にしみました。星のように
宮沢賢治の作品がたくさんちりばめられている作品です。

 
 祖母の介護があったから、すぐに家に帰る必要があって、あんまり部活動は真剣に取り組んだ覚えはないけれど、それでも週一の活動の茶道部に入り、文化祭で着物を着てお茶を立てたことがあったのを思い出しましたね。

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