音楽と鬱

「音楽聴きすぎると鬱になるからやめな」

母に言われた。

そういうデータが出ているらしい。

音楽聴きすぎると鬱になる、か。
鬱だから音楽を聴きすぎるのではないか。

今日は鬱と音楽の関係性について考える。

まず、音楽を聴くのはどんなときか。

通学路
タバコを吸うとき
メイクをするとき
移動時間
バイトの休憩中
寝る前
起床後
ご飯を食べるとき
歯を磨くときもたまに

聴いていない時間を数えた方が早そう。

聴いていないのは、

ドライヤーをしているとき
大学の授業中
就寝中
友達と話しているとき

彼氏といたときは、彼氏がゲームをしているときはあまり音楽を聴いていなかった。
しかし、元彼も音楽が好きな人だったので、
音楽の話をしたり、好きな音楽を共有することは多かった。
今と聴いている時間は大差ないはずだ。

私の知り合いには確かに、音楽好きは鬱な人間が多い。類は友を呼ぶと言うからこれは仕方ない。音楽が好きでない人とは友達にもなっていないから、なんとも宛にならないデータである。

鬱にならない音楽好きなやつらがいる。
高校の女友達たち2人、そして私の妹。彼女らは鬱にならない、絶対にだ。彼女らはどこまでも明るい人間である。飲みに行っても、愚痴はこぼせど暗い話は一つもしない。「つらい」すら聞いたことない。なんなら全部笑いに変えてくる。
でも彼女らは音楽が好きだ。

その友達の1人はフェスに行くタイプ。それもかなりの頻度で。
彼女は大阪にいるが、名古屋や東京まで足を運ぶ。フッ軽である。グッズ、ライブやフェスにかけるお金ならば惜しまず使う。

もう1人の友達と妹は、アイドルが好きなタイプ。所謂かつての「ジャニオタ」である。複数のグループに推しがいて(というか複数のグループを推していて)、彼女らはそのために生きている。そして2人も、バイトで得た金のほとんどをグッズやライブに充てている。

彼女らと私たちの違いはなんだろう。

考えられることとしては、彼女らが音楽をやっているかどうかである。
友達2人はピアノを習っていた経験がありめちゃくちゃ上手いし、妹も3年間ドラムを習っていたから大抵の曲は叩けてしまう。
しかし、3人とも今は何も弾かない。完全に聞く専門である。

やはり類は友を呼ぶ理論は否めないので
ギターやベースを弾く私の周りには
ギターやベースを弾く友達が多い。
または作曲をしている。
まさか、鬱にならない人はギターやベースを弾かないのか。
鬱にならない友達はみな、「ギター難しくて諦めた」と言う。妹もその一人。
そんなはずはない。だってギターなんて、誰でも音が出せるから。

正直、私も最初は難しかった。
TAB譜の読み方から学んで
独学でずっとやってきている。
ピックの持ち方も正しくないかもしれない。
Gコードも楽な方の抑え方をしている。

でも、指が痛いことを我慢すれば、
すぐに弾けてしまう。
非常に手軽な楽器であると思う。
こだわらなければ5000円で道具が揃う。
指で弾くだけで音が出る。

ギターが難しかったのではなく
つまらなかったのではないかと考える。
楽しくなかったのではないかと。

一方、鬱な私たちは、
ギターを弾いて楽しいと思うし
ベースを弾いて楽しいと思う。
暗い気持ちのときほど弾きたくなる。

ここで気づいたことがある。

鬱にならないが音楽が好きな彼女らは
非常に忙しい生活をしている。
毎日のようにアルバイトをして、
バカ真面目に大学に通っている。
空いた時間と貯めた金を、すべて推し活に充てる。

一方鬱な我々は
夜中にまず眠れず暇になる。
そこで音楽を聞いてしまう。
そして音楽を聴いて楽器をやりたくなってしまう。

ギターとベースのいいところは、
エレキならばアンプに繋がなければ音が小さいところである。ほぼ音などでない。
ピアノやドラムと違ってペダルもない。

結局、鬱な人間の何が一番よくないかって、
静かにするべき時間に起きていることなのではないか。
忙しい彼女らは夜更かしをしない。
規則正しい生活をしている。
鬱の我々にはそれができない。
夜起きてしまうからだ。
眠れない夜、
鬱な我々は音楽に頼ってしまう。
疲れていると、鬱な我々は昼寝をしてしまうのだ。なんなら朝から昼に寝たりする。
これはもう諦めざるを得ない。
このような生活習慣になってはなかなか戻せないからだ。

元彼と喧嘩をするときは大抵夜か朝で、寝不足のときだった。寝不足は精神的に不安定になりやすい。

我々に必要なのは
眠れない夜に聞く音楽ではなく
眠剤なのではないか。

仮に音楽が好きで鬱になっているとして、
聴いている曲のジャンルもあると思う。
でもそれは、好きな音楽が暗い時点で、
そういうものを求めている時点で、
時既に遅し。鬱なのだと思う。

もちろん明るい音楽も聞く。
うるさい音楽も好きである。
朝でも昼でも夜でも関係ない。
結局暗い曲に戻ってきてはしまうが。

フェスやアイドルのライブでは
そりゃ暗い曲もあるかもしれないが
基本的には盛り上がるものをメインで持ってくるはずだ。
そういうことなら、確かに、明るい曲を聴いている方が鬱になりにくいのかも。

でも鬱の人間にアイドル好きも山ほどいる。
実際、私の周りの鬱な人達は好きなアイドルや推しがいる。私だってアイドルが好きだ。前にK-POP特集をしたくらいであるから。

鬱じゃないのに暗い曲が好きという人のデータが少ない。そこが欲しかった。
そこが分からないから結局、鬱と音楽の関係性はまだ謎に包まれている。

また考え直したい。
とりあえず鬱の我々は、早く寝ろ。

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