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乳がんサバイバー(進行乳がんを生き抜いて)

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17年前のステージ3Cの乳がん闘病記。壮絶な治療の果て絶望の淵から立ち上がった記録です。傷だらけですが元気に生きています。 エッセイ特別賞受賞しました。たくさんの方に読んで欲しい…
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2020年7月の記事一覧

乳がんサバイバー 第12話 抗がん剤が始まる。種類と副作用

乳がんサバイバー 第12話 抗がん剤が始まる。種類と副作用

いよいよ抗がん剤が始まった。

前日、血液検査とカウンセリングがあった。この時に(遺伝性の乳がんHBOC)かどうかの検査もした。この結果は陰性だったので妹や姪そして息子や甥の事を考えて一安心した。乳がんは男性にも発生し、このHBOCがあるとかかる確率が高い。
 
 抗がん剤を受けるための病室に9時に行く。 はじめに点滴をする。これはほとんど水分だ。血管が細めなので失敗される。手術は左胸でリンパも取

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乳がんサバイバー 第11話 悪くなっていった息子の精神状態 2度目の手術

乳がんサバイバー 第11話 悪くなっていった息子の精神状態 2度目の手術

 日本からハワイへと引っ越すことが決まったが、荷造りのために日本へ帰ることが出来ない。手術をしてから3週間が経っていた。もうすぐ抗癌剤が始まる。引っ越しのために夫が息子を連れて日本へ帰ることになった。

 息子の学校の転入手続きもしなければいけない。日本のY基地の学校に一年生から入り、やっと慣れたところだったのに、またアメリカの学校に転校することになってしまった。

この頃から少しづつ息子の精神状

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乳がんサバイバー 第10話 病理検査の結果 ステージⅢC

乳がんサバイバー 第10話 病理検査の結果 ステージⅢC

組織の病理検査結果が出た。

左胸の腫瘍は、なんと4・5センチの大きさの癌だった。 他にもいくつか見つかる。

脇の下のリンパ腺に3つ。 良くないと言われている胸の中のリンパ節に1つ。脇の下から全身へ広がるため、胸の中のリンパにもう進んでいるのは良くないのだと言われた。

もしかしたらステージⅡかもしれないと思っていたのがステージⅢになった。胸の中のリンパに転移していたため、数年後ステージⅢの中で

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乳がんサバイバー 第9話 手術の傷から感染して再入院 思いやりとは

乳がんサバイバー 第9話 手術の傷から感染して再入院 思いやりとは

胸の下に開いている2つのチューブの穴は赤く腫れている。夜熱が高かったが解熱剤を飲んで下がったので、様子を見ることにした。

翌日、病院で検査。車を降りてから病院入り口まで歩くことが出来ずに車いすで病院に入る。
チューブを抜いた穴を消毒して注射で麻酔をして長めの針を差し込んでの検査。中には菌が入り込んでなかったので再手術は避けられた。

しかし2日後また高熱が出た。39度まで上がり涙が熱湯のように頬

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乳がんサバイバー 第8話 退院 はじめて胸の傷を見る。

乳がんサバイバー 第8話 退院 はじめて胸の傷を見る。

驚くことに、乳房全切除から3日目に退院できることになった。自力で歩けて食事ができたら、もう入院の必要はないそうだ。日本では考えられないと思う。ちなみに出産のときも基地の病院で翌日退院させられた。体力のない私はフラフラだった。

退院時に固く巻いた包帯の上からコットンの柔らかいブラをして、手術前に買っておいたかぶるタイプのワンピースをなんとか着た。左腕は全く上がらない。 

最初の日は吐き気がひどく

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乳がんサバイバー 第7話 手術後 止まらない吐き気とモルヒネ

乳がんサバイバー 第7話 手術後 止まらない吐き気とモルヒネ

――暗闇の中、遠くから声が聞こえる。

「……終わりましたよ、聞こえますか?」

「麻酔薬をいれますよ」から「聞こえますか?」まで一秒くらいしか過ぎていない感覚だった。しかし実際には4時間ほどの手術を終えて、さらに数時間が経っていた。

まだ目がはっきりと覚める前だったがガクガクと震えていた。やっとのことで振り絞った声は老婆のようにガサガサに枯れていた。

”I feel nauseous”(気持

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乳がんサバイバー 第6話 手術前夜そして、いよいよ手術当日。麻酔まで

乳がんサバイバー 第6話 手術前夜そして、いよいよ手術当日。麻酔まで

手術は3月18日に決まった。

前日17日の朝8時に麻酔医との予約があった。この日の血圧は上が98下が77だった。血液検査もする。

手術に関しての注意も聞く。真夜中過ぎから何も食べてはいけない。飲み物もだめだった。水さえも。 朝歯磨きをしてうがいをした水は残さず吐き出すこと、と言われた。

アメリカらしいと思ったのはボディーピアスは全部外すことと書いてあったことだ。耳のピアスだけではなく、おへそ

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乳がんサバイバー 第5話 腫瘍専門医予約そして息子に告知した日

乳がんサバイバー 第5話 腫瘍専門医予約そして息子に告知した日

腫瘍専門医のドクターBの予約が入っていた。11時の予約で名前を呼ばれたのは1時間後の12時だった。

ドクターBは高齢男性で表情も言い方もとにかく暗かった。放射線医と話してやっと楽になった気持ちが一気に沈む。

「……え~リンパ腺には転移していると思うけれど……全部取ると腕が腫れる。ああ……一生注意しなければならない……」とボソボソと話す。話していると具合が悪くなりそうだった。質問も出てこない。

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乳がんサバイバー 第4話 絶望と希望 放射線科の医者と形成外科医に会う。

乳がんサバイバー 第4話 絶望と希望 放射線科の医者と形成外科医に会う。

 
翌日の予約時に専属のナースに治療の質問をして、ついこれから5年間の生存確率のことを聞いてしまった。

「一般的にだけど、もしもステージ3になっているなら、そしてリンパ腺に転移しているなら、5年間の生存率は60%位ね」と言われた。

思っていたよりも低い数字が凄くショックで頭がぐらっとした。もっと高いと思っていたので60という数字がグルグル頭のなかで回った。

5年後に100人のうち40人は亡く

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乳がんサバイバー 第3話 病名告知

乳がんサバイバー 第3話 病名告知

翌朝 左胸は一面真っ青に内出血していた。まだズキズキと痛む。もしも悪性だったらこんな癌の真ん中に針を刺して広がったりしないんだろうか?と心配になる。 

検査結果を聞く予約は午後だった。ホテルを出る時

「きっと大丈夫。なんでもない、なんでもありませんように」と祈った。

待合室で名前を呼ばれて、夫と息子も一緒に病室へ連れて行こうとした。するとナースはちょっと困った顔になり

「……息子さんはここ

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乳がんサバイバー 第1話 マンモグラフィー

乳がんサバイバー 第1話 マンモグラフィー

2003年3月

 左胸の中に大きな塊があることに、ずっと気がついていた。

 奥の方からズンズンと突き上げるような鈍痛もあった。当時癌は痛くないと一般に言われていたので、例えば乳腺症のようなものだと思っていた。乳腺炎にかかったことがあり、その時の感触と痛みにそっくりだった。 なので「またか」と軽く考えていた。

* * * * * 

 当時、私とアメリカ人の夫と息子は関東にある米軍Y基地の中で

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乳がんサバイバー 第2話 ハワイにつきバイオプシーの検査をする。

乳がんサバイバー 第2話 ハワイにつきバイオプシーの検査をする。

 午前中にハワイホノルル空港(現ダニエル・K・イノウエ空港)に着き、その足で陸軍病院へ行く。家でも飛行機の中でも寝られなかった。

日本時間ではもうすぐ3月4日の朝4時だったが、ハワイ時間ではまだ3月3日の朝9時だった。アラモレンタカーで車を借りてすぐに山の上にあるピンク色の大きな病院を目指す。

簡単な検査をしてドクターと少し話をし、バイオプシー検査という長い針を刺す検査をすることになった。

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