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#創作

【小説】最後の晩餐とカップラーメン

 「最後の晩餐に食べたいものは何か」と、学生時代そんな話題が上がるたびに、僕はカップラー…

たま
3年前
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【小説】10年後、約束の欅の木で

「この欅の木に、10年後の今日集合な」 6年3組のリーダー格であった片山君が、クラスの面々に…

たま
3年前
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【小説】夢の話

妻は毎朝、朝食を食べる僕に、その日見た夢の話をする。 正直なところ、それを聞くのは1日の中…

たま
3年前
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【小説】小さな恋のうた

「カラオケで、歌ってる時に店員入ってくるとなんか気まずいよなー」 大学の講義室で、後ろの…

たま
3年前
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【小説】噂の種田さん

「ねえ、今日の種田さんさ」 ぞろぞろと歩く社員達の中から聞こえたその言葉に、キーボードを…

たま
3年前
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【小説】サブリミナル・マルゲリータ

山下加奈には、生まれてから28年間誰にも言っていない秘密がある。 それは、相手の目を強く見…

たま
3年前
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【小説】からしの会

実家に帰ると、見慣れない家具が増えて、なんだか違和感を感じる事がある。 ただ今回ばかりは、すぐに受け入れることはできなかった。 部屋中の家具・家電が、全て黄色のもので新調されていたのだ。 母に聞くと、「ご利益を得るため」だとしか答えないので、2つ下の妹・麻美に聞いてみた。 「なんだかね、ハマっちゃったみたい、宗教に」 まず真っ先に、575で俳句みたいだなと僕は思ったけれど、次に宗教という言葉に驚いた。 「宗教?」 「それがね、新興宗教、みたいなの」 また真っ先に考えたのは、字