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【スタンフォードの自分を変える教室】科学に基づく自分の意志を変える方法
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆
最近、心理学に関連した本に興味を持ち出して、いくつか読もうとしているが、以前読んだ「影響力の武器」があまりにも衝撃的過ぎて、心理学という世界にハマってしまいそうである。
「影響力の武器」が、"他人に影響を与える心理学"または"他人から影響を与えられる心理学"であるならば、今回紹介する一冊は"自分自身に影響を与える心理学"と言えるだろう。
〜自己コントロールに必要な"意志力"〜
さて、この本のタイトルからも分かる通り、この本は"なりたい自分になるための本"である。
そして、この本で大きく取り上げられるのが"意志力"という言葉である。
つまりは、誘惑や依存に負けてしまったり、物事を先延ばしにしたり、やる気が出ない、といった事は、全てこの"意志力"にかかっているというのだ。
誰でも、何かしら大きな夢があったり、長い目で見た時の目標をもっていたりするものだが、それらを達成出来るかどうかは、この"意志力"でどれだけ目の前の誘惑(長期的に見れば自分を悪い方向へ向かわせてしまう類のもの)に負けないようにするか、が重要なのだ。
本書では、そんな誘惑に負けないように生きるための術を学ぶことが出来る。
〜科学的な実験や実証に基づいた"意志力"〜
タイトルだけ見ていると、いわゆる自己啓発本のように思えてしまう(僕も読み始めるまではそうだった)。
しかし、いざ中身を読んでみると、心理学や医学の実験や実証に基づく脳や神経のメカニズムが語られている。
ただただ、都合の良い言葉を並べられたライトな自己啓発本とは違い、実例に基づき、人の脳や神経が誘惑に対してどのように働くのか、という事が書かれている。
さらにこの本の面白いところが、科学実験のような章立てがされている事だ。
自分自身の脳や神経の反応について、自分自身をありのままに観察する「マイクロスコープ」、そして、自分自身を変えるための戦略とも言える「意志力の実験」だ。
本書は10週間で自分を変えるためのカリキュラムを想定して書かれている。
本当にこの本に対して素直に取り組んでいくと、10週間後には本当に自分を変えられるかもしれない、とさえ感じてしまう。
〜人に薦めたくなる1冊〜
では、この一冊を読んで僕は変われたのだろうか?
正直なところ、僕自身はこの本では大きく変われなさそうだった。
というのも、自慢ではないが、本の中で語られる戦略や意志を変える方法は、半分くらいは僕自身の中で既に実践している事だったからだ。
例えば、この本の中でも書かれている事で「何かいい事をしたら自分を甘えさせてもいいだろう」と考えがちなのは、自分の中で理解・認識していたし、「目の前の誘惑にあえて負けてみれば、その誘惑はそれほど自分を幸福にしない、むしろ後悔してしまう」ということもどこかのタイミングで自覚していたし、「失敗したときほど、『どうにでもなれ』と思ってしまい、さらに大きな失敗を犯してしまう」ということも、経験済みだった。
僕の中では、この本に書かれていた事は、ある意味自分が経験の中で学んできたことの答え合わせのような感覚だった。
それでも、僕のような辛い失敗や深い後悔を味わう前にこの本を読む事で自分が変えられるのならば、そんな幸福な事はないだろう。
大きな失敗をしてしまう前に、自分の"意志力"に自信がない人は一度読んでみる事をオススメしたい。