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【小説編】蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録・小説編です。
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#朝井リョウ

【生殖記】○○○視点の日常系小説

【生殖記】○○○視点の日常系小説

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜朝井リョウさん最新作〜「正欲」以来、三年ぶりとなる朝井リョウさんの新作。
朝井リョウさんは大好きな作家さんの1人で、今まで読んだ作品はどれも心を打たれてきた。
その大きな理由の一つは、朝井リョウさんが常に現代的なテーマに対してメスを入れる鋭い視点を持っているからだ。

「正欲」では「多様性」という言葉に鋭いメスを入れてきた。多くの人が感じていた違和感を見事に

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【どうしても生きてる】鬱屈した気分や不安を言葉にできたとき、生きるしかない世界で前を向ける

【どうしても生きてる】鬱屈した気分や不安を言葉にできたとき、生きるしかない世界で前を向ける

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜現代の不安に響く朝井リョウさんの言葉〜ファンである朝井リョウさんの短編集。
本作も期待通り、心を抉られるような思いで読み進めた一冊だった。

朝井リョウさんの書く物語はいずれも現代的で、今日生きている人たちに響く物語だ。本作で書かれている6本の物語はいずれも、生きていくしかない世界でなんとか生きている人々の物語で、
「これはもはや自分の物語だ」
と、感じる

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【スター】現代でモノを創り世に出す人への答え

【スター】現代でモノを創り世に出す人への答え

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜何かを創る人には深く突き刺さる作品〜朝井リョウさんの作家生活10周年記念作品[黒版]である「正欲」があまりにも傑作すぎたので、当然[白版]であるこちらの作品も読まなくてはならないだろう。
他にも読みたい本が多すぎたので「正欲」からまあまあ期間が開いてしまったが、今回無事読み終える事ができた。

「正欲」と同じく、本作もかなりエッジの効いた小説であり、深く心を

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【正欲】間違いなく2021年最高の小説

【正欲】間違いなく2021年最高の小説

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆以上です!!

〜「読む前の自分には戻れない」に偽りなし〜このnoteにおいても、ファンであることを公言した朝井リョウさんの作家人生10周年記念作品となる書き下ろし小説。

10年前に「桐島、部活やめるってよ」で平手打ちを喰らい、数ヶ月前には「何者」でグーパンチをお見舞いされた。
そして、この「正欲」でグサリと腹を刺されて、一生残る跡を付けられたような気分になる

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【何者】僕は朝井リョウさんのファンになる

【何者】僕は朝井リョウさんのファンになる

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜僕は今日から朝井リョウさんのファンになる〜十年ほど前に「桐島、部活やめるってよ」を読んで以来、朝井リョウさんの作品は二つ目である。

「桐島」を読んだ時、僕は大学生だった。高校生の時に言葉に出来なかったモヤモヤや違和感を見事に言葉にしてくれた朝井リョウさんのその人に対する観察眼や言葉選びに大いに感動した、覚えがある。

しかし、最初に読んだ朝井リョウさんの作

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