日記です。偽の場合もあるし、半分偽の場合もあるし、偽じゃないのに偽ということにするために偽ということにした場合もあるかもしれません。うかつに創作物に自己を入れないためのデトックス…
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つっこんでなかを撫でるね(偽日記 縺薙l縺ッ縺ゥ縺ョ譎らゥコ縺ァ繧りヲ壹∴縺ヲ縺?k縺薙→)
海のなかでも波の動きはわかる。無形の手が私のからだを包んでいるような心地。海は触る。私は海の腕をみる。その肩が揺れ、肘まで伝わり、手のひらに、指さきに、波動する力で、私が見た数秒後に私のからだは持ち上げられる、重力をすこしだけ無視して、私の内臓がふわわと体内で踊る。撫でられながら砕けるよう、体内のあちこちに散り積もった埃はバラバラと振り落とされ、海水に溶けていく。もうどこにもない。この時間のあいだ
もっとみるレ/クリエーション(偽日記76)
晴れていてよかった、とすこし嘘みたいにいったそばから熱気が背骨を撫で、私たちは同じ温度の空気を肺にいれた。深々と、確実に、肺にそれがまわったあと、なごり惜しく吐き出して、あと少ししたらいこう、といったのはもう誰かも覚えていない。急ぎはしないのは、ゆるされていると錯覚できる時間はあたりまえにすぐ終わるので、すぐ終わるからこそ急いで台無しにしたくないからだ、と全員がおもっていた。いま私は、全員が”おも
もっとみる歯を光らせて、厳粛かつ潔く涎を垂らして(偽•日記21)
繁華街にいた。午前1時とかだった。腹の中ではキムチ鍋がやさしく蠢いていた。私は平置きのコインパーキングで時間を潰していた。すこしばかり、人を待っていなければならなかったのだ。タバコも吸い飽き、もってきた文庫本も読み終わってしまい、繁華街を散歩することにした。通りはさすがにコロナ前と比べると閑散とはしていたが、まあそれでもまだ人通りがあった。活気はないが。光が少ない。欲望たぎらせて歩む悪そうな大人が
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