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つっこんでなかを撫でるね(偽日記 縺薙l縺ッ縺ゥ縺ョ譎らゥコ縺ァ繧りヲ壹∴縺ヲ縺?k縺薙→)

海のなかでも波の動きはわかる。無形の手が私のからだを包んでいるような心地。海は触る。私は海の腕をみる。その肩が揺れ、肘まで伝わり、手のひらに、指さきに、波動する力で、私が見た数秒後に私のからだは持ち上げられる、重力をすこしだけ無視して、私の内臓がふわわと体内で踊る。撫でられながら砕けるよう、体内のあちこちに散り積もった埃はバラバラと振り落とされ、海水に溶けていく。もうどこにもない。この時間のあいだはほんとうになにもない。なにもない。私もない。あなたもない。世もない。海面から浮かびあがるまでの量感ぜんぶ私で私でない海。気持ちいい。ぶよぶよが気持ちいいんだよなあ。ずっとここにいたいけれど、でも呼吸。吸うのがないよ。魚だったらこんな不自由なく色が楽しい体がずっとずっと楽しい?嘘になる呼吸が邪魔。息だけになって息だけになって、俺、なんだかまるで生きらされているようで苦しいはもう思考だから息つぎはする。吸うと太陽。ずびびと海水ちょっと味。焼けるよう。吸ってからがぜんぶ太陽あとから波。ぜんぶ私で私でなかったはずの波が反射!陽光奪ってくるわ、なにもなかったこと、なにもなかったのに、ほんとうはあったって私、私はなかったことでいられるのに。その感覚も失う。TikTokだったらよかったのだ、私の身体が。私は浜辺まで泳ぐ。あまりにも不安定な背泳ぎだねって、おもう?いう?でも行いは行いだから、そのうち足がつくとこにたどりついて、からだのあちこちに付着した砂が存在感を露わにする。すこしさむいな、とようやくおもう。浜辺にひきあげてから、あなたをさがす。あなたはいつも薄い乳白色の服ばかり着ているので逆光に溶けて容易にはみつからない。今日はどんなだったか。ワンピースだった気もするし、夏用のプリーツスカートにブラウスだった気もし、でもどちらかではあった。

「TikTok?」
「そう。そう思う」
「なに、撮りたいの?」
「違くて、ずっと焼きましたいじゃん」
 ずっとずっとさ、ぜんぶできるじゃん、それなら。
 つまんない写真じゃなくて。
 撮りたいじゃなくて、なりたいんだよ。
「あとでみるの楽しいもんね、楽しいときは。旅行の写真とか、たまにみて、ずっとみちゃうよね」
「そうじゃなくて……ずっと焼きましたいんだって」
「いみわかんねえ」
あなたはそういってどっか行く。
車のほうだと私の背中は感じる。
海は、案外きてみたとて、泳ぎはしない限り短い時間で飽きる。
風景の海はつまらない。
いくらみたって、おもいだせないから、私は肉のTikTokでないから。
車。ドア。あなた。スマホでなんかの動画。
私だけ濡れたままで、タオルがそういえばなくて、衝動的に飛び込んだのだ、そういえば私が履いているのは水着でなくボクサーパンツだった、とおもいだしてからようやく面倒だとおもえる。コンビニでタオルとパンツを買う。トランクスしか売ってなくて最悪。

「なんの動画?」という。
「これ」とあなたがいう。ほんとうはもっと説明した。
https://www.youtube.com/watch?v=gCl16qi58UI
「へえ、今日なにたべる?」
「わたしみたいっておもったんでしょ」
「うん」
「くそ」
「かわいいペンギンなんだからよくね?知らないけど」
「違う、そうじゃない、そうじゃなくて、わたしは」
タイムズレンタカーの車は、なんか、人の匂いしないな。
昼から使うと高いんだよな。
「人の匂いしないじゃん? 仕事はしっかりしてて、でも趣味の悪いおじさん、みたいな匂い、車。」
「人じゃん」
「概念」
「がいねんってなに?」
「なんだっけ?」
「カレー、ガネーシャの」
「遠いよ」
ハンドルから手を離して、事故にあって生き残って、私と一緒に生き残ったスマホで調べられるなら、いま概念の辞書的な意味をいってやれるんだけどな。危ないからガネーシャまでGoogleマップやって、っていってるのにあなたはいつまでもペンギンみてる。記憶でもいけるけど、久々なのになあ。

カレーだと異様に奮発しようとするくせに、ひき肉しかたべらんないあなた、キーマカレーのひとつに対し、結果的にナン半分とチーズナンが6割も残る。私がたべる。チーズナンは冷めるとあんま美味しくない。カレー屋に「華麗なる食卓」が全巻あるの、あまりにも狙いすぎなのだし、高校のとき違うあなたときたときはつまんなすぎて笑ってたけど。俺じゃなくてあなたが。だから、あなたと付き合っていたとき、私はすこし太ったりした。高校のときあなただった人は、がはっと笑っててよかったな、カレーを食うときは。
「カレー、カレー」
「嬉しい?」
「たべているときは嬉しい」
「口にはいっているとき嬉しい?食べているっておもっているとき喜び?」
「わかんないよ」
といいながら、口にものを運ぶときあなたは大体さきっぽにくちづけながら手を空間的に身体の外側にうごかすので、だいたい食事中になんどもこぼす、それがみえる、みえて、あなたの食べ方をあらかじめ過去に言語化しておいたことを思い出す。引き出しにあった言葉。それで手が前にくる。あなたは口のなかをみられるのが苦手だ。口の前にきた手がすこし切れているところあるのに気づく。
「バラクカレーってほうれん草要素は色だけじゃね?」
「たべられないからわかんない」
「ひりつく?」
「何が」
「手」

草木ばかりある庭っぽいスペース、みてよ、と私はいう。スーパーカブが鉄のバージョンなんだよ。
「間接照明ぜったい邪魔じゃない、これ?窓」
「うん、まあなんか引っ越すとき捨てるか迷ったんだけど、」
「なんか中身はほとんど前のアパートと同じなのに」といってあなたは本棚のほうに寄っていった。そしてたいてい何か本をひきだした、とおもうと、装丁ばかりの感想をいう。ポストカードはまだ集めてファイリングしているんだろうかあなたは何枚も買ってはフォルダに入れてかといってまず見返すことをしない人だ。「まるで知らない人の家だなあ」
「まあそんなもんだろう」
「知らないおじさんじゃん」
「俺?」

YouTubeは便利だ。
「ねえ、うるさい」
「でもいい曲じゃん」
「好きじゃない」
「でも、いい曲なんだよ……」
なぜか私は泣きたくなった。
でも、実は、私はほとんど泣いたことがないのだ。
憶えていない、泣いたことなんて。
こういうとき、私は私のつむじをみている気がする。

「太った?」とあなたはいうけれど、だいたい毎回そういう。
「体重自体はなんか減ってたけどなあ」
「ふうん」
部屋が視界で広い。
なんでかわからないけれど、あなたが私の性器を舐めたりし、または私があなたの性器に対して四肢以外で応じているときもそうで、壁や天井が、ベッドのへりの埃とか枕についている小さい毛玉とかがあなたの身体よりよほどでかい。でもエロいのはあなたのはずだ。裸の、肌のほうがでかい海になるのが正当なんじゃないのか。匂いは、そういえば、からだの匂いだけだなこういうとき、と気づいて、あとでiphoneにメモしよう。忘れてなければとおもう。
「何人とした?」
「は?」
「これまで」
「ぜんぶでってこと?」
「違くて、」
「ああ、」それならふたりだけだ。
「まあ、ふたり」くらい、と遅れていう。どうしてくらいっていったんだろう。
あなたは?ときく気にはなれないが、あなたはいう。
「ほえー」
「きもい?」
「いや、マッチングアプリってすげーって改めておもった、なんか電話かかってくるたびそういう話するから、知ってたけど」
「いや?」
「いやじゃないよ、別に。もう関係ないんだから」
私はいつまで幼いのだろう。
それからまた黙る。
性交しているときってなんで会話があまりないんだろう。ない、というか、話し出すと、一旦終わったりするんだろう。そもそもなんでセックスしているとき別の話をし出しちゃうんだろう。集中力が、俺もあなたもないね、むかしから。考えすぎると体は気持ちよくなくなるから、ゆえにどの性でも演技は大事で、私はひかれない範囲であえぎごえをもらしたかのような呼吸をしてみたりもする。あなたはどうなのか、そういえばきいたことがあったような、なかったような。もし海でセックスしたらめっちゃ海の青が視界のなかで広くなって海に潜ってるみたいな気になれんのかなそこのシーツの皺みたいに、とこれだけは本当に行為中におもったこと。

「〜♪」
「歌ってんじゃん」
さっきの歌。
「好きじゃないけどね」
そういう機嫌の移りがけっこう気にいっていた。
おもいだしていくのが、おもだしていたことをさらに憶えてしまっていて、いま書けてしまうことがけっこう嫌だな、とおもう、いま。いまっていつ?

私は優しい。
あなたは泣く。
私はとても優しい。
あなたはとても泣く。すぐ泣く。かんたんに泣く。
子供みたいに泣く。ほんとうに、子供みたいにひどく泣く。
「そんなに泣いても仕方ないだろ」と私はいう。「じゃあ、辞めろよもう」
「何を?」
「なんだっけ」
「でも、フィクションでしか泣かないくせに」とあなたがいう。本当はこれをあなたはいってない。いってないことも私は書いてしまう。書いてしまった。さもわかるような感じに理解できるように。実際はわかりようもないことの縮尺として。「だから友達の人生とかは、一緒に泣いてあげられるのに、私のことは泣けないんでしょう?」
一気にここから嘘なのなんで?
「おまえがホス狂いとかでさ、借金とかあってリストカットとかわかりやすいやつでさ、俺も殴ったりしたらよかったよね、そういうさ、わかりやすい?絶望とかでさ?エモくなってさ、わかりやすく、青春系の曲とかどうでもいい音楽を脳内で流してさ、街ですれ違えよ馬鹿。そういうのだったらよかったじゃんね? 倒したらハッピーエンドの敵とかいればね? わかりやすく、わかりやすく、なんかの社会問題とかにさ、これが正しいですって感じでさ、そういう形式?で考えて解決できるなんかがあったらよかったよなあ!」
これもいってない。本当は。
「まあ、休業とかも、別にいいとおもうけどな、気にせずにさ、会社なんて別に大それたもんでもないよ」としかいってないし、私は別に優しくない。優しくない人と付き合っているときも、そういえばあなたたちは人にどこが好きなの?ってきかれると、だいたい優しいところというのはなんで?

嘘ばっかり、といわれたのは本当。

口にものを運ぶときあなたは大体さきっぽにくちづけながら手を空間的に身体の外側にうごかすので、気持ちいい。ぶよぶよが気持ちいいんだよなあ。私はひかれない範囲であえぎごえをもらしたかのような呼吸をして気持ちいい。ぶよぶよが気持ちいいんだよなあ。からだの匂いだけだなこういうとき、あなたは口のなかをみられるのが苦手だ。記憶でもいけるけど、久々なのになあ。考えすぎると体は気持ちよくなくなるから、量感ぜんぶ私で私でない海。撫でられながら砕けるよう、体内のあちこちに散り積もった埃はバラバラと振り落とされ、あなたが私の性器を舐めたりし、よかったよなあ!裸の、肌の写真とか、たまにみて、ずっとみちゃうよねそういうさ、わかりやすい?ハッピーエンド気持ちいい。手が私のからだを包んでいるような「手」なかでも波の動きはわかる。内臓がふわわと体内で踊る。優しいところ吸ってからがぜんぶ太陽あとから波。「ひりつく?」量感ぜんぶ私で私で不自由なく色が楽しい体がずっとずっと楽しい?エロいのはあなたのはずだ。いま。いまっていつ?裸の、肌のあなたは本棚のほうに寄っていった。そしてたいてい何か本をひきだした、とおもうと、ボクサーパンツだった、TikTokだったらよかったのだ、私の身体が。「嬉しい?」「違くて、ずっと焼きましたいじゃん」気持ちいい。ぶよぶよがずっとここにいたいけれど、でも呼吸。存在感を露わにする。すこしさむいな、とようやくおもう。性交しているときってわかりやすいやつでさ、俺も殴ったりしたらよかったよね、性器に対して四肢以外で応じているとき私は別に優しくない。子供みたいに泣く。ほんとうに、子供みたいにひどく泣く。鉄のバージョンなんだよ。一気にここからわかりやすく、わかりやすく、私は肉のTikTokでないから。つまんない写真じゃなくて。俺、なんだかまるで生きらされているようで苦しいあえぎごえをもらしたかのような呼吸これが正しいですって感じでさ「〜♪」けっこう嫌だな、とおもう、いま。「ふうん」薄い乳白色の「手」性器を舐めたりし、ずびびと海水ちょっと味。焼けるよう。浜辺にひきあげてから、かんたんに泣く。あなたをさがす。あなたは泣く。ほんとうに、子供みたいにひどく泣く。なにもなかったこと、なにもなかったのに、ほんとうはあったって私、私はなかったことでいられるのに。ずっとずっとさ、ぜんぶできるじゃん、それなら。気持ちいい。そもそもなんでセックスしているとき息だけになって息だけになって、肩が揺れ、肘まで伝わり、手のひらに、指さきに、波動する力で、がはっと笑っててよかったな、海水に溶けていく。エモくなってさ、わかりやすく、吸ってからがぜんぶ太陽あとから波。あまりにも狙いすぎなのだし、海面から浮かびあがるまでの量感だいたい優しいところという性器に対して四肢以外で応じているとき無形の手が私のからだを包んでいるような心地。「いみわかんねえ」私はとても優しい。「俺?」私は別に優しくない。「くそ」苦しいはもう思考だから海中のなかでも波の動きはわかる。なにもない。私もない。あなたもない。世もない。シーツの皺「人じゃん」「違くて、」視界のなかで広くなって海面から浮かびあがるまで波の動きはわかる。

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