池田 貴充
A.いけちゃん家何軒持ってる? B.イーロンマスクか。どんな質問やねん A.家持ってへんの? B.持ってないよ A.ほな金貸したるわ B.なんでやねん。飲みに行く感じで提案すな。 A.トジュウな B.トジュウ。10日で10割。約分せえよ。 A.利子で家建てるわ B.どういう金のルートやねん。ほなもう直で渡した方が早いやろ。 A.ほないけちゃん家持たれへんやん B.いらんねん。家。いまのところ。 A.家いらんの。きっしょ。 B.きしょくはないやろ。語彙JKか。実家もあるし、建て
A.マスクつけへんやつ腹立つよな B.まあおるな A.あれほとんど犯罪やで B.犯罪まではいけへんけど A.見つけたら殴ったったらええねん B.そっちの方が犯罪やけどな A.舐められへんようにいかついマスクつけなあかんで B.いかついマスクてなんやねん A.耳に掛けるとこ鎖 B.鎖…鎖? A.いかついやろ B.どういう意味のいかつさやねん A.いけちゃん有刺鉄線な B.大仁田用なん?それ前どうなってんの? A.有刺鉄線 B.スカスカやん。痛いの前にスカスカやん。 A.それより
A:幽霊って信じてる? B:幽霊、あんまり信じてないかなあ、ご先祖様とか、そういうのは見守ってくれてるなあとは思うけど A:じゃあさ、ご先祖様って信じてる? B.…ご先祖様を語る時にその切り口あってる?いや、おれへんかったら、おらんからな、自分自身が A.じゃあさ、自分自身って信じてる? B.…自己啓発的な?セミナーかなんかですか?自己肯定感を高める的な? A.じゃあさ、自己啓発セミナーって B.いいえ?えっ、新手の勧誘ですか?乗りませんよ?その手には A.今
. 銭湯にさえ入れるなら、タトゥーを入れたいと思っている。どうせ入れるなら図柄などではなく、外国人アスリートのように自分の信念や大切にしていることを体に刻み込みたい。 . 日本人でありながら「日本語のタトゥーを彫った外国人」のようになりたい。「COOL」を「涼しい」と彫るあのどうしようもなさや、面白さよりも心配が先に来る感じが一周回ってかっこいい。あれは外国人にしかできない。 . 僕がタトゥーを入れるとしたら、まずは右腕に「落ち着いて冷静に考える」と入れる。落ち着いて冷静に考
先日、読んだ本の中にこういうような主旨のことが書いてあった。 ミャンマーでは、自分の生まれた曜日に応じて守り神がいる。水曜日は午前と午後で分かれるから、都合8種類の神様がいることになる。空想上の生き物から、虎などの動物まで。その中で、木曜日生まれの僕の守り神は、ネズミだった。まだ近しい金曜日でさえ「天竺ネズミ」の中、シンプルなネズミ。なるほど、確かに僕はネズミかもしれないなと思った。それも手負いの、窮した鼠。 年に数十回となく、結構な長期に渡って精神的な不調の波がくる。あ
マッチングアプリっていうのは、つまりオークションや見本市みたいなものだと思う。 イメージは、特に美術品や骨董品などのオークション。 あれは、「お金持ち」が「売りに出されている価値のあるものもの」を買うための場所。 通常、その二者間のみで完結するもの。 だからあの場所には、お金持ちしか入れないようになっている(知らんけど)。 しかしながら、マッチングアプリというものは、いわゆる「お金を持っていない人間」でも入ることができる場所。 構図としてはこういうことになる。
年末の東京、なんか好きなんだよなあ。 . 去年も一昨年も、年末は東京に行った。余計でも忙しなくなる師走、大都会のその鼓動が聞こえてくるみたいに、なんだかよくわからないけど大晦日に向かってガヤガヤ、ザワザワ、してる感じ。 . 12月には東京だけにある音があって、東京だからこそ聞こえてくるんだと思う。ひとりひとりの小さな師走が何重にも重なって超音波の振動のように静かに、でも確実に空気を震わせる熱っぽさを、冷たい東の風が冷やして心地よい。 . 毎日がお祭りのような超密度の馬鹿デカイ
A.はいどうも B.よろしくお願いします言うてね、頑張ってやっていかなあかんなゆうてますけどね A.お前うるさいねん B.うるさいてなんやねん、元気出していこう言うてるんやないか A.そんなんゆうてキーキーキーキー言われてもやな、俺は慣れてるからええけどいつか殴られるで B.なんで殴られんねん A.バールのようなもので B.なんでバールのようなもので殴られなあかんねん A.バールのようなバールで B.それバールやないか。バールのようなバールはバールや! A.永遠の輝きをあなた
A.消防車に乗りたい。 B.おお、、、乗れよ。 A.あー、、、どっか火事でも起きねえかなー。 B.不謹慎だよ。あと、消防車ってそういう常に乗ってるやつじゃねーよ。そのダメな警官のやつみたいな。 A.おっ、火事発見!急げ! B.屋根に何乗せたんだよ。 A.出初式のハシゴ。 B.危ねえな。何乗せてんだよ。 A.現場に到着!バタン、どうですか、ホシの様子は。 B.火事の様子心配しろよ。 A.あいたっ! B.出初式のやつ!落ちてきとる! A.まあ若えの、そう焦るな。 B.焦れよ。燃え
ほとんど18:30きっかりに客電が落ちて、左右のビジョンに30年間のハイライトが映し出されていく。アビさんが抜け、小五郎が加入し、数々の加入と脱退、活動休止、6年の沈黙。そしてピーズは復活する。アビさんとシンイチロウを引き連れ、ビジョンの中のハルが「ごめんなさいおかあさん、ハルくんは今日からまたバンドを始めてしまうのでした」と宣言して。雨の降りしきる25周年の野音でアビさんが咆え、ついに30周年。 1曲目に選んだ曲が『ノロマが走っていく』だとわかった瞬間に、ビジョンの映
逆もまた然りで、世の中には無限の言葉がある。見聞きして、参考にすることはよかろうが、本当に自分が経験して得た言葉以外は、実際に何の意味もない。
コントの質からいえば、優勝するべきはジャングルポケットだった。 1本目、2本目ともに、台本、演技ともにハイレベルなクオリティで仕上げたコントらしいコントをやってのけたし、もしくは、やはりコンビで築き上げてきた「相方は最高の小道具」という関係性を見事にネタとして具現化に成功したロッチに分があった。 ところが、8代目キングはコロコロチキチキペッパーズであり、某ネット記事にもあったように、第1ラウンドと第2ラウンドを切り離した「M-1方式」であればチャンピオンはバンビ―ノだ。
本当に素晴らしい音楽は、メロディも、歌詞も、もちろん素晴らしいけれど、それよりもさらに、歌声も、音も、すべてが渾然一体となって、訴えかけてくるものがあるかどうかだ。それが唯一無二で、すべてがひとつのために存在して、すべてがひとつのことを、そしてすべてのことを、訴えかけてくるその必然と逼迫感、それこそが、ただ絶対的に素晴らしい音楽。
僕たちからみたら、それはとても、とても些細なこと。 けれど彼には、まるで3月の河原沿いの土手を道草しながら歩く子どものように、そういったものが目に留まる。 春のそよ風がたんぽぽの種子をひとつ、ふわり、と飛ばしてしまったようなことにひどく感動し、感傷にもひたり、その根底で、それがとても、とても些細なことであるとも理解しながら、そのひとつひとつがいちいち気になって仕方がない。そうして野道を歩き続けてできあがった歌は、いつのまにか服にひっついてくる「ひっつき虫」のようで、彼が連
「はいどうも、よろしくお願いします」 「ちょっと前から言いたかったんやけど、自分、趣味持ちや?」 「えらい急に上からくるやん」 「いっぱい趣味があったら、いろんな知識がつくからな」 「趣味あるよ、野球好きやで」 「やる方? 見る方?」 「ゆうたらどっちもやな。昔やってたし」 「へえ~、珍しいな~」 「……割とおると思うけどな」 「俺も野球好きやで!」 「そんなんゆうてきたことないやん」 「いや、実は好きやねん」 「好きな選手とかおんの?」 「正岡子規
大金持ちの一人息子が、男友達の家に押し掛けて早一週間。 何もかもある実家より、何も無い一人暮らしのワンルームの方が居心地がいいと言ってきかない。 しかし、一人息子の行方を案じる両親から捜索願が出されていた。 それを知らせる友人。両親の心配ぶりに、家に戻ることを決める。 迷惑をかけたお詫びに、友人に200万を受け取らせようとする。 ---------------------------------------------------------------------