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【続編】9割の仕事はどうでもいい──プロサラリーマンの生存戦略【具体的実践編】

前回の記事「【9割の仕事はどうでもいい──プロサラリーマンの生存戦略】」では、仕事の9割が“どうでもいい”と割り切ることで、サラリーマン生活がグッとラクになるというお話をしました。

  • 人間の生死に関わるような仕事は、実際そう多くない

  • 重要な1割に集中し、残りの9割はほどほどでOK

  • どこで手を抜き、どこに注力するかの見極めが大切

今回はその続編として、「具体的にどうやって9割を切り捨てていくのか」、または「“まあいいっか”と思っても不安に駆られたとき、どう行動すればいいのか」をより詳しくお伝えしていきます。



1. “どうでもいい”を実践するための前提条件

1-1. 「致命傷にならない領域」を正確に把握する

前回も触れましたが、“どうでもいい”と言えるのは「死活問題にならない業務」であることが前提です。たとえば、以下のような基準で考えてみましょう。

  1. 絶対にミスれない仕事(会社の命運や大きな金額、信用が絡む案件)

  2. ミスしたら少し面倒になるが、致命傷にはならない仕事

  3. 失敗しても大したダメージがない仕事(手戻りが小さい/誰も大騒ぎしない)

このうち「1」に該当する業務は、やはり丁寧にやるべき。一方、2や3に該当する業務は「70点で十分」とか、「最悪、やり方を変えてもいい」と割り切るのがプロサラリーマン流です。

1-2. 会社の“優先ルール”を知っておく

会社によっては、「数値報告だけはミス厳禁」「書類はフォーマットが厳格」「会議の資料はパワポできれいに」など、独自の文化やルールが存在します。どうでもいい9割に含めたい気持ちはわかりますが、“組織の中でやらなければトラブルになる”ならば、最低限は抑える必要があります。

  • その会社で絶対に外せない儀式やルールはどれか?

  • 誰が一番権限を持っていて、どこに逆らうと面倒が起きそうか?

ここを押さえておくと、「これはやらないとさすがにヤバい」「これはちょっと雑でもバレない」といった線引きが明確になり、楽に立ち回れます。


2. 実践ステップ①:仕事の“棚卸し”をする

まずは、自分の業務をひととおり書き出してみましょう。PCのメモや手書きでもOKです。大切なのは、**「ざっと見て、何が本当に重要か、どれが“ほどほど”でいいかを直感的に判断する」**こと。以下の手順で進めてみてください。

  1. 日々のタスクを一気に書き連ねる

    • 例)メール返信、資料作成、会議準備、後輩指導、定期ミーティング、上司への報告…など

  2. 「このタスクが失敗したら最悪どうなる?」を想像する

    • 例)クライアントとの契約が飛ぶ? 大きな損失が出る? それとも“ちょっと怒られる”程度?

  3. 損失が大きい→注力する / 損失が小さい→ざっくりでもOK に振り分け

たったこれだけで、今まで“全部ちゃんとやらなきゃ”と思っていた仕事が、実は「失敗しても案外たいしたことないじゃん」と気づけるはずです。


3. 実践ステップ②:恐怖を使って“最低ライン”を決める

3-1. 怠けすぎを防ぐための“軽い恐怖”設定

「9割はどうでもいい」と頭ではわかっていても、実際に手を抜こうとすると不安になることがあります。そこで必要なのが“恐怖”を適度にキープすること。

  • 「クビになったら生活費がヤバいかも?」

  • 「あまりにも手を抜くと社内の立場が危ういかも?」

これらの恐怖をまったく消してしまうと、本当にやる気がゼロになってしまう可能性があります。しかし、恐怖が大きすぎるとメンタルが潰れる。大事なのは**「ほどほどに怖さを感じることで、最低限の動機づけにする」**というバランス感覚です。

3-2. “ここだけは外せない”ルールを決める

具体的には、以下のように“自分の基準”を設定しておくと迷わなくなります。

  • 絶対に守ること

    • 納期(○日までに提出など)

    • 顧客対応(クレーム対応は即対応する 等)

    • チームに影響する重要事項(情報連携を怠らない)

  • ほどほどでOKなこと

    • 会議資料の装飾やレイアウト(最低限読みやすければ十分)

    • 上司への簡単な定型報告(伝われば問題ない)

    • 毎日必ず参加しているけど、深い議論がない打ち合わせ(自分がいなくても回るなら最小限の参加でOK)

こうすることで、怖がるべきところは押さえつつ、それ以外は「割と雑でもいいかも」という気持ちで取り組めるようになります。


4. 実践ステップ③:快楽を最大化する

4-1. ご褒美の“イメージ力”がカギ

「仕事を終えたら自分にご褒美」というやり方は定番ですが、なぜか続かない…という人は少なくありません。原因のひとつは、**“具体的にイメージできていない”**から。たとえば「週末においしいもの食べよう」ではなく、

  • “金曜の夜に〇〇駅近くの焼肉店に行って、特上カルビと冷えたビールを飲む”

  • “土曜の夕方はNetflixで新作の海外ドラマを一気見する”

このように、視覚や味覚、音など、なるべく感覚に訴える形でイメージすると「早く味わいたい!」という気持ちが湧いてきて、仕事へのモチベーションを保ちやすくなります。

4-2. 仕事中にも“ミニ快楽”を入れる

さらにおすすめなのが、仕事の合間にミニ快楽を挟むこと。

  • 「あと30分作業したら、コーヒーブレイク」

  • 「メールの返信が終わったら、少しスマホでSNSをチェック」

  • 「定時までにここまで終わったら、甘いスイーツを買いに行く」

プロサラリーマンは、短いタスクにも小さなゴールを設定して、自分に小出しで報酬を与えています。これだけでも、ダラダラ仕事をするより遥かに楽に続けられます。


5. “どうでもいい”から生まれるメリット

5-1. 失敗しても深刻に捉えなくなる

9割をどうでもいいと考えると、万が一失敗や遅延があっても「まあ死ぬわけじゃないしな」と思えるようになります。すると結果的に、自分を責める時間が減り、すぐに次の行動に移れるという好循環が生まれます。

5-2. 大事な1割に集中しやすい

余力ができれば、本当に成果につながる1割の仕事に時間とエネルギーを投下できます。例えば、重大商談や新規プロジェクトの企画など、“会社の成長”や“キャリアアップ”に直結する仕事にコミットすれば、上司や周りからの評価も上がるかもしれません。

5-3. 人間関係のストレスが減る

完璧主義に陥ると、「あの人仕事遅いな」と他人のミスまで目についてしまうことも。でも、「どうでもいい」「そこまで大問題じゃない」と思えるようになると、多少のズレやミスにもイライラせずに対応できるようになります。


6. それでも心が折れそうになったら?

「9割どうでもいい」とわかっていても、どうしても辛い日やモチベーションが上がらない日もあるでしょう。そんなときは思いきって“逃げてもいい”と考えてみてください。ここでいう“逃げ”とは、休暇をとる、仕事を減らす、場合によっては転職を視野に入れることなど。

  • 思い切って有休を取り、1日何も考えずにリフレッシュ

  • 上司や同僚に「今は少し余裕がない」と相談して、仕事の配分を変えてもらう

  • 本当に合わない職場であれば、転職を検討する

人生は長いです。会社にしがみつくより、自分のペースで働ける環境を探した方が結果的によい場合もあります。


7. まとめ:どうでもいいを極めるほど、力は抜ける

  • “死活問題”になりにくい部分はどんどん手を抜く

  • 不安をゼロにしない程度に恐怖を利用し、最低ラインは守る

  • 具体的な快楽イメージで、自分をスムーズに動かす

「9割の仕事はどうでもいい」という発想は、決して無責任でも投げやりでもありません。むしろ余計なストレスを削ぎ落とし、自分のメンタルを守りながら、結果的に必要な部分で成果を出すための戦略です。

プロサラリーマンは、“最小限の努力で最大限のリターン”を得る術を知っている人たち。仕事の優先度をうまくコントロールしているからこそ、周囲が気づかないところでサクッと手を抜き、必要なときだけグッと力を入れることができるのです。

もし今、あなたが「なんとなく仕事に追われて、常にしんどい」という状態なら、まずは仕事の“棚卸し”をしてみてください。“死ぬほど困るわけじゃない”仕事を発見できたら、そこに費やす時間や労力を減らしてみる。すると不思議なことに、“重要な1割”にじっくり取り組むための余白が生まれてきます。

明日から、いや今日の午後からでも、ぜひ“9割の仕事はどうでもいい”を頭の片隅に置きながら過ごしてみてください。あなたが思っている以上に、仕事はそんなに重くないかもしれませんよ。

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