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BCGが読む経営の論点2025④:スタートアップとの協働(大企業が協業する際の"8つのパターン"とは?)

読書ノート(174日目)📚
前回に続いて、「BCGが読む経営の論点」の続きを紹介していきます。

2025年の本書では全10個のテーマが掲載されていました。

①生成AIを武器にする
②自動車の未来
③半導体の再興
④次世代エネルギーの推進
⑤生物多様性に向き合う
⑥物流を変革する
⑦プライシングを進化させる
⑧R&D(研究開発)能力の向上
⑨スタートアップとの協働
⑩アクティビストを超えて

この中で個人的に気になるトピックを5つ選んで紹介をしていく予定です。第4回目の今回は「スタートアップとの協働」を取り上げてみます。

・スタートアップとの協働
・これまで日本では、大企業とスタートアップの組み合わせは
 成功しにくいと考えられがちだった
・スタートアップ投資の出口戦略として
 M&Aが少ないことにもつながっている
・大企業はスタートアップとの協働により、事業面のシナジーを
 創出することを目指す視点に偏る傾向があるが、
 硬直した組織を活性化させる触媒としても活用すべき
・スタートアップとの組み方も自社のニーズや目的、
 関係性に応じて多様な形を様な形をとりうる
・どのように企業のイノベーションの起爆剤としていくかを考察する

・ここ半世紀を振り返ると、ソニーのウォークマンや
 NTTドコモのiモードのような、人々の生活を根本から変える画期的な
 プロダクトの大多数は(イノベーションを契機に成長した企業を含め)
 現在の大企業を中心に創出されてきた
・しかし、失われた30年の間は、その大企業からもGAFAMに
 匹敵するようなイノベーションがほとんど出てきていない
・その要因として、かつて存在した、イノベーションを生み出す
 風土が失われ、カルチャーが硬直的になっていることが考えられる
・一つの打開策が、スタートアップの力を借りること
・大企業がスタートアップに期待すべきなのは、
 必ずしも技術やプロダクトを取り込むことだけではない
・失敗を恐れずに果敢にチャレンジするマインドセットを呼び覚ます
 存在として、また子直視他組織を活性化させる触媒としての役割も重要
・大企業がスタートアップを育むエコシステムの形成にかかわるべき
 意識もそこにある

・なぜ大企業はスタートアップの力をうまく生かせないのか

・企業価値を正しく評価できず、適正価格の判断がつかない
・通常の企業価値の算定に使うDCF法では、スタートアップの
 今後の成長ポテンシャルを十分に織り込むことができない
・資産も適切に評価できないため、赤字の中小企業と同じ評価に
 なってしまうと、取締役会で承認されることはまずない
・事例として、リクルートHDが2012年に売上規模が数十億円の赤字の
 米インディードを買収した時、その買収価額は1000億円以上と
 報じれらた。それでもリスクを取って決断するとなれば、
 経営者に相当の胆力が求められる

・事業シナジーを過度に追及し、インパクトを出せない
・日本企業がスタートアップへの投資やM&Aを検討する場合、
 自社の事業とのシナジーをどう追求するかという議論に重きを置きがち
・しかし、これは多くの場合、幻想にすぎない
・スタートアップの買収を通じて事業を拡大しているGAFAMなどの企業は
 戦略的意義や事業シナジーに加え、事業自体の魅力や
 スケーラビリティをより重視する
・そのため、比較的小粒に事業に大きな投資を行うこともあり、
 ここでも胆力を持った意思決定が重要

・カルチャーが違いすぎて、よさを生かせない
・大企業では組織や役割分担が明確で、それぞれの範囲で仕事を行う
・一方、シリコンバレーなどのスタートアップでは、役割や職種は
 定められていても縛られずに個々人が意見を出し合い、スピーディーに
 物事を進めていく。大企業の既存のカルチャーは強固でありため、
 シリコンバレーへの視察で現地でどれほど刺激を受けても
 帰国後は元に戻ってしまったり表面的な模倣に終わることが多い

・スピード感や事業の進め方がかみ合わない
・知名度の低いスタートアップは実績をつくるために、
 マーケティングにかなりの資金を投じる必要がある
・大企業の担当者名とメールアドレスを入手するために、
 1件の営業活動で10万円くらいかけることもある
・大企業が持つネットワークやユーザーベースは、
 スタートアップにとって何億円もの価値がある
・ただ、大企業とスタートアップではスピード感に大きな乖離がある
・大企業では社内調整に何カ月もかかったりするが、
 すぐにでも売上に繋げたいスタートアップとでは話がかみ合いにくい
・また、大企業はあらかじめ立てた計画に沿って事業を進める
 ウォーターフォール型が多いのに対し、スタートアップはアジャイル型で
 素早く軌道修正しながら仕事を進めることが一般的。
 これも協業がうまくいかない一因となっている

・長期的にコミットしない
・スタートアップ相手のM&Aや協業では、失敗があっても
 比較的長い時間軸でコミットを続けることが重要
・一度失敗しても、何度も粘り強くトライアルを重ねていく胆力が必要
・日本では社長の任期が短く一貫性が担保しにくく、
 それもあり長期的にコミットしきれない要因になっている
・成功している米国企業では、社長の任期が長いだけでなく、
 イノベーティブであり続けようとする企業体としての文化を醸成し、
 長期の投資目標を掲げて人材を透過するメカニズムを備えている
・加えて株主からも、増収増益だけでなく、どれだけ積極的に
 投資を行って結果を出しているかが常に問われる

・大企業×スタートアップの組合せパターン(全8つ)※図表参照

・おそらく日本企業にとって最も使いやすいのが、
 ③ジョイントベンチャーの形式。親会社と切り離して活動ができ、
 人材を出向させることもできる

・今後増えていきそうなのが④大企業とグローバルスタートアップとの協業
・現状、日本企業の多くは海外のスタートアップを探索しきれていないが、
 英国のオクトパスエナジーが東京ガスとジョイントベンチャーを
 立ち上げたりと、いくつかの事例が出てきている

⑤社内ベンチャー等をスピンオフさせる形式も大企業にはなじみやすい。
 完全なスピンアウトと違い、親会社との関係は維持され、
 親会社を退職せずにスタートアップを立ち上げる出向起業制度で、
 東レのモデルプロジェクトなどの事例がある
・出向扱いで親会社に戻れるチケットがあるので、
 起業に関心を持つ社員が安心してアイデア創出や挑戦ができる

・⑦と⑧は、比較的長期の価値創出を目指す取り組み
 ⑦では東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)や
 東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)などから
 スタートアップが誕生し、大企業は出資の形で間接的な支援が多い
・⑧は社会課題の解決や先端技術などに取り組むスタートアップに
 大企業が投資をするケースで、生成AIを活用した新たな領域や、
 宇宙、バイオ、グリーンなど幅広いテーマが考えらえる

・スタートアップとの協業は、
 自社を進化させるパートナーとして向き合うことが重要
・大企業にとって、多数出資する中の一つとして扱ったりするのではなく、
 個々のスタートアップと真剣に向き合わなければ、
 成功するものも成功しない
・大企業から役員を出向させるときも
 管理者やお目付け役のような建て付けになると、うまくいかない
・相手から学ぶために人を派遣する、という相手へのリスペクトの姿勢
 マインドセットを持たなければならない

今回は、スタートアップとの協働についての紹介でした。

昨年は偶然にも、弊社グループからスピンオフして新会社を立ち上げるという話が出た際に、もしかしたら立ち上げメンバーとして参画するかも…!?
という話が少し出たこともあり、個人的に関心が高い内容でした。

大企業とスタートアップの組み合わせパターン(全8種)のうち、たしかに親会社を退職せずに出向起業制度でスタートアップの立ち上げに関われるというのは、将来のキャリアへの安心感もありつつ貴重な経験を得られそうです。

スタートアップならではのスピード感や、親会社の支援はあれど、まだ世の中に全然知られていない社名なので会社の看板は使えず、自分の実力が試される。そんなプレッシャーの中での仕事にも憧れはあります。

最近、僕の周りにも専業・兼業を問わず、個人事業主の方と知り合う機会が増えてきました。僕も将来的には自分の名前で社内外で仕事ができるように、今からスキルを身につけておきたい。
そのように思う、今日この頃です。

そして非常に有難いことに、2025年は2月と3月に社外のセミナーでピープルアナリティクスについて講演する機会を頂いたり、生成AI関連のEラーニングのコンテンツを作成して外部研修の講師を務める予定だったりと、様々な方々のご縁をいただき、今年は社外に自分の名前が出始める転機となる一年になりそうです。

今までは何かを勉強するにもマイペースで自分のやる気次第でした。
でも今は、話を聞いてくださる相手がいる。というのが自分にとっては凄く大きな違いがあり、講演や研修を受講してくださる方々に期待以上の内容をお届けしたいと思うことで、学びのモチベーションが高まっています!!🔥

自分の引き出しを増やすためにも、世界の最新の論文なども目を通して知識を深めておこうと思い、ハーバードビジネスレビュー(電子版)を年間契約して、最近はChatGPTの要約の手助けもありながら、少しずつ読み進めたりもしています。

この読書ノートでも、いずれハーバードビジネスレビューの論文紹介もしていけたらと思っています。(おそらく、来月2月以降でしょうかね…??)

ということで今日はこの辺で!
それではまたー!😉✨

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