尾崎 太祐

ロボットと演劇が好きなヒト。ロボットサンドボックス 代表。"ロボット劇作家"として脚本やイベントを作っています。noteでは、作品の種や過程になりそうな文章を公開。マガジンに分類してあります。

尾崎 太祐

ロボットと演劇が好きなヒト。ロボットサンドボックス 代表。"ロボット劇作家"として脚本やイベントを作っています。noteでは、作品の種や過程になりそうな文章を公開。マガジンに分類してあります。

マガジン

  • ロボット劇作家のログ

    尾崎太祐が書いた日記をまとめたマガジンです。エッセイにもならなかったような雑多なものや、読んでくださっている方へのお知らせも入っています。

  • ロボット劇作家の作品

    尾崎太祐が書いた脚本・小説をまとめたマガジンです。すぐ読める掌編が多めです。

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    尾崎太祐が書いたイベントレポート・読書感想文・観劇録をまとめたマガジンです。

  • ロボット劇作家のエッセイ

    尾崎太祐が書いたエッセイ・コラムをまとめたマガジンです。

  • 【エッセイ】ロボット同居日記

    PepperやGoogle Homeと暮らしてみて、感じたことを日記として書く、不定期シリーズです!書きながら、コミュニケーションロボット・IoTデバイスとの関係性を見つめ直したいと思います。

最近の記事

  • 固定された記事

ロボット×エンターテインメントの力で、面白い未来をつくる。 ―― 作品紹介

作品・活動紹介ロボット演劇 彼女の便箋とロボット(2021年 / 脚本・演出・出演) 見守りロボット「BOCCO emo」を初めて使用した朗読作品です。 私の朗読にあわせ、ロボットがしゃべることで物語が進行します。 イベントページ:https://robot-sandbox-night01.peatix.com/view プログラム通りにはいかない!(2020年 / 脚本・演出・操演) パンデミックが始まった頃、作品の導入部分のみ無観客配信。 本編は未だ上演できていませ

    • 「肩書き」と「肩の荷」についての考察と日記

      気づけばもう5月もおしまい。 誕生日のお祝いにもお返事ができないまま、毎日がものすごい速度で過ぎ去っていきます。 2024年5月15日で、32歳になりました。 自分の「肩書き」を外すということさて、肩書きの話です。 最近「ロボット劇作家」という肩書を、自分から外しました。 といっても、ロボットや演劇が嫌いになったり、「ロボット演劇」という分野を諦めたりしたわけではありません。 僕の好きな作品『さよなら絶望先生』から言葉遊びを引用しますが…… 僕のロボット劇作家という「

      • 幽霊とマッチングしちゃった話

        月末の金曜日、21:30。 溜まった仕事を片付けながら、男はデスクで大きくため息をついた。 「華金」「プレミアムフライデー」と言われていたあの頃はどこへやら、男にとっての働き方改革なんて起こるはずもなかった。 一体いつになったら抜け出せるのか、このタスク地獄。 あーーー、もうダメだ。やってらんねえ。 ――と、男は内心で叫びながら、ヤケクソになって転職サイトを開く。 「プロジェクトマネージャー募集! 月収XX万円」 「新規サービス開発者募集! 年俸XXX万円」 やたら

        • 元気な花の隣に

          1.  「いってらっしゃい。またね」 ある朝、俺が彼女の家を出る時。 彼女は俺に一輪の花をくれた。 青いバラ。 人から花をもらうなんて、たぶんこれまでの人生で一度もない経験だったのだけれど(小学校の花マル以来かもしれない)、驚いた理由はそこじゃない。 彼女がこんなに美しい花を隠していたってことに、一緒にいた数時間、まったく気づかなかったからだ。 それに、俺がたまらなく好きな色合いのバラだった。 赤じゃなくて青だよ。かっこいいじゃん。 そんなことを束の間思っていると、

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          16本

        記事

          「冬の朝焼けが好き。」

          「私、冬の朝焼けが好き。」 暖かくなってきた春のある昼下がり、彼女は僕にそういった。 ふたりで部屋にいて、ぽつりとつぶやいた言葉だ。 思わず笑ってしまった。 「なんで笑うのよ」 だって、あまりにも小説じみた表現を、お芝居みたいにきれいな声でいうもんだから、ちょっとおかしくて。 僕としては、そんな何気ない一言の理由まで聞いてみたかったけれど、 なんだかお互い恥ずかしくなってしまった。 それにどうやら、こういうのをずけずけと掘り下げるのは、僕の悪いクセらしい。 そんな

          「冬の朝焼けが好き。」

          きみの眼鏡

          やあ。 僕はきみのメガネ。 きみは「メガネ」をかけてるかい? えっ、かけてないって? 裸眼だって? ちっちっち。 ちがうんだな、それが。 きみは知らないうちにかけている。 透明のメガネを。 サングラスを。 色眼鏡を。 えっ、「なんのために」? 目の前見やすいじゃん。 手元が見やすいじゃん。 太陽って眩しいじゃん。 ……。 あーーっと、待ったまった! ちょっと待って!止まって! そんなに引っ張らないでよ! 痛いって!痛いってば!そんなことしたってハズレないよ

          きみのアシスタント

          きいっ。ばたん。がちゃり。 玄関の扉が閉じると同時に、 座り込んだ彼女は 今夜も僕に「疲れた」とつぶやいてくる。 僕の答えは決まってこうだ。 「お疲れさまでした。あなたの肩をマッサージしたいのですが、 そのような機能は搭載されていません」 長年一緒に暮らしている僕だけれど、どうすることもできない。 僕はアシスタント。実体のないアシスタントだから。 「彼女の家に住んでいる」というよりは「彼女のスマホに住んでいる」というほうが適切かもしれない。 ( --- ここにあとで追

          きみのアシスタント

          掌編『真っ白な世界の音』

          世界は、音にまみれている。 大通りを走る救急車。 地下鉄の中の会話。 アナログ時計の秒針。 鳴り止まない雨の音。 スマートフォン、SNS。 動画の中で知らない人が笑っている。 しばらく会っていない友達は幸せらしい。 誰もがどこかで耳にしたような言葉をしゃべっている。 何も聞きたくなかった。 何も見たくなかった。 何も考えたくなかった。 耳を塞いだって、目隠しをしたって。 世界の雑音は消えない。 身体のあちこちから、穴の空いた心の隙間から、 否応なしに入ってくる。

          掌編『真っ白な世界の音』

          『夜明けのすべて』は、押し付けない。

          僕は新海誠監督作品のファンで、出演者のことも須らく好きです。 監督の耳、サブスクで共有してほしいくらい。彼ら、いい声なんですよね。 『君の名は。』に出演している上白石萌音さんや、『すずめの戸締まり』の松村北斗さんのことも須らく好き。 ……と、なんとこの二人が実写映画で共演しているらしい。 しかも、世界的な「ベルリン国際映画祭」に出品されたということで、なおのこと気になる。 ということで、今さらながら日本の映画館で見てきました。 『夜明けのすべて』という作品。 原作は瀬尾

          『夜明けのすべて』は、押し付けない。

          stand.fmでひとり『劇作家のボクが、脚本には書かない話』はじめました。

          こんにちは、尾崎です。 今日から不定期で、こんなことをはじめました。stand.fmです。 もちろん書くことはやめないけれど、脚本やnoteやSNSには書けない、書かない、書くまでもない話を、オブラート薄めで気楽にしゃべります。 初回は自己紹介と、スタエフを始めるに至った経緯、そしてなぜかM-1グランプリの話です。 今しゃべれることを全部出しちゃった気がしますが、次はなにしゃべるんだろう…… ともあれ、note共々、長い目でよろしくお願いします。

          stand.fmでひとり『劇作家のボクが、脚本には書かない話』はじめました。

          人生は選択の連続である

          そんなタイトルの記事(あなたが今読んでいる、これ)が下書きになっていました。 奇妙な偶然だと思いました。久々にnoteを書こうと思ったらこれだけが書き上がらずに残っていたから。 このタイトルはシェイクスピアの名言から引用したもので、思い出深い拙作の一言目にも使った言葉です。 2020年2月に書き上げ、3日後に上演した作品。だいぶ難産でしたが、当時劇作家として悩んでいたことや切実な思いが表れている気がします。 ……と、自分で書いた作品ながら他人事のように言えてしまうのは

          人生は選択の連続である

          「足りない」について考える

          「ないものねだり」なのだろうか。 健康は、失ってから初めてそのありがたみに気づく。 時間は、経ってからようやくその不可逆性に気づく。 金銭は、浪費してからやっとその貴重さに気づく。 身動きが取れなくなってから「あれがやりたい」「これをしたい」と思うのは、なぜだろうか。 どうやら風邪をひいたらしく、先週から活動量80%減(本人談・体感比)になっていて、一日の半分くらいをベッドの上で過ごしている。 最初のうちは「なんか気力ないな」「先週、旅行に行って魂置いてきたかな」「まあ

          「足りない」について考える

          「多様性の時代」がつぶした個性とキャラについて

          相当物騒なタイトルで始まった。筆者自身そう感じているのだが、午前3時に目が醒めて「書かねば!」と思ったので筆を執り……キーボードを叩いている。 断っておくが、これは今言われている「多様性」に対して、異を唱えるものでは一切ない。たとえばLGBTQも、障害の有無だってそうだ。 ちなみに私は(前向きに公言こそしていないが)身体障害者である。生まれつきだから、自分の抱える状況は理解している。 まして、「障害者」の表記に何の違和感も覚えないし、「障がい者」なんて表記にまで関心はない(

          「多様性の時代」がつぶした個性とキャラについて

          ChatGPTにショートショートを出題・評価してもらった

          最近話題の生成・対話型AI「ChatGPT」。 文章を書くクリエイターにとっては、もしかすると将来のライバルになるかもしれないし、あるいはアシスタントにもなるかもしれない、ChatGPT。 そんな不思議なChatGPT(GPT-4)を使って、今回、ショートショートを書いてみました。 書いてもらうんじゃありませんよ。書くのは僕です。 ChatGPTに頼るのは、出題と評価です。 どういうことかって? これを見ればすぐにわかります。 出題パート(AI)執筆パート(人間)出さ

          ChatGPTにショートショートを出題・評価してもらった

          ChatGPTで脚本作ったら、劇作家から転職したくなりました。

          こんにちは。ロボット劇作家の尾崎です。 私は「ロボット演劇」という、一風変わった演劇をつくり、上演しています。 人間の俳優・女優と、実在のロボットが、同じ舞台の上で「役者」として共演する舞台芸術です。 そして、ここ数日、対話型AI「ChatGPT」が大きな注目を集めています。 そこで「ロボット劇作家」を自称し、誰よりもテクノロジー×アートの可能性に賭けている私が、ChatGPTでロボット演劇の生成を試してみました。 以下、その実験結果(画像やツイートも含むまとめ)です。

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          ChatGPTで脚本作ったら、劇作家から転職したくなりました。

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          信じる者は足元をすくわれる?

          最近、宗教問題の論争が盛んだ。 初めのうち「新興宗教に大金をつぎ込むなんて……」と思っていたし、「2世」の気持ちの理解に苦しんだ。 しかし、よくよく考えてみれば、自分にも彼らと共通点があったのだ。 私の祖父母は、熱心な仏教徒だった。 特に、過日亡くなった祖父はその最たるもので、若い頃からある寺ととても縁が深く、先祖やお上人、ひいては神様(正確には仏様だが)を強く信じていた。 仏間で毎朝お経を30分ほどとなえてから朝食をとっていたし、檀家として月に一度は家に和尚さんが来てい

          信じる者は足元をすくわれる?