デザインされた街は、とてもきれいで何故だか、とても寂しかった。
今日、歩きたかった路地が
無くなっていた。
古い路地は暗くて狭い。
そして、魅力的だ。
散歩をする時、私はそんな道が
好きだった。
ぽっかり空いていた土地に
新しい真四角の家が建った。
雑草だらけの空き地を通り抜けるのが
好きだったのに。
街が均一になっていく。
あいまいなものは無くなり、
分かりやすく、
迷うことのない街になっていく。
道幅は広くなった。
曲線は直線になった。
行き止まりもなくなった。
不便で邪魔でも
それが楽しかった。
行き止まりが
行き止まりでよかった気さえする。
分からないものが
分からないままで、
歪なものが
歪なままで。
まさに今、
新しい家が建つようだ。
「暮らしをデザインする家」
家にかぶせられたシートには
キャッチコピーが書かれていた。
デザインされた街は
とてもきれいで、
なぜだか
とても寂しかった。
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