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使うべきか否かを迷う時期は過ぎたかな:読書録「生成AIと脳」

使うべきか否かを迷う時期は過ぎたかな:読書録「生成AIと脳」

・生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる
著者:池谷裕二
出版:扶桑社新書(Kindle版)

「海馬」をはじめ脳に関する著作を書かれている池谷裕二さんが「生成AI」について書かれた作品。
あまりにも日替わりで生成AIに関する情報はアップデートされてるので、
「もう生成AIに関する本はいいかな〜」
と思ってるんですが、今回は「脳科学者」の池谷さんが論じてらっしゃるって言うので読んでみることに

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エッセイぽく、気楽に聴くのに向いてるかな。:読書録「自分とか、ないから。」

エッセイぽく、気楽に聴くのに向いてるかな。:読書録「自分とか、ないから。」

・自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学
著者:しんめいP   ナレーター:大谷幸司
出版:サンクチュアリ出版(audible版)

noteで「東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話」って記事を書かれた著者の作品。
note記事が出版のきっかけらしいんですが、遥か昔(記事が書かれたのは2020年だけど)に読んだ気も…。

で、改めて読んでみたんですが、ベースになってる

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率じゃなくて、数で考えるっていうことですかね?:読書録「縮んで勝つ」

率じゃなくて、数で考えるっていうことですかね?:読書録「縮んで勝つ」

・縮んで勝つ 人口減少日本の活路
著者:河合雅司 ナレーター:デジタルボイス
出版:小学館新書(audible版)

「未来の年表」シリーズの河合雅司さんが、人口減少と地方創生について論じた新書。
河合さんご自身の作品も含めて、少子高齢化をテーマにした本は何冊も書かれているし、僕も読んできましたが、物価高に合わせて人材不足とが現実の中で実感されるようになってる中、改めてこの問題について整理をしてお

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もっとガリガリにエンジニアよりの人かと思ってたんですけど、そうでもないようですね:読書録「イーロン・マスクを超える男 サム・アルトマン」

もっとガリガリにエンジニアよりの人かと思ってたんですけど、そうでもないようですね:読書録「イーロン・マスクを超える男 サム・アルトマン」

・イーロン・マスクを超える男 サム・アルトマン
なぜ、わずか7年で奇跡の対話型AIを開発できたのか
著者:小林雅一
出版:朝日新聞出版(Kindle版)

この本が出版されたのは今年の7月
気になってはいたんですけど、あまりにも生成AIを巡る環境は日替わりで変わっていたので、どこまで情報がアップデートされているんだかよくわからない気がして、なんとなくスルーしてしまいました。
情報としては、アルトマ

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世代としては1つ下なんだけど「そうだったよなぁ」と言う気分になります:読書録「ないものとされた世代のわたしたち」

世代としては1つ下なんだけど「そうだったよなぁ」と言う気分になります:読書録「ないものとされた世代のわたしたち」

・ないものとされた世代のわたしたち
著者:熊代亨
出版:イースト・プレス(Kindle版)

精神科医にしてブロガーのシロクマさんの新作。
シロクマさんのブログは機会があれば読ませてもらってますし(結構レコメンドされてます)、著作もいくつか読ませていただいてます。
本書は50代を迎えつつある現在、自分史に重ねる形で今までの社会の変化を記録した内容になっています。

就職氷河期世代は、50代に。

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過去の政治改革の流れを整理し直すのに役に立ちます。:読書録「自民党はなぜここまで壊れたのか」

過去の政治改革の流れを整理し直すのに役に立ちます。:読書録「自民党はなぜここまで壊れたのか」

・なぜ自民党はここまで壊れたのか
著者:倉山満
出版:PHP新書(audible版)

衆院選が終了し、与党過半数割れから、国民民主党を中心とした政策協議主体の国会運営への兆し
…があるタイミングで、本書をaudibleで見かけてDL。
「歴史検証 なぜ日本の野党はダメなのか?」の作者さんですね。
あちらもaudibleで聴いたのですが、口調の激しさに若干…ってとこあったんですが、本書の方がマシ

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ドラマチックな展開がそれほどあるわけじゃないけど、先が読みたくなります。:読書録「婚活マエストロ」

ドラマチックな展開がそれほどあるわけじゃないけど、先が読みたくなります。:読書録「婚活マエストロ」

・婚活マエストロ
著者:宮島未奈
出版:文藝春秋

作品の舞台は静岡県浜松市
え?宮島さんて「ふるさと小説家」じゃなかったの?
…現在は大津に住んでらっしゃるようですけど、もともと出身は静岡のようです。
やっぱり「ふるさと小説家」?w

40歳のこたつ記事ライター・猪名川健人は、婚活事業を営む「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を引き受ける。安っぽいホームページ、雑居ビルの小さな事務所・

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#光る君へ第四十二回

#光る君へ第四十二回

主人公が追い込まれ、絶望の淵に落ちたところからの復活劇
…物語的には盛り上がるパターン。
今回はそんな感じでした。
いやまあ、
え?いつの間にそこまで追い込まれてたの、道長くん
でもあったけど。

「光源氏」の物語も終え、彰子の教育にも区切りがついた藤式部も達成感と虚脱感を抱え、
川辺の二人だけで立ち尽くす三郎とまひろがまた一歩を踏み出す。
道長はまひろとの約束の道を再び
まひろは物語の世界を広げ

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未来描写が楽しい(よ〜分からんトコも多いけどw):読書録「マン・カインド」

未来描写が楽しい(よ〜分からんトコも多いけどw):読書録「マン・カインド」

・マン・カインド
著者:藤井太洋
出版:早川書房(Kindle版)

藤井太洋さんのSFは、近未来社会の描写が絶妙で好きなんですが、何となくここのところはご無沙汰でした。
ネットで本書を絶賛する評を目にして、久しぶりに読んでみました。
いやぁ、面白かったす。

本の概要
2045年、国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオが、 軍事企業 〈グッドフェローズ〉の捕虜を銃殺する。 この虐

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言ってる事はものすごくよくわかるし、大賛成なんですけど、どうやるかと考えるとなかなか悩ましいところも…:読書録「ホワイトカラーの生産性はなぜ低いのか」

言ってる事はものすごくよくわかるし、大賛成なんですけど、どうやるかと考えるとなかなか悩ましいところも…:読書録「ホワイトカラーの生産性はなぜ低いのか」

・ホワイトカラーの生産性はなぜ低いのか 日本型BPR 2.0
著者:村田聡一郎 ナレーター:小桧山崇
出版:プレジデント社(audible版)

ちょっと生産性について議論を必要性があって、資料を漁っているうちに、Audibleの中に本書があるのを見つけて聞いてみました。
2000年以降、日本と欧米の間でホワイトカラーの生産性が大きく乖離してきたことの原因をBPRの導入にあると整理をし、ホワイトカ

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かなり基本だから、子供向けなのは確かだけど、大人も結構引っかかってる:読書録「データリテラシー入門」

かなり基本だから、子供向けなのは確かだけど、大人も結構引っかかってる:読書録「データリテラシー入門」

・データリテラシー入門  日本の課題を読み解くスキル、
著者:友原章典
出版:岩波ジュニア新書

なんでこの本を購入したのか
Amazonから送られてきたとき、よくわかりませんでした。
ネットか何かで評判を見て勢いでポチっとしたって感じですかね
ありがちな話。
でもかなり興味深い本でした。
良い本だと思いますよ。

地球環境やエネルギー問題、 男女賃金格差、 少子高齢化、外国人受け入れ、子育てや女

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どういう小説を書いているのか、そこら辺の描写があったら、もっとハマれたかも:映画評「ロンリー・プラネット」

どういう小説を書いているのか、そこら辺の描写があったら、もっとハマれたかも:映画評「ロンリー・プラネット」

ジムでランニングマシンを走るときに、Netflixを覗いてみたら新作として上がっていたので、何の気なしに見始めました。
まぁ、手堅く仕上がったロマンス映画じゃないでしょうか。
年上の女性と年下の青年と言う組み合わせですが、最近じゃそれほど珍しくもないでしょう。

モロッコにある作家のための名高いリトリートに参加したある小説家。 孤独を好む彼女は、静かで落ち着いた環境が作家としての行き詰まりを解消し

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謎が全て解かれなくても、日々は続く:読書録「図書館のお夜食」

謎が全て解かれなくても、日々は続く:読書録「図書館のお夜食」

・図書館のお夜食
著者:原田ひ香 ナレーター:坂内愛
出版:ポプラ社(audible版)

気楽で気分が軽くなるような本が聴きたいなと思っていたので、Audibleの新作リストに上がっていたこの作品をピックアップ。
作者の原田ひ香さんは名前だけは聞いていましたが、作品は読んだことないと思います。

サマリー
「三千円の使いかた」 「ランチ酒」 の原田ひ香が描く、本×ご飯×仕事を味わう、 心に染みる

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コーポレートガバナンスを整備したと言う点において、現代的に評価できる経営者:読書録「住友破壊した男」

コーポレートガバナンスを整備したと言う点において、現代的に評価できる経営者:読書録「住友破壊した男」

・住友を破壊した男
著者:江上剛
出版:PHP文芸文庫

仕事関係でのオススメもあって読むことにした本。
江上剛さんの本は何年ぶりかな?結構久しぶりです。
もっとガチガチのビジネス書とちょっと構えてたんですけど、スタートは幕末維新。
なかなかドラマチックな入り方でした。

この男なくして「住友」は語れない! 幕末志士として活動後、司法官となった伊庭貞剛は、叔父で総理事の広瀬宰平に招聘され、住友に入

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