かなり基本だから、子供向けなのは確かだけど、大人も結構引っかかってる:読書録「データリテラシー入門」
・データリテラシー入門 日本の課題を読み解くスキル、
著者:友原章典
出版:岩波ジュニア新書
なんでこの本を購入したのか
Amazonから送られてきたとき、よくわかりませんでした。
ネットか何かで評判を見て勢いでポチっとしたって感じですかね
ありがちな話。
でもかなり興味深い本でした。
良い本だと思いますよ。
地球環境やエネルギー問題、 男女賃金格差、 少子高齢化、外国人受け入れ、子育てや女性の社会進出、金融リテラシーなど、 社会の様々な課題を考えるための資料やデータを読み解くスキルをテーマごとにわかりやすく解説します。 誤った情報に踊らされず自ら考えて判断するため基礎的な情報活用能力を身に付けよう。
目次
まえがき
1章 地球温暖化
温室効果ガス排出量の推移
印象のトリック
排出量が多い産業部門
排出量の多い国
2章 相対的貧困
相対的貧困率を改善するには
貧困率の高い国の方が貧しいのか?
男女別・年齢階層別の相対的貧困率
1つの指標だけで判断してはダメ
3章 女性の社会進出
M字カーブ
世界の女性の働き方
女性の社会進出が進むと出生率が上がる?
補論:合計特殊出生率
4章 男女間賃金格差
女性の賃金を高く見せるトリック
身長が高いと収入も高い?
5章 子育て
育児休業取得率
育児休業後復職者
ウソをつかずに印象操作
6章 少子高齢化
兄弟のいる児童数が多くなるカラクリ
意外に多い独居老人数
出生率を上げれば子どもの数が増えるのか
7章 移民・難民
移民が増えると治安が悪化?
相関関係と因果関係の違い
利用可能性ヒューリスティック
ファスト解釈と疑似相関
8章 民主主義
民主主義の推進で経済水準が向上?
経済学で考える民主主義
平均寿命が長い民主主義国家
平等で幸福な民主主義
政治トピックに見る性差
9章 金融リテラシー
百分率(パーセンテージ)
単利と複利の違い
株式による資産運用
10章 エネルギー自給率
低下するエネルギー自給率
海外からの輸入に頼るエネルギー
原油輸入の中東依存問題
11章 プログラミング教育
プログラミング的思考
就活で問われる数的処理
入試への影響
生成系AIと情報教育
あとがき
(Amazonより)
基本的には、統計やグラフの見方を整理して、論じた作品です。
目次を見ればわかる通り、統計や数字の方からそれを説明するんじゃなくて、今現在社会的に問題となっていたり、課題として議論されている項目を取り上げて、そこで取り扱われる数字、統計、グラフ何かを具体的に挙げながら、その扱い方について論じてくれています。
統計を扱っている人間にとっては大前提となる話だし、そこに新味はないんだけど、
「あぁ、なるほど、こういうところで引っかかるっていうのはあるなぁ」
と改めて考えさせられるところはありました。
正直言ってメディアとかネットなんかでは結構使われてますからね。こういう統計上のトリックと言うのは
「データリテラシー」と言う題名は、そういう状況を踏まえてつけられたということでしょう。
こういうのって、僕自身もまぁどちらかと言うと社会人になってから統計数字の扱いと言うところで身につけたって言うところはあると思うんだけど、ITの活用が進んでいく中で、メディアやネット論説の中で数字が使われるようになっている。現状では早い段階で見つけたほうがいいっていうのは確かだと思います。
エビデンスとかよく言われるようになってますけど、そもそもそのエビデンスの解釈の仕方っていうのは、こういう統計上の扱いによって揺らいでしまうところはありますし、そのことを確信的に利用する向きもありますからね。
中高でプログラミングを学ぶっていうのがどれだけ意味があるのかなぁと思ってましたが、論理的思考能力をつけると言う点において、データリテラシーにも踏み込んで学んでいくのであれば、それはそれで意味があるような気がします。
僕は知ってることを改めて再確認するようなイメージで、文章を読み終えました。
知ってるからと言って、それに引っかからないと言うわけでもないですし、
ただ中の演習をやるのはめんどくさくなってますね。
ここら辺が歳をとったということなのかもしれませんし、そこを省いてしまうことで、陥穽に落ちると言う可能性もあるななどとも思ったりもして。
そういう自分自身への注意喚起と言う点でもこのタイミングで本書を読んだのは良かったのかもしれません。
子供たちが読むかなこれ。
読まないだろうねぇw。
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