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鈴掛真のエッセイ

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#短歌

もし歌が街の景色に溶け込めばあなたの目にも届くだろうか

三越伊勢丹グループの秋のキャンペーン「彩り祭 2022」の広告キャッチコピーを短歌で担当させ…

鈴掛 真
2年前
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最後のデートは、お台場にしたかった。

「今度のデートは、お台場にしよう」なんて、久しく言わなくなっていた。 海浜公園、スポッチ…

鈴掛 真
2年前
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CLASKAを、せめて言葉で残したい。

「クラスカ」という名前でピンと来なくても、この赤い器がプリントされたショッパーを見かけた…

鈴掛 真
3年前
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きみとぼくは、感情の容量がちがう。

例えば、「好き」という感情について。 「好きだよ」と言えば、「好きだよ」と返してくれる。…

鈴掛 真
4年前
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「ご冥福をお祈りします」って簡単に言いたくない

誰が言い出したのか知らないけど、いつのまにか決まり文句になって、みんなが日常的に使うよう…

鈴掛 真
4年前
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僕は誰かの言葉なんかに殺されたくない。

作家活動をしていると、自分の作品に対する感想が気になるもの。 最も手軽なのは、検索サイト…

鈴掛 真
4年前
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これほど感動的な地下鉄の出口がかつてあっただろうか

これは今年の1月、誰も世界がこんなふうになるなんて考えもしなかった頃、途中で書くのをやめたままだったエッセイ。 旅行記、しかも中国の話なんて不謹慎だ!って非難されると思ったのです。 けれど、目には見えない恐ろしいウイルスに、生活が突如脅かされて、頼りない政府に不信感を募らせているのは、中国の国民だって同じ。 何も悪いことはしていないのに、家族や友人を亡くして、悲しみに打ちひしがれているのは、中国人だって同じです。 中国人の友達がいる僕は、今こうして中国が世界中から悪者のよ

ごめん、『タイタニック』なんてダサいって思ってた

こう言っちゃなんだけど、映画としてはベタすぎるチョイスじゃないですか、『タイタニック』っ…

鈴掛 真
4年前
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家族になっておけばよかった

 桜が咲いてから散ってしまうまで、誰にも会えない春がやって来るなんて思いもしなかった。 …

鈴掛 真
4年前
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年賀状は印刷に頼らない男。'20

新年の挨拶は今や、「今年もよろしく!」とSNSに一言だけ投稿すれば済んでしまうから、わざわ…

鈴掛 真
4年前
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歌人・鈴掛真の2019年の仕事

え? もう年末? この前カウントダウンやらなかったっけ? そっか、平成最終日の4月30日、ま…

鈴掛 真
5年前
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発売したはずの本が書店に売ってない!たった一つの明確な理由

「この雑誌、おもしろそう!」 「あのマンガの最新刊、発売されたんだ!」 子どもの頃、書店は…

鈴掛 真
5年前
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僕の作品を使って、知らない誰かが受賞していた件

小説・エッセイ・詩をはじめ、俳句・川柳・短歌などを対象に行われている文学賞。 芥川賞や直…

鈴掛 真
5年前
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「言葉で世界は変えられるのか」って本気で考えてみた日のこと

初めから 解り合えや しないことを 知って僕らは 何度も話す 他人の言葉に救われたり、他人の言葉で一生癒えない傷を負ったりする。 人を動かすことも、人を縛りつけることもできる「言葉」は、なんて素晴らしくて、なんて恐いものなんだろう。 僕は作家のはしくれとして、いつも執筆のたび、そんな恐怖に手を震わせます。 「歌姫ってなんなん」 「霊長類最強女子ってなんなん」 他人が勝手に与えた言葉に縛られていた人たちが、その疑問や不満をさらに言葉にしたことで、今、多くの人が動き、考え、そ