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【博物館】国立西洋美術館のドキュメンタリー映画

先日、渋谷のイメージフォーラムに映画「わたしたちの国立西洋美術館」を観に行った。映画を見るのは2年ぶり、その前は6年前。そんなわけで滅多に映画を観ないのだが、思い立って観に行くことにした。

以下、ネタバレ含みます。


1.前回・初回記事

前回記事(おやすみ中💤)

初回記事


2.この映画を観に行くきっかけ

観に行くことにしたきっかけは、日経新聞で国立西洋美術館に関するドキュメンタリー映画があるという文化面の記事を目にしたからだ。映画の概要は、以下新聞記事に端的にまとめられている。さすが記者さんだ!

「最近映画を観ていないし、地上波ではやらないだろうから観に行こう」と何となく思った翌日にはもう映画館に赴いていた。


3.映画館「イメージフォーラム」について

JR、地下鉄の渋谷駅から徒歩10分くらいのところに位置する、昔ながらの小ぢんまりした映画館だ。スクリーンは2部屋、約60席の部屋と約100席の部屋。今回は60席の部屋での上映だった。

今話題の俳優やアニメの映画化作品は上映しておらず、ドキュメンタリー作品や、かなりニッチな作品を上映している。

イメージフォーラム外観

4.国立西洋美術館について

国立西洋美術館は、川崎造船所初代社長の松方幸次郎がヨーロッパ出張の際に収集した美術品を所蔵・展示している。西洋美術の所蔵に関してアジア最大級といえるだろう。

同館はフランスの建築家ル・コルビュジエが建設し、1959年に開館。2016年には世界遺産となった。その後2020年には館を入ってすぐに広がる前庭を開館当初の姿に戻すための改修工事を開始し、2022年4月にリニューアルオープンした。

5.映画について

映画では、上記改修工事の模様と、館職員の業務について取り上げられている。改修工事の際は、前庭の像と館内の展示物を収納室に撤去する。

その運搬の様子は、当然だが壊れないように慎重に行われ、見ているこちらがひやひやした。だが、プロの運搬業者が無事に運搬を遂行するのである。

館の職員の皆さんは、子どものころから西洋美術に関心が高かったようだ。その熱意やプロ意識は、作品修復やリニューアルオープンに際する作品展示の方法、作品購入や各地での講演のシーンから読み取ることができる。

最も印象的だったのは、前館長のご退任時のスピーチのシーンだ。国立西洋美術館は「国立」であり、国民のものであるということ。それは映画のタイトルにも表れている。

劇中なかごろの職員さんたちによる作品購入のシーンにもそれは表れている。作品は税金で購入する。特にコロナ禍だった1~2年前は現地に作品を見に行けないため、現物を見るまでひやひやしたのだという。

「国民のもの」なんだから、我々が美術館の職員さんの業務等、裏側を知っておくに越したことはない。それに、西洋美術に詳しくなくても美しい作品に触れるために、息抜きのために美術館を訪れてもいいのではないか。

西洋では美術を大切にする思いが強く、博物館展示の企画力も非常に高いというイメージがある。当然、西洋美術については日本より西洋の国々が詳しいんだけれど、我々が博物館や展示品に興味をもつこと、実際に訪れて収益に貢献することで博物館業界を盛り上げていくことも大切なのではないか。

#日経COMEMO #NIKKEI

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