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創作まとめ

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書き上げた掌編小説をまとめました
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記事一覧

不意に、ふと。/掌編小説

一.  これまで何度も転職をして来た。新卒の企業では無理なくらいに働かされ、1年で体と心は…

ももちゃん
4か月前
6

廻る巡る/掌編小説

一. 「はぁ〜。これで今週8人目。」  千葉県警館山署の警察官はため息を漏らす。目の前の海に…

ももちゃん
3か月前
5

ナニカの日記/エッセイ

 私が小学生だった頃。帰り道には密かな楽しみがあった。  商店街を抜ける途中にお寿司屋さ…

ももちゃん
3か月前

瞳景/掌編小説

一.  私が子供の頃、7月と8月は人生で最も充実感に溢れた時期だった。  土の匂い、草の匂い…

ももちゃん
1か月前
4

希使念慮/掌編小説#3

一.  路頭に迷っているという言葉が現状を表すに最適だと思う。  前の職場を退職し、はや半…

ももちゃん
4か月前
3

異世界/掌編小説#2

一.  トラックに轢かれるとそこは異世界だった。    植生する草木は日本に生えていないもの…

ももちゃん
7か月前

Another/掌編小説#1

一.  202X年、政権与党は国民の声を後押しに受け、とある法律を施行する。「個人の通名による社会活動及びそれに関連する法律」。  この法によって、医療やら確定申告やらの行政サービスを本人が申請した通名で受けることができるようになった。  少し仰々しく説明したが、この制度は言ってみれば、「自分発案の公式のあだ名がつけられる」という制度だ。この政策を後押ししたのは、親の良識を疑ってしまうような奇抜な名前、いわゆるキラキラネームを与えられた人間たちである。その人間たちはその通名を