IBN寮物語—口上(こうじょう)1—
入寮して数日が経過し、4月1日のエイプリルフールを迎えた。仙台は朝から雪が降っており、(半地下室にある)一階談話室から見上げる道路にも雪が積もっていた。室内に目を転じると、猪俣はすやすやと眠っており、北王子も眠っているが、なぜか奴の右手の隣には木刀が置いてある。嘉門も眠っているが、彼の足元にはロックピックハンマーがやはり置かれている。そして、鹿本はアレルギーのために夜中にくしゃみを多くしたのであろう。枕元には白いティッシュが敷き詰められており、遠目から見ると鹿本は棺桶の中で