漫画みたいな毎日。「虫の眼、いちごの眼。」
今日も、比較的暖かな一日だった。
幼稚園に行くと、末娘は真っ先にトランポリンが空いているかを確認しに行く。「誰か飛んでた~」と残念そうだが、まぁ、そういうこともある。
毎回、思ったようにトランポリンを使えないことがあっても良いと、私は思っている。「入れて」と声を掛ければ、入れてもらえることもあるが、末娘は、関係性が出来ていない中に入ってまで飛びたいとは、現時点では思っていないようだ。
またこれも成長と共に変わっていくのだろう。
「違う場所で遊ぶ。」と末娘。
山の近くに行くと、小さな野いちごが生えている場所がある。もう冬も近いというのに、まだ実を付けてくれている野いちご。時々、いちご探しに行き、いちごの葉を掻き分けると、あちらこちらに小さな赤い実が顔を出す。
既に甘い部分は虫に食べられているもの、青いまま大きくならなかったもの、小さいけれど、真っ赤に熟しているもの。時には、誰にも見つからず、大きくなった真っ赤ないちごを見つけることができ、末娘は酸っぱいと顔をしかめたり、甘いといって目尻を下げたりしながら、いちごを次々に口に放り込む。
いちごを探していると、葉がガサゴソと動くことがある。カナヘビかな?と思って気配のする方に目をやると、落ち葉の上で日向ぼっこしているフキバッタがいる。不思議なもので、一匹見つけると、次々に日向ぼっこしているフキバッタに遭遇する。いちごも同じで、ひとつ見つけると、次々に見つけることが出来る。
虫の眼、いちごの眼だな、と思う。
一度そこに意識がフォーカスされると、今までは見えていなかったはずなのに、見えるものが変わってくる。
虫の眼を持ち合わせている長男は、私や他の人には見つけられない虫や生き物をいとも簡単に見つける。末娘は、大好きないちごをどんどん見つける。二男は、面白い出来事を素早くみつける。ちょっと違うか。
「バッタを驚かさないように静かにね。」と末娘。長男の厳しい教えもあり、虫にも親切な末娘である。バッタの大半の種類は、成虫では越冬しないので、寿命が近いのだろう。夏の元気さは無く暖かな場所で静かに移動している。
陽射しは暖かだか、時折、冷たい風が吹き抜ける。
風と共に、落ち葉が舞う。
「わぁ!お母さん!見て!落ち葉が踊っているみたいだよ!」
首が痛くなるのではないかとおもうくらいに空を見上げる末娘。
「冬の匂いがする。」
そういいながら、降ってくる落ち葉をキャッチしようと追いかける姿が、まるで落ち葉と踊っているようだ。
もうすぐ冬がくるね。