漫画みたいな毎日。「身体も心も、春の準備。」
窓の外は、まだまだ、雪が山になっており、朝夕は、気温はマイナスだ。寒い寒いと言いながら、布団から出てきた子どもたちは、我先にストーブの前に陣取っている。
しかし、日中は、気温が上がったり、陽が差して、雪が溶け、高かったはずの、かまくらの天井が少しずつ下がってきている。
隙間を見つけては、かまくらの天井を掘ったり、狭くなった部分を広げてはいるのだが、先日は、天井を高くした部分が雪が薄くなっており、雪を乗せて踏み硬めようと上に乗った際に、天井を踏み抜いてしまった・・・。
春が近い。
子どもたちも、こころなしか、新しいことに取り掛かろうとする姿がちらほら見受けられる。
春が近づくと、身体が、既に春に移行しはじめ、ムズムズする。心も、なんとなくそわそわして、イライラしやすくなる。年度が変わることもあり、なんとかく、落ち着かないこともあるのかもしれない。
「患者さんも、〈最近、なんとなくイライラするんです〉と言う人が出てきたよ。」と、鍼灸師の夫。
東洋医学では、春は「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」のひとつ「肝(かん)」の働きが活発になる季節ととらえる。「肝」はエネルギーや怒りを司る器官。そのためエネルギーが高まって、イライラしたりストレスを感じやすくなったりするのだそうだ。
春は、うずうず。
春は、もぞもぞ。
そういえば、長男が小さい頃、一日中、怒ってばかりの事があった。
いったい今日はどうしたのだろう?と、ふとカレンダーに目をやると、その日は「啓蟄」だった。
ふむ・・・このことを知って、長男の中に冬の間に籠もっていたものが、開放されたのか・・・と、妙に納得したのを覚えている。
その後、啓蟄について調べていると、『虫出しの雷』というものがあることを知った。
長男の怒りっぽい一日は、どちらかというと、『虫出しの雷』だったのかも・・・とも思えてきた。虫好きの長男は、冬は虫が居ない、虫が居ないと退屈だと言っては、毎年、春を心待ちにしていたので、自分が『虫だしの雷』となって、虫たちに「春だよ!!!」と知らせたのか?!と。
まだまだ冬、と思っていたが、春に向けて、少しずつ軽やかな心と身体にしていきたい。
もぞもぞ、そわそわが、イライラとなって、私自身が、『虫出しの雷』を家の中に落とさないようにくれぐれも気を付けなくては・・・・と思っている。
冬の間に溜め込んだものがないか、自分の身体とこころに問いつつ、なるべく、小出しに外に出しながら、ゆったり、慌てず、軽やかに春を迎えられるようにしたい。