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漫画みたいな毎日。「サンタが山にやって来た。~クリスマス後記・食事編~」
クリスマスが終わり、2023年も終わりに近づいている。
クリスマス・イブから3日経った今日も、我が家のテーブルにはクリスマスメニューが並んでいる。単にいつもの調子で作りすぎて余ってしまい、その食事が続いているというだけなのだけれど。
「今年のクリスマスは、クリスマスっぽい物が食べたい。肉料理とか。」
長男がクリスマスメニュー、クリスマスメニューとややしつこいくらいに唱えている。クリスマスは、その後にお節作りも控えているし、ケーキとちょっとしたものがあればいいと毎年思っている私には、やや負担感のある提案である。
「自分で作るから、お母さんは、お節作っててくれていいよ。」
そういうので、お互いに協力してやろうという話になり、子どもたちにメニューの希望を聞いてみる。
長男「クリスマスらしい肉料理。ターキーとか丸鶏とか。あとキッシュ。」
普段食べないのに、肉なの?と不思議に思うが、まぁ、食べてみたいということのようだ。
私は、ターキーや丸鶏が苦手だ。そもそも肉全般が得意ではない。子どもの頃、父がクリスマスだからと、何処からかいただくのか、買ってくるのか、まるまる一羽のターキーがテーブルの真ん中に置かれるのが怖かった。肉が苦手な子どもだったので、嬉しいよりも怖いが先に来る。家族皆、然程、肉が好きではなかったので、翌日に残った鶏肉は飼っていた猫のお腹に納まった。食べないといっているのに、毎年、クリスマスにターキーを抱えて帰る父の姿が今も不思議でならない。
二男「う~ん、クリスマスっぽいご飯ならなんでもいい。ケーキは作りたい。去年はうずらとウインナーの串かつとパスタ2種類だったよね。」
記憶力のある二男。私は去年のクリスマスのメニューなどまったく覚えていない。
末娘「サンタさんのケーキ!」
末娘はいちごをサンタクロースにして飾るショートケーキがあれば満足とのこと。
クリスマス前後は忙しい。
今年は23日に幼稚園のクリスマス会のような集いがあり、家族それぞれが持ち寄り形式の食事なので、持ち寄るための食事も作る必要がある。24日は、Bリーグのチケットが当選し、午後から初のプロバスケットボール観戦の予定。
25日は夫が仕事で帰宅が遅いので、24日、クリスマスイブの夜にクリスマスパーティーをするしかない。
頭の中で段取りを考え、家族で予定を共有するために紙に書き出し、まず、夫と予定を共有する。そして、子どもたちにも、人の動きと、その日にやることを簡単な表にしたものを見せて説明する。
クリスマス・年末進行の中、子どもたちの習い事の送迎や、買い物、図書館への本の返却、やっとできた美容院の予約、食事の下拵え・・・小さな事柄でも重なるとそれなりである。
すると、「これは自分がやれるよ。」と長男と二男が自分のできることを担当すると言ってくれた。
長男はキッシュの生地とケーキの豆腐クリームを、二男はケーキのスポンジを焼いて、デコレーションもできるよ、と。末娘は「お手伝いできることあったらやりたい」と。
22日に幼稚園の持ち寄りの食事の仕込みを済ませ、23日は無事にクリスマス会に参加した。子どもたちは色々な家族が持ち寄る食事が広い場所に所狭しと並べられる光景を今まで何度も見てきたが、やはりその光景がとても好きなようだ。感染症拡大でずっと開催できなかった行事は4年ぶりの開催だった。末娘は幼稚園に行くことに気がのらない日々を過ごしているので、幼稚園に行くのは2ヶ月以上ぶりだ。「食事を食べたら帰りたい」と言ってたが、出し物やゲームの時間は静かな場所で塗り絵をしたり本を読んで過ごし、夕方のキャンドルを灯す時間に参加し、会を終えた。
幼稚園から帰宅し、時間が遅かったので、クリスマスの料理の仕込みは明日に回すことにして、就寝しようと皆で話し合う。その分、明日は早起きしなくては!とややプレッシャーを感じつつ、布団に入った。
翌朝。クリスマスイブ。バスケットボール観戦の為に家をでる時間は12時半。どれだけ準備が進められるか。私は焦っていた。
「どこからやろうか?」
救世主登場。
夫が早朝からキッチンに一緒に立ってくれ、阿吽の呼吸で作業を進めていく。子どもたちが起きてくる頃には、予定していた作業をほぼ終えていた。
長男はキッシュを生地から作りたいといって、レシピを見ながら生地作りを始め、二男は自分のレシピノートを持ってきて、ケーキのスポンジを焼く準備を始めた。末娘にやれることをいい具合に割り振ってくれる。粉をふるったり、生地を混ぜたり。こういう状況の時、大きな人は、小さな人を決して邪魔にしない。
その人に出来ることを考えて仕事を割り振ることは、相手のためだけではなく、割り振ることを考えるという貴重な経験になるのだと思う。
長男はパイ生地を作り終え、二男は末娘と協力して、スポンジを焼き上げた。
予定の時間通りに家を出て、Bリーグの観戦会場に向かう。2時間半ほどのプロの試合を直に感じて、やや興奮しつつ帰宅。Bリーグの観戦については、また別の記事にしたいと思っている。
帰宅してから、また忙しい時間となるだろうと想像していた。
仕込んだ料理を仕上げ、ケーキをデコレーションし・・・
でも、キッチンで家族5人、それぞれが自分のできることをやって動いている。そして、次々にクリスマスパーティーの準備が整っていく。
家族でキッチンに立って、それぞれができることをする。
それが形になっていく。
誰も無理することなく、補い合っていく。
みんな、大きくなったなぁ。
私ひとりでやろうとしなくていいんだ。
子どもたちがそれぞれ自分でやれることをやり、大きな人が、小さな人にやれることを割り振り、やり方を丁寧に伝え、やっていることに口出しをせず静かに見守る。
「良いクリスマスだなぁ。」
夫が呟いた。
本当に良いクリスマスだ。
心が満たされるというのは、こういうことなのだろう。
ひとりひとりが、自分で考えて、自分で動いて、気がついたらひとつの形になっている。
やさしく、穏やかな時間がそこに在った。
クリスマスのメニューは普段の我が家ではなかなか食べないオンパレード。
チキンのトマト煮、バターと卵たっぷりのキッシュ、ミートローフにシーフードピラフ。玄米クラッカーにチーズを乗せて。
アボカドサラダとスープもあったが、明らかに野菜が足りない。デザートは玄米粉のショートケーキだ。玄米粉もご飯のようにしっかりとお腹にたまる。
来年はもっと野菜メニューを増やそう。
ミートローフも野菜を多くして、なんなら豆腐もいれてしまおう。そんなことを半世紀生きた身体には重たい食事を済ませて思うのだった。
うん、良いクリスマスだったなぁ。
口には出さないけれど、何度も自分の中で繰り返す。
食べ慣れないものが影響したのか、久々に人混みに出掛けたからか、子どもたちが順番に胃腸炎にかかり、クリスマスの早朝5時から嘔吐の処理に追われることになるとは、想像もしていなかったクリスマス・イブの夜だった。
~クリスマス後記・プレゼント編に続く。~
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ミートローフのソースに大根おろしをたっぷり入れてさっぱり食べ、
和風おろしハンバーグとしました。
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基本、見守る体制。
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真ん中のクリームをたくさん塗りすぎたようで、
生地が上滑りしお皿に移すのがなかなか大変でした・・笑
ヘッダーはみんなのフォトギャラリー・あめさんのイラストをお借りしました♪ありがとうございます♪
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