ロケ地実景×脚本
映画『砂の器』(1974年)の脚本(シナリオ)は、ご存知の通り、橋本忍と山田洋次の手によるものです。
そもそも脚本とは映画を作るための「設計図」ですから、当然映画と脚本の内容はおおまかには一致しています。しかし、脚本に書かれた台詞やト書きを読むと、細かい部分では必ずしも完成した映画と同じではないことに気づきます。
映画そのものとは違い、スタッフや出演者、関係者以外の一般の人たちが目にする機会はほとんどないですが、脚本を読むことで脚本家自身がそれぞれの場面をどんなイメージで思い描いていたかが伝わってきますし、また一文一文の表現の仕方にも独特の味わいがあります。
そこで遊び半分なのですが、映画のロケが行われた島根県の木次線沿線の現在の風景に脚本の文章を重ねた画像を作成し、いくつかXに投稿してみました。それらの画像を、物語の流れに沿って、ここにまとめておきたいと思います。映画のシーンを思い浮かべながら、木次線を旅する気分になって楽しんでいただければ幸いです。
なお『砂の器』の脚本は映画製作の過程で何度も書き直しをされており、複数のバージョンが存在しますが、ここでは映画公開の翌年に発行された『年鑑代表シナリオ集 一九七四年版』に収録されたものを引用しています。
今西、木次線に乗り換える
今西、桐原老人を訪ねる
今西、「亀嵩駅」に立ち寄る
三木、本浦父子に出会う
秀夫、川原で砂の器を作る
千代吉、運ばれていく
父子の別れ
『砂の器』と木次線との関わりを地域の視点から書いています。ぜひご一読下さい!