すなきす(書籍:『砂の器』と木次線)

日本映画の不朽の名作『砂の器』(1974年)が製作、公開されてから今年で50年。あの「亀嵩(かめだけ)」の名シーンはいかにして生まれたのか?本書では、地域の視点から作品とロケが行われた島根・木次線沿線との関わりを探りました。

すなきす(書籍:『砂の器』と木次線)

日本映画の不朽の名作『砂の器』(1974年)が製作、公開されてから今年で50年。あの「亀嵩(かめだけ)」の名シーンはいかにして生まれたのか?本書では、地域の視点から作品とロケが行われた島根・木次線沿線との関わりを探りました。

マガジン

  • 『砂の器』と木次線 基本情報

    本書はどういう本なのか、基本的な情報を記した記事を集めました。

  • 『砂の器』と木次線 関連動画集

    本書に関連して作成した動画です

  • 『砂の器』と木次線 出版までの道のり

    本書について、いろいろとご質問をいただくのですが、多くの方から聞かれるのが「本を書くのにどれくらいかかったのか?」というお尋ねです。  結論から申し上げますと、本を書くことを思いついて作業を始めてから実際に出版されるまで、約1年5か月かかりました。その間、どのような作業をどういう手順で行ったのか、段階を追ってご説明したいと思います。

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リーフレット「『砂の器』と木次線ガイド」ができました

 映画『砂の器』の公開から50年。地元の「奥出雲『砂の器』友の会」が本書をもとに、作品の舞台となった島根県の亀嵩など木次線の駅とその周辺にあるロケ地やゆかりの場所をまとめたリーフレット「『砂の器』と木次線ガイド」を作成しました。本書の出版後にわかった未収録エピソードもQRコードから読んでいただけます。  A5判三つ折りで持ち歩きにも便利!木次線の沿線(奥出雲町、雲南市)を中心に配布される予定です。見かけたらぜひ手に取ってください。旅のおともにどうぞ!

    • おかげさまで第5刷!

       うっかりnoteでのご報告を失念していました。  昨年12月に刊行した「『砂の器』と木次線」ですが、主に島根県内向けの地方出版にもかかわらず、おかげさまで想像していた以上の売れ行きで、増刷を重ねています。このほど、11月1日付で第5刷が発行されました。  お買い上げいただいた皆様、関係者の方々に改めて御礼申し上げます。 下のハーベスト出版オンラインショップでご購入いただくと、木次線沿線に点在するロケ地を紹介したリーフレット「『砂の器』と木次線ガイド」をおつけしています。

      • 大盛況!砂の器記念祭@亀嵩(10/19)

         さる10月19日(土)、『砂の器』の舞台となった島根県奥出雲町亀嵩で、映画公開50年とTBSドラマ放送20年を記念した「砂の器記念祭」が開催されました。  当日はあいにくの大雨になりましたが、島根県内はじめ全国から約600人もの方々にご来場いただき、大盛況となりました。  プログラムは、2004年のTBSドラマ版を演出した福澤克雄さんのゲストスピーチ、地元音楽家によるテーマ曲「宿命」などの生演奏、映画で本浦秀夫役を演じた春田和秀さんや映画評論家・映画監督の樋口尚文さんらに

        • ”秀夫”「亀嵩」に帰る~春田和秀さん50年ぶりロケ地再訪~

           映画『砂の器』(1974年)の後半、観る者の心を激しく揺さぶるのが、ハンセン病を患った父の千代吉が幼い息子の秀夫とともに放浪の旅をする一連の回想シーンです。巡礼の姿で日本各地をさまよった父子は島根県の亀嵩にたどり着き、やがて駅のホームで涙の別れを迎えます。  秀夫を演じたのは、当時8歳の春田和秀さんでした。映画の中で秀夫は一言もしゃべりませんが、春田さんの無言の演技は日本中の観客を泣かせ、大評判になりました。  その名子役・春田さんが、映画の撮影以後は一度も足を向けることが

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        記事

          中国新聞の論説記事で取り上げていただきました

           なじみの薄い地方の方もいらっしゃると思いますので一応ご説明します。中国新聞とは広島県を中心に発行されている地方紙で、1892(明治25)年の創刊以来、130年以上の伝統があります。  先日、その中国新聞の5面(オピニオン面)に掲載された「映画『砂の器』50年 亀嵩ロケの遺産 生かしたい」と題する論説記事で、本書の内容を詳しく取り上げていただきました。  筆者は特別論説委員の岩崎誠さん。実際に木次線に乗車するなどして何度も沿線に足を運び、執筆されました。せっかくですので、記事

          中国新聞の論説記事で取り上げていただきました

          『砂の器』と木次線 未収録エピソード

          “秀夫”と遊んだ子どもたち(出雲横田) 2024年4月から観光列車「あめつち」が米子駅と木次線の出雲横田駅との間で運転されるようになりました。列車が折り返す出雲横田の駅前には昭和から続く商店や旅館が軒を連ねています。  駅正面のロータリーに面した浪花旅館には映画『砂の器』のロケの時、本浦秀夫役を演じた子役の春田和秀少年が宿泊していました。主人の森山浩文さんは当時小学6年生で、4つ年下の春田少年と仲良くなり一緒に遊んだ記憶があります。 「たぶんロケの間の退屈な時間、まあ夏休み

          『砂の器』と木次線 未収録エピソード

          映画『砂の器』上映&放映予定まとめ(2024秋~)※追記2件あり

           日本映画屈指の名作『砂の器』が公開されたのは、1974(昭和49)年10月19日。それからちょうど50年を迎える今年、全国各地でリバイバル上映が行われています。現在把握している今月以降の上映予定、およびテレビ放送の予定を日付順に整理します。 ①9月20日(金)東京都板橋区板橋映画上映会 おおやまレトロシネマ『砂の器』 会場:板橋区文化会館(小ホール) 時間:10時30分、14時30分、18時30分 詳細はこちら↓ ②9月28日(土)三重県津市第10回彼岸花映画祭 in

          映画『砂の器』上映&放映予定まとめ(2024秋~)※追記2件あり

          『砂の器』脚本を木次線沿線ロケ地実景と味わう

          ロケ地実景×脚本 映画『砂の器』(1974年)の脚本(シナリオ)は、ご存知の通り、橋本忍と山田洋次の手によるものです。  そもそも脚本とは映画を作るための「設計図」ですから、当然映画と脚本の内容はおおまかには一致しています。しかし、脚本に書かれた台詞やト書きを読むと、細かい部分では必ずしも完成した映画と同じではないことに気づきます。  映画そのものとは違い、スタッフや出演者、関係者以外の一般の人たちが目にする機会はほとんどないですが、脚本を読むことで脚本家自身がそれぞれの場

          『砂の器』脚本を木次線沿線ロケ地実景と味わう

          『砂の器』と木次線 出版までの道のり(4)

           まだまだ暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。この夏は思いがけない「大社旋風」で、島根県は大いに盛り上がりました。ご存知の通り、出雲市にある県立の大社高校野球部が甲子園に出場。ほぼ県内出身の選手ばかりの無名チームが名だたる強豪校、常連校を破ってベスト8まで勝ち進み、日本中に感動を与えてくれました。アルプススタンドでの大応援も話題になりましたね。  さて、拙著【『砂の器』と木次線】を出版するまでのプロセスをご紹介するシリーズは今回が最終回です。2023年9月から12月

          『砂の器』と木次線 出版までの道のり(4)

          『砂の器』と木次線 出版までの道のり(3)

           お読みいただき、ありがとうございます。拙著【『砂の器』と木次線】を出版するまでのプロセスを振り返るシリーズの3回目です。今回は2023年4月から2023年9月頃にかけて何をやったか、お伝えします。 作業開始から9~14か月(23年春~秋)松江へ引越し(23年4月)  本を書く作業を始めてから9か月ほど経った2023年の4月、それまで住んでいた東京から島根県の松江市に引っ越しました。松江への転居は2022年夏に勤めをやめた時には既に計画していたものです。本の執筆のために引

          『砂の器』と木次線 出版までの道のり(3)

          『砂の器』と木次線 出版までの道のり(2)

           暑中お見舞い申し上げます。前回に続いて、拙著【『砂の器』と木次線】を出版するまでのプロセスを振り返ります。今回は2022年11月から2023年3月頃にかけてやったことをお伝えします。  本書の概要については以下の記事をご参照下さい。  前回の記事はこちらです。 作業開始から4~8か月(22年秋~23年春)資料リサーチと執筆を並行して行う  前回は、本を書くことを思いついてから作業を開始し、企画書と一部の仮原稿を出版社に送って相談したところまでご説明しました。  出版元

          『砂の器』と木次線 出版までの道のり(2)

          『砂の器』と木次線 出版までの道のり(1)

           いつもありがとうございます。このブログでは書籍【『砂の器』と木次線】に関する情報をお伝えしています。本の概要をお知りになりたい方は、以下の記事をご参照ください。  本書について、いろいろとご質問をいただくのですが、多くの方から聞かれるのが「本を書くのにどれくらいかかったのか?」というお尋ねです。  結論から申し上げますと、本を書くことを思いついて作業を始めてから実際に出版されるまで、約1年5か月かかりました。その間、どのような作業をどういう手順で行ったのか、何回かにわけて

          『砂の器』と木次線 出版までの道のり(1)

          『砂の器』と木次線と図書館(2024/10/29更新)

           7月に入り、早くも全国的に厳しい暑さが続いていますね。熱中症にはくれぐれも気をつけてお過ごしください。  さて、本書「『砂の器』と木次線」は主に島根県内での販売を想定した地方出版ですが、おかげさまで全国の皆さんにご好評をいただいています。  島根県以外の都道府県にお住まいの方は、書店の店頭で目にすることは少ないと思いますが、各地の図書館の中には蔵書として利用していただけるところがあるようですので、調べてみました。※2024年10月29日更新 1・国立国会図書館 先日から、

          『砂の器』と木次線と図書館(2024/10/29更新)

          タイムラグはありますが…

           明日から7月、2024年も折り返しですね。  本書「『砂の器』と木次線」も昨年12月15日の出版以来、半年以上が経過しました。これまでもご報告してきましたが、おかげさまで想像以上に多くの方に読んでいただいており、ほんとうに感謝感激です。  本を手に取って下さった方はご存知だと思いますが、本書は島根県松江市のハーベスト出版から刊行しており、主に島根県内での販売を想定した、いわゆる「地方出版物」です。なので、島根県以外の本屋さんではなかなか目にする機会がないと思いますが、それで

          「木次線(きすきせん)の父」が晩年語ったこと

           お立ち寄りいただき、ありがとうございます。  今回も本書「『砂の器』と木次線」を執筆するにあたり、参考にした貴重な資料の一つをご紹介します。 1960年のインタビュー記事 JRがまだ国鉄(日本国有鉄道)だった時代に発行されていた『トラベルグラフ』という雑誌をご存知でしょうか?国鉄が編集し、鉄道弘報社という会社から出版されていたもので、国鉄のPRを兼ねて全国各地の旅行ガイド的な情報を伝えていました。  今回注目するのは、1960(昭和35)年10月に発行された第84号。ちょ

          「木次線(きすきせん)の父」が晩年語ったこと

          『砂の器』橋本忍が語っていた幻のシーン

           本書「『砂の器』と木次線」を発刊してから半年。おかげさまでたくさんの方々に手に取っていただいています。ありがとうございます!  執筆にあたり、数多くの参考資料に目を通しました。『砂の器』と木次線(きすきせん)、それぞれの成り立ちや両者の関わりを探る上で、どれも非常に有意義なものでしたが、今回は映画の脚本に関する興味深い資料をご紹介します。(以下、敬称略) クランクイン直後の橋本×山田対談 ご存知の通り、映画『砂の器』の脚本を手がけたのは、戦後日本を代表するシナリオライター

          『砂の器』橋本忍が語っていた幻のシーン