
オートガイネフィリアについて 〈当事者としての考えと葛藤⑨〉
こんにちは。
オートガイネフィリアである自分と向き合うこの記事も終盤です。次回あたりで最終になりそうです。もう少しお付き合い頂ければ幸いです。
今回はじめて私の記事に出会ったという方は、もしお時間が許すならば初回の記事から目を通していただけるとさらに嬉しく思います。
私の仕事の話
身バレを警戒するあまり自分の仕事に関して今まで伏せていましたが、ここまで書いたら「ま、いっか」と気が大きくなったので明かせる範囲で書いちゃいます。皆様の「スキ」や「フォロー」のおかげで気を大きくすることができました。誠にありがとうございます。
本題です。
私は飲食店の店長をしていました。
名ばかり管理職ではなく、しっかり中間管理職です。当然残業代も休日出勤手当も出ません。
その代わりが管理職手当で支給されます。
まぁ忙しいです。海外からのお客様も増え、ありがたいことにお店は繁盛していました。
それに付随して、キッチンとホールは揉めるし、従業員同士もいざこざがあるし、お客様からクレームも頂くし、部下を育てなきゃいけないし、バイトも雇って自ら育てるし、そのためにコーチングや1on1をするし、お店の売上と利益を上げなきゃいけないし、本社各部署や貸店舗オーナーと連携取らなきゃいけないし、等々と情熱的に縦横無尽に駆けずり回る。それが店長である私の仕事でした。
私は他人に頼るのが上手ではなく、抱え込みがちなタイプ。それでもまだ直属の正社員の部下が2人いた時は大丈夫でした。2人とも中堅の優秀な子たちです。
しかし“東京の店舗に人がいない”と1人東京に持って行かれました。
不安と睡眠障害
部下の異動が決まり、私は不安に駆られました。
「私が仕事に穴を空けたら1人残った部下に全部皺寄せが行ってしまう」
正社員が減り仕事量も単純に増え、
「なんか眠りが浅いな」「なんか朝早く目が覚めやすくなったな」と感じだしたのも束の間、
睡眠時間1〜2時間の日が3日続いて「絶対におかしい!」となりました。
睡眠外来を検索して電話をかけるも予約は20日後までいっぱい。藁をもすがる思いで予約は取ったものの、それまで何とか耐えねばなりません。とりあえず自力で睡眠の質が良くなりそうなことを片っ端からやりました。食事、運動、脱・寝る前のスマホ、等々。そこらへんについては別タイトルの記事に綴ります。
めまい🌀そして不眠の悪化
睡眠外来までの間にいろいろ試して、全然寝れない状態からは脱しました。部下やホールのスタッフは気遣ってくれて早上がりさせてくれたり、私の休みを増やしてくれたりしました。
結局睡眠外来では「骨格的に睡眠時無呼吸ではなさそう」ということだけ分かりました。出された漢方を飲んでも全く効果を感じられませんでした。
私は今までの人生で寝れなくて困ったことなんて一度もありませんでした。
私は「臨機応変」が大の苦手で、自分が出くわしたことのない状況に滅法弱く、不安に不安が募り、ますます不眠になるばかりでした。
そして、ある休日の朝、
目が覚めて体を起こしたら世界がグワーンと回っていました。強烈なめまいと吐き気。
這いつくばって耳鼻科に行き、点滴と服薬でひとまずは収まりました。医師からは「原因はストレスか何か」とハッキリとしたことはわかりませんでした。
ですがそれ以降、処方薬を飲めば休みの日は何ともないのに仕事中だけ軽い船酔いみたいな状態が続くようになりました。病院に電話して聞くと「ストレスで耳石を圧迫して三半規管が不調になっているかも」とのこと。
私はますます不安になって更に寝られなくなって行きました。
人間寝れていないとストレスで怒りっぽくなります。イライラした私は仕事で大失敗をするのでした。
キッチンの管理職と大喧嘩
私は人と争うのが苦手です。恐れてすらいます。
でもその日は違いました。
溜まりに溜まったキッチン長への不満が大爆発し、本当にブチギレてしまいました。
ブチギレた相手から「今日は帰ったほうがいい」と心配されるくらいでした。
そしてそれを節目にしてキッチン長との関係は破綻していくのでした。
おしまい。
おしまいにならないのが仕事の辛さです。
職位と責任がある自分の立場の辛さです。
東京の本社にも事のあらましを報告しました。
10日後、部長が来ました。
それまでの10日間に私は精神科に罹り、睡眠薬を処方してもらっていました。
“睡眠薬、決して手を出してはいけない禁断の薬”
と、思っていた私がバカでした。
スコーーン!と、嘘みたいにめっちゃ良く寝れました。
寝れたら元気になりました。
部長と面談したら、何だか私を休ませるか東京へ戻すかみたいな話でした。
嫌でした。せっかくここまで創り上げたこの地の店。まだまだ店長としてやりたいこと、出来ることがたくさんありました。仕事はやりがいがあったのです。
それに買ってしまった家にもまだ住み続けていました。すぐに東京へなんて行けない。
私が休んだら他の店長が異動して来て、結局私には居場所がなくなってしまう。
睡眠薬によって睡眠時間を確保出来るようになった私は「このまま出来ます」と部長に言い切りました。キッチン長との関係もやり直せると思ったのです。
思えばこれが終わりの始まりでした。
次回に続きます。