S.G.コズロフ(著) S.A.オストロフ (イラスト) 田中 潔(翻訳)
出版社 岩波書店
発売日 2000/5/24
単行本 133ページ
目次
内容解説
レビュー
本書は次のように始まります。
小いさなハリネズミが、冬の朝の寒さに「ぼくがいったいなにをしたっていうのさ?」と愚痴っている姿が目に浮かび、その余りの可愛さに一瞬で物語の世界へと誘われました。
どのお話にも思わず、「クスッ」としてしまう面白さがあります。
しかし面白いだけではなく北国の自然のように、豊かであると同時に厳しい世界をも内包する本書は、世界と命の輝きに満ちています。
本書は、ユーリ・ノルシュテイン監督の映画『霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ』の原作。
ただし映画とはまた別の世界が広がっており、その素晴らしい世界は優しく、そして深く、読む者の心を満たしてくれます。
読者がもし、北国生まれ、北国育ちであれば、本書をより深く楽しめるかもしれません。
厳しく長い北国の冬の終わりから翌年の夏の終わりまでを、心に残る22のお話で綴る、ロシア児童文学の傑作です。
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