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6.ドーピング尿検査の検体採取は、必ず係官に見られています
今回も「SPヤマト」の中高生にもわかりやすい「アンチ・ドーピング講座」へようこそ😊!
今回のテーマはずばり「ドーピング尿検査」の検体採取についてです。
なんとなく、おしっこを検査するということは聞いたことがあると思うけど、実際にはどのように検体を採取するのでしょうか。
内容が内容だけに、ちょっと長くなるけど、頑張って最後まで読んでください🙂。
病院や健康診断の時にする検尿とは、どこが違うのでしょうか?
まあ下半身の話なのであまり大きな声では説明しにくいのですが、「ドーピング検査」は「アンチ・ドーピング」の“カナメの中のかなめ”なので避けて通るわけにはいきません。そんな訳でみなさんも色眼鏡をかけずにお付き合いくださいね。
・・・なんて、言ったそばからこんな話題で恐縮ですが、あなたは人が見ている前で、もっと言えば人から凝視されている状態でおしっこすることができますか?
病院の尿検査では個室で採尿してから検体だけを提出しますよね。検体提出時も指定された場所に採尿カップを置いておくだけで、病院スタッフと顔を合わせることは少ないと思います。
でも、でも・・・「ドーピング尿検査」では必ず人前でおしっこする必要があります。
驚きましたか?
「えっ、マジで?」「信じられな~いッ!」なんて黄色い声が聞こえてきそうですが、これは紛れもない事実です。
あなたが応援しているあのかっこいいイケメンのスーパースターや、銀盤の上を華やかな衣装をまとって妖精のように踊っているフィギアスケートの選手も、表彰台を降りると同性の係官の前でおしっこ採取をしています。
それでは皆さんが最も心配であり、興味があると思われる「ドーピング尿検査」の検体採取が、実際にどのように行われているのかその流れについて説明しましょう。
その前に・・・、
▶18歳未満(Minor)アスリートの場合は、必ず成人の保護者やコーチについてきてもらい、手続きが正しく行われているか一緒に確認してもらいましょう。
では尿検査の主な手順です。
1.通告と移動
ドーピング係官であるDCO:Doping Control Officer(またはシャペロン)から検査の通告を受けた後、検査室(Doping Control Station :DCS)へ移動。
検査が終了するまで常にDCOが同行します。この際、クールダウン、メディアへの対応、表彰式への出席、ケガの治療など正当な理由があればDCOの許可を得て検査室へ行く前に必要な用事を済ませることができます。
尿意が出現するまでの間、飲料摂取することも可能ですが、この場合は未開封であることを必ず確認し、自らの責任で管理、摂取してください。
また、飲料の飲みすぎに注意しましょう。尿検体の濃さが基準値を下回る場合があり、その場合は基準値を満たすまで何度も検体を提出する必要があります。
通常、通告を受けてから最初に出る尿を、検査用に提出します。
2.採尿カップの選定
アスリート自身で複数の採尿カップの中から、1つのカップを選らんで、その採尿カップの袋が未開封か、採尿カップやキャップなどに破損や汚れがないかを確認します。
検体採取の前に、水道水できれいに手を洗いますが、石けんを使うことは禁止されています。
3.尿検体の提出
同性のDCO立ち会いのもと、採尿。
尿がアスリート自身の身体から直接出ていることをDCOが確認できるよう、上着の裾や袖をまくり上げ、ズボンや下着など身に着けているものをしっかりと下げて、体の向きをDCOに向け、足を広げて排尿しているところを確認できるようにします。
尿検体は、90ml以上必要です。90mlに満たない場合は、再び尿意を待ち、90mlになるまで何回も採尿することになります。
検体採取後の採尿カップは、すぐにキャップを閉め、DCOから見える位置に持ちながら検査室内の作業室へ移動します。
このあと、検体封印、書類確認などがありますが、詳細は別の機会に説明します。
検査に対応する際、検査手順についてわからないことがあれば、いつでも、どのようなことでも、DCOに質問することができます。
なお、検査の通告を受けてから、検査を拒否したり、DCOを意図的に避けたり、DCOへの暴言や検体採取を妨害することは「アンチ・ドーピング規則違反」を問われることになりますので注意してください。
最初は慣れずに戸惑うことが多いと思いますが、アスリートとして活躍するためには避けては通れないハードルです。
「ドーピング検査」のことが気になって実力が発揮できなかったなんてことにならぬように、本欄を読んでしっかりイメージトレーニングをしてメンタルを強くしておきましょう。
また、JADAのホームページをのぞくと、「ドーピング尿検査」の手順がマンガや実写動画で紹介されていますので、そちらもご覧ください。
最後に、
他のnoteのクリエーターさんの投稿に、実際にドーピング検査を受けた体験記事がありますのでご紹介します。
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