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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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2022年4月の記事一覧

第7話:生と死について考えてみたこと

第7話:生と死について考えてみたこと

■我が家の猫

猫が陽の当たる居間で昼寝をしている。わが家の猫はサビ猫という種類で決して美しくはない。家の中で見るとそうでもないが、外で見るとコンクリート色の薄汚い貧相な猫に見える。
そう言うとカミさんは「かわいそうに」と猫をかばうのだが、そのカミさんの愛情によって結構いいキャットフードを食べているせいか、毛並みはいい。ふかふかつやつやしている。
それを撫でていると、「猫は毛物(ケモノ)なんだなあ

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キャベツの千切り

キャベツの千切り

好きな食べ物ですか?

梨ですかねえ。
そう、そう、他にも
タケノコ
蒟蒻
もやし
レンコン
そら豆
鰯のつみれ
アサリの味噌汁
ネギぬたで食べる白いご飯。
里芋をふかしたの。
つるっと皮をむいて
塩味で。
キュウリを味噌で
まるかじり、
とか。

千円以上する食事に
限りなくビビッてしまう、
我ながら情けない
貧乏性・・。

そうそう、
お金のなかった学生時分の
350円の薄いトンカツの定食。

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🟢遮断:短歌

🟢遮断:短歌

谷崎潤一郎に「春琴抄」という小説がある。

春琴を思う佐助は、顔に大きな火傷を負い、その顔を見られることを嫌う春琴の思いを考え、自ら両目を針で突き、失明することで春琴に仕えた。

人は一途に思いつめるとき、自らの視覚の遮断を斟酌しないものか。

趣は異なるが、若山牧水にこんな歌がある。

海底に眼のなき魚の棲むといふ眼の無き魚の恋しかりけり

園田小夜子という女性との恋とその破局に傷ついた牧水の悲

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床屋

床屋

自分が30歳を過ぎ、40歳を越えた時にも、それは確かに一つの衝撃でありながら、どこかに「こんなもんか」という思いが胸の中には同居していたのだが、息子が中学生になった時、自分がその親であるという事実には何故か大いなる衝撃を感じたりした。

中学生の親と言えば、それはもう筋金入りのオジサンであり、その僕の中にあるイメージと自分の像とが、僕の頭の中で全く一致しなかった。「十分、オジサン化している」とカミ

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空を飛ぶ土竜

空を飛ぶ土竜

ふはふはと空飛ぶ土竜の夢や春

「春眠暁を覚えず」と言いますが、寄る年波で、いくら遅く寝ても4時とか5時に目が覚めてしまい、「暁を覚えず」という状態がむしろ恋しいくらいに思われる今日この頃です。

その代わり、昼間は夢心地。例えば、土竜が空をふわふわ飛んでいる夢を見ているような現実感のなさ・・。

実は、「土竜」は小学校2年生以来の僕のあだ名で、そんな綽名がついた理由もわからないまま「もぐちゃん」

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