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香港映画

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#香港映画

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

賀歲片だから、いや、賀歲片だけに、観るべきかどうか迷っていた。

German Cheungと Philip Ng は絶対に観たいが、Gigi Leung がボクシングやるとかフニャフニャでもまあ良しで流してるんじゃないだろうか、Louis Koo 古天樂のコメディ・タッチの芝居は『喵星人 Meow』(2017) で背中がむずむずしたのでキャップ被っちゃってる今回もちょっとキツイかもしれないし、い

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電影鑑賞記『看我今天怎麼說 The Way We Talk』(2025)

電影鑑賞記『看我今天怎麼說 The Way We Talk』(2025)

数年前にはまだ資金を集めて回っている最中だったこの作品が遂に作品として出来上がってきた。「次の作品は聾人の話なんだ」と目を輝かせていた Adam Wong 黃修平。もう5年も前のことになるのか。

本作の香港正式公開は2月20日と発表された。5年かけて膨大な量のリサーチをしたという。とても重要なポイントが複数ある作品なので是非観てみていただきたい。

初鑑賞では感動よりも学びや気付きが残った。感動

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電影鑑賞記『The Last Message 天才與白痴』(1975)

電影鑑賞記『The Last Message 天才與白痴』(1975)

嘉禾戲院がこのところガンガン結業している。そんなところへ嘉禾海運戲院での『The Last Message 天才與白痴』上映のニュースが入ってきた。ネットで見た時に「公餘場」(の公の字)が読めず、「MATINEE」を見て「すわ!この上映で嘉禾海運戲院もいよいよ結業か!」と驚いて速攻チケットを購入した。

というのも撮影現場での「Matinee」は最後のショットのことなのよ。このショットでOKが出た

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電影鑑賞記『曾經擁有 Remember What I Forgot』(2017/2025)

電影鑑賞記『曾經擁有 Remember What I Forgot』(2017/2025)

この作品、実は『電影痴漢』という原題で2017年に撮影したものを7年も寝かせてやっと公開にこぎつけたそうな。なので、タイトルに付ける年表記に(撮影年/公開年)の両者を入れた。これでまずはこの作品の特別さがわかっていただけるかと。撮影はしたものの一向に公開されないということで「都市伝説」となっていたらしい。導演自身も「やっと出土した」と笑いを取っているという。

上記写真の「一月11日電影痴看」がお

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電影鑑賞記『十方之地 Obedience』(2024)

電影鑑賞記『十方之地 Obedience』(2024)

ドキュメンタリー作品はあまり観ないのだけれど、これは口碑(口コミ)がとても良いので観ておこうと思っていた作品。実は少し前に書いた電影鑑賞記『只是影畫 Still Life』で「ゴミ収集者のドキュメンタリー作品だと勘違いして」と書いたのがこの作品。やっと観られた。

話が少し逸れるが、実は私、数年間「アジアン・ドキュメンタリーズ」というドキュメンタリー専門の配信チャンネルの香港映画リサーチャーをやっ

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龍迷留意!『李小龍複製新宇宙 Enter The Clones of Bruce』上映!

龍迷留意!『李小龍複製新宇宙 Enter The Clones of Bruce』上映!

てえへんでぇ!新年早々こんな映画を高先電影院 Goden Scene Cinema で上映するそうだ!

私が龍迷だと知っている友人からメッセージを貰ったマジで驚いた。突然の李小龍関連作品の上映、しかもよりによってなんでこれ!?ちょうど高先電影院で映画観ての帰り道にメッセージが届いたので、その場で電影院の人に詰め寄ることは叶わなかった。次回行ったら詰め寄ってみよう。いや、普通に「メッチャ嬉しい!で

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電影鑑賞記『誤判 The Prosecutor』(2024)

電影鑑賞記『誤判 The Prosecutor』(2024)

実は一般公開に先駆けて優先場のクルー用チケットで一度観たのだけれど、デカすぎる IMAX スクリーンの2列目だったせいで画面が視界に入りきらないわ、下から見上げるから画面が光ってよく観えないわで、鑑賞できたとは言えない状況だったことは以前の記事 『The Prosecutor 誤判』11/12/2024 優先場写真館 で書いた通り。

そして今度こそクルー用チケットを貰って自分の思うシートで観られ

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電影鑑賞記『久別重逢 Last Song For You』(2024)

電影鑑賞記『久別重逢 Last Song For You』(2024)

まだ鑑賞していないのにロケ地ツアーに参加してしまった顛末とリポートは前記事 散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 > をご参照いただきたい。

ロケ地ツアーに行ってしまったからには観ねばなるまいという義務感と、これらの撮影ポイントがどう使われたのか確かめてみたいという好奇心から速攻で観に行った。

この作品、鑑賞に行くプライオリティが低かったのよ。というのも実は私、鄭

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散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 >

散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 >

「久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅」という電影ロケ地巡りツアーに参加してきた。「團長:《電影現場之旅》作者 奇夫」とある。この奇夫氏は香港電影ロケ地巡りの始祖だそうな。

実はこのツアー、Facebook で見かけたのだけれど『久別重逢 The Last Song For You』のロケ地巡りだというので、まだ観ていないしと申し込んでいなかった。

前記事 電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Do

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電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Dot』(2014)

電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Dot』(2014)

嶺南影像というプログラムで『點對點 Dot 2 Dot』を上映していたので観に行った。

2014年の作品。大阪アジアン映画祭で上映されたおかげで導演の Amos Wong 黃浩然や音音姐こと Susan Shaw 邵音音と仲良くなった。もう10年も前になるのか。感慨深い。

ストーリーを大雑把に紹介すると、黃雪聰(陳豪)が様々な場所にこっそり書いた線結び用の点に気付いた曹小雪(蒙亭)が線結びを完

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電影鑑賞記『虎毒不 Montages of a Modern Motherhood』(2024)

電影鑑賞記『虎毒不 Montages of a Modern Motherhood』(2024)

東京国際映画祭2024で『母性のモンタージュ』という邦題でジャパン・プレミア公開された作品。

監督の Oliver Chan 陳小娟は『淪落人 Still Human』でその実力を知られている。この作品も期待して鑑賞。

『淪落人』と同じく、市民の日常生活の状況や起伏を丁寧に描いている。自身が母親となったことで感じたあれこれを伝えたかったとのこと。

母親になるまでわからなかったこと、街で接した

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散步香港138 < 啟德 / 『九龍城寨之圍城』搭景 撮影セット@AIRSIDE >

散步香港138 < 啟德 / 『九龍城寨之圍城』搭景 撮影セット@AIRSIDE >

AIRSIDE に引っ越してくる前、香港國際機場にこのセットがあった時の様子は以前の記事 『九龍城寨之圍城』搭景 撮影セット@香港國際機場 にてどうぞ。

さて、オープン早々に行ってきましたよ。仕事終わりの6時半に行ったので行列はそれほどでもなく、待ち時間15分と書いてあったけれど10分もかからずに入れた体感。

入り口前には大排檔。

これの右側の宣伝ポスターを撮ったつもりだったのにどうやらミス

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『The Prosecutor 誤判』11/12/2024 優先場写真館

『The Prosecutor 誤判』11/12/2024 優先場写真館

2024年12月11日・保良局による包場の慈善首映禮。クルーに回って来たチケットで行ってきた。iMaxなのでスクリーンがデカい。どれだけデカいかわかっていただけるだろうか。

しかもC列だけれどA列が無いので、実質2列目。隣が空いていたので隣へ乗り出して寝転がって観たけれど、それでもスクリーンが視界に入りきらないし、真下から見上げる状態なのでスクリーンが光ってよく見えないという悲惨な席だった。

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電影鑑賞記『淺淺歲月 Truce Love, for Once in My Life』(製作2024 / 香港公開2025)

電影鑑賞記『淺淺歲月 Truce Love, for Once in My Life』(製作2024 / 香港公開2025)

いつものことながら全くの前情報無しで鑑賞。主演さえ誰なのかチェックせずに観に行った。香港亞洲電影節も全く行けなかったので同映画祭での首映があったことも知らなかった。全くのノー・マーク状態。

数日前に会った Fruit Chan 陳果導演が「俺の《淺淺》が’」「《淺淺》はな」と広東語を嗜む日本人からすると非常にアブナイ音を連発してくれたので、むむ?何のこと?ああ新作?程度の了解だった。てっきり新し

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