マガジンのカバー画像

広東語

749
運営しているクリエイター

#香港映画

電影鑑賞記『寄了一整個春天 Blossoms Under Somewhere』

電影鑑賞記『寄了一整個春天 Blossoms Under Somewhere』

全くのノー・マークで観てきた。導演も知らない、主角も知らない。Adam Pak 栢天男だけ知っているという状態で。

特別優先場だったので入場プレゼントあり。

内容としては青春もの。ガールズもの。かなりシンプルでファンタジック。主役二人も張毓軒も芝居は悪くなかった。Adam Pak 栢天男もはまり役だった。彼は『毒舌大狀』に引き続き、善良そうなイケメンだが実は腹黒の賤男という役がピッタリ。だが、

もっとみる
電影鑑賞記『焚城 Cesium Fallout』

電影鑑賞記『焚城 Cesium Fallout』

それなりの入りだと聞いていたのに、雨降りの平日だからかこの上映は私を入れて6人。全員 End Roll 終わるまで席を立たなかった。

入場プレゼントとして港式宣傳單張(香港式チラシ)とでも名付けたくなるシートを貰った。最近はこのA4で卡紙(=ちょっと固めの紙)を入場プレゼントにする作品が増えた。といっても私は高先電影院でしか観ないので、他劇場でも配布しているのかどうかは知らない。

せっかくの高

もっとみる
電影鑑賞記『送院途中 Vital Sign』

電影鑑賞記『送院途中 Vital Sign』

実はこの作品は観ていない。ちょうど私が香港に戻る直前の香港國際電影節で上映されたのだけれど、私が本格的に戻ってきてからは劇場での上映はしていない。なのにこの作品の導演の劇組に参加することになろうとは想像だにしていなかった。

作品としては全体的に薄い。薄べったいというかちょっとぼんやりというか。題材としてはとても良いのだけれど、全体を通しての一番の柱をハッキリ立てきれていなかった感はある。第一の柱

もっとみる
電影鑑賞記『爸爸 Papa』

電影鑑賞記『爸爸 Papa』

翁子光導演は私が観た限りの作品で言うと重い題材の作品がホンマに上手。『風再起時』はかなり不満が残った。『正義迴廊』は実はまだ観られていないのでどんなだったかわからない。

なぜまた猟奇殺人の作品を?の質問に「こういうのが上手いのはお前だからやってくれと言われた」と答えた導演。私も「だってそうだもんね」と制作者に心から同意。

劉青雲の芝居については何も言わなくても良いでしょう。この役はラウチンしか

もっとみる
電影鑑賞記『破・地獄 The Last Dance』

電影鑑賞記『破・地獄 The Last Dance』

鑑賞記の前に、去る10月19日海洋中心にて行われたプレ・イベントの様子から。本来11月14日公開予定だったが11月9日に前倒しになったという発表がここでなされたので、バナーにはすでにそれ用の口號「11月9日 那日 見」が出ている。とりあえず写真だけ置いておく。みんな楽しそうで和む写真よ。電影鑑賞記はその下に。

東京国際映画祭で配布用に作った英皇集團オフィシャルのチラシ。東京で陳茂賢導演、子華神、

もっとみる
Hong Kong-Asian Film Collaboration Funding Scheme 亞洲文化交流電影製作資助計劃のセミナーでHONG KONG FILMS@TOKYO 2024に参加

Hong Kong-Asian Film Collaboration Funding Scheme 亞洲文化交流電影製作資助計劃のセミナーでHONG KONG FILMS@TOKYO 2024に参加

東京国際映画祭併設の TIFFCOM に行ってきた。私が参加しているプロジェクトが助成金を獲得し、それを世界にプロモートしたい当局からの招待で監督がセミナーに参加するというのでクルーとして連れていってもらった。

まずは自分へのリマインダーも含めて、どういうシステムの助成金なのかを書き記しておく。

香港特別行政區政府文化體育及旅遊局の下に、旧 Create Hong Kong 創意香港・現 Th

もっとみる
電影鑑賞記『只是影畫 Still Life』(2024)

電影鑑賞記『只是影畫 Still Life』(2024)

これは完全に間違えて観に行ったもの。以前、ゴミ収集者のドキュメンタリー作品があって、それだと思って観に行ったのよね。完全に間違えてた。

ドキュメンタリー作品はあまり人気が無いので、これも映後分享があるというのに30人ほどの入り。しかし劇場に入った時に私に手を振る人がいた。ど真ん中に座っている Gary だった。この作品でバッタリ会うとは意外。同じ列だったけれど私は端から3席目。私と Gary の

もっとみる
電影鑑賞記『人海同游 Borrowed Time』(2024)

電影鑑賞記『人海同游 Borrowed Time』(2024)

トレイラーが素敵だったので、いつものごとく何の前情報も入れずに観てきた。

このところ少なくなった、細部を何から何まで繋げてしまわない運び方のストーリー。フィルムで撮っていた頃は、その場ですぐ Play back して確認できないし、negative film を現像してから見直すということや予算もあって、ある程度の細部は切り捨てて(も致し方なしとして)いたような気がするので、ストーリーを細部まで

もっとみる
電影鑑賞記『我談的那場戀愛 Love Lies』(2024)

電影鑑賞記『我談的那場戀愛 Love Lies』(2024)

10月1日半額デイ「一人電影馬拉松」2本目はこれ。元も子もないほど簡単に言ってしまうと「結婚詐欺」の話。

実は全く以って期待していなかった。1本目の『武替道』と3本目の『千禧曼波』の間に何か入れたかったので、仕方ないこれでも観とくかぁ程度の気持ちだった。Sandra Ng 吳君如の芝居はいつもお約束通りのものだし、MC  張天賦も微妙な芝居はできないので、全く期待していなかっただけに予想外に面白

もっとみる
電影鑑賞記『武替道 Stuntman』(2024)

電影鑑賞記『武替道 Stuntman』(2024)

以前の記事:香港電影鑑賞記:『九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In』(2024)に引き続き、また別の素晴らしいアクション映画が公開された。

『九龍城寨之圍城』は完全なる娯楽作品だけれど、この『武替道』は私にとってはセミ・ドキュメンタリー。おかげで泣きまくった。(泣かせどころわかっている2回目鑑賞時もボロボロに泣いた。)

10月1日の半額デイ、し

もっとみる
電影朝聖Garyからインタビューを受けました『來自日本的香港達人Sophie』

電影朝聖Garyからインタビューを受けました『來自日本的香港達人Sophie』

電影朝聖Garyがやってくれたインタビューが記事になりました。4時間ぐらい喋りまくったかな。Garyが全てきっちり再現してくれてます。日本語訳を付けておきます。Gary ありがと!

【專訪】來自日本的香港達人 上川智子SOPHIE/文:王冠豪GARY(電影朝聖)

冒頭の一句「君は香港映画の為ならどこまでやれるか?」
「為了xxx,你/妳可以去到幾盡?」これは『狂舞派』(2013)が放った經典對

もっとみる
『Crisis Negotiator 談判專家』

『Crisis Negotiator 談判專家』

先日の『CUSTOMS FRONTLINE 海關戰線』に引き続き Herman Yau 邱禮濤作品。面白くて当然だけれど、これもまたマジで面白かった。この2作品が連続で観られたのはラッキーかもしれない。それぞれが娯楽大作として物凄く面白かったので日本でも公開されて欲しいな。

この『談判專家』、奇しくも6月30日に観てしまった。劇中で黃家駒が亡くなったというニュースが流れるという設定を知らなかった

もっとみる
『CUSTOMS FRONTLINE 海關戰線』

『CUSTOMS FRONTLINE 海關戰線』

優先場のチケットを頂いて公開に先駆けて観て参りましたよ。ありがたいことです。

『拆彈專家』で紅隧を爆破した、あの邱禮濤作品よ?期待しないわけないよね。(ちなみに『拆彈專家2』を観ていないので、これでどこを爆破したのか知らない私なのでそこは突っ込まないでね。どんな作品も前情報無しで観たいのよ。)あちこち爆破したり車クルクル宙返りさせるのに定評のある邱導、本作ではついに爆破の場を海上にしたのか!とワ

もっとみる
香港電影鑑賞記:『九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In』(2024)

香港電影鑑賞記:『九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In』(2024)

基本的に動作片は絶対に観る。しかもこれは Soi Cheng 鄭保瑞執導、谷垣健治武術指導、John Ching 莊澄/Wilson Yip 葉偉信監製ときたら観ないわけがない。

当然ながら実にクオリティの高いアクションを観せてくれている。さすが谷垣さん。なんだけれど私、アクションの現場に入り過ぎているせいか、いちいち「あ、このアクション、ここで切ってCG入れてるのかな」「あ、この武師、誰それか

もっとみる