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電影鑑賞記『爸爸 Papa』

翁子光導演は私が観た限りの作品で言うと重い題材の作品がホンマに上手。『風再起時』はかなり不満が残った。『正義迴廊』は実はまだ観られていないのでどんなだったかわからない。

なぜまた猟奇殺人の作品を?の質問に「こういうのが上手いのはお前だからやってくれと言われた」と答えた導演。私も「だってそうだもんね」と制作者に心から同意。

劉青雲の芝居については何も言わなくても良いでしょう。この役はラウチンしかありえないもん。私はラウチンの細かい芝居が気になり過ぎて、話の大きな流れやトリックをしっかり読み切れていなかった。港產片迷仲間に解説してもらって、なるほどそういうことか、と合点したという間抜けっぷり。

この Dylan So 蘇文濤は下手に擦れていなくて、だからこそこの役を演じきれたのだね。日本語を結構解するようで少し話してくれた限りは上手だったけれど、流石にQ&Aで全て喋りきるほどではなかったよう。日本のアニメとかゲームが好きです系なのかな。

香港パーティーには谷祖琳もいたのに登壇しなかったのね。パーティー会場で「話しかけてもらってもいいよ」オーラを出してくれてたんだけど、実は私、谷祖琳のことを知らなくて(ごめん)、全然お話しなかったのよ。次にどこかで出会ったら、素敵な演技でしたよって話しかけよう。

導演、実は最初暫くは下向いてたんだけれど、奥様か經理人なのか、常に横に付いておられる女性がいて、その方に客席から「話していない時も上を向いて」とカンペ出されてからはとりあえずずっと上向いていたのが笑えた(上の写真)。

これとかもそうだけれど、他のQ&Aも私が通訳やりたかったな。東京国際映画祭には私のことを知っている人があまりいないのと、香港ベースで生活している私が今回はたまたま東京にいただけなので、香港から呼んでいただけるわけがない。今回は仕方ない。実は通訳者が知り合いなので心臓に悪かった。

翁子光導演は猟奇殺人系サスペンス系が得意なのに、物腰柔らかでとても優しい人。『踏血尋梅』の話をした時に、「私の友人の友人が『踏血尋梅』の白只がやった犯人の本人と同じ監房に入ってたことがあったらしくて・・」で「ええっ!」とガッツリ掴みはOK。「出所してから映画を観たらしいんですが、もう白只がその本人そっくりだったって言ってたらしいんですよ」「ああ、かなり似てるでしょ?」「いや、容姿だけじゃなくて動き方とか喋り方とかがそっくりだったって・・・」「えええ!?そうなの!?」と驚いておられた。けれど、私だってこの話聞いた時はマジで驚いたよ。白只の役作りの完璧さにも驚いたけれど、その前に、あなた(私の友人)、そんな友達がいたんですか・・・ってことに。

この作品はラウチンの演技は当然お勧めだけど、脚本の腕も更に上がっていて、作品として素晴らしかった。これは配給付くの難しいかなぁ。

東京国際映画祭(TOHOシネマズ・シャンテ)にて鑑賞。★★★★(サスペンスもの苦手なの)

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