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電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

賀歲片だから、いや、賀歲片だけに、観るべきかどうか迷っていた。

German Cheungと Philip Ng は絶対に観たいが、Gigi Leung がボクシングやるとかフニャフニャでもまあ良しで流してるんじゃないだろうか、Louis Koo 古天樂のコメディ・タッチの芝居は『喵星人 Meow』(2017) で背中がむずむずしたのでキャップ被っちゃってる今回もちょっとキツイかもしれないし、い

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散步香港151 < 灣仔 / The Museum of Hong Kong Literature 香港文學館 @茂蘿街七號三樓 >

散步香港151 < 灣仔 / The Museum of Hong Kong Literature 香港文學館 @茂蘿街七號三樓 >

ここ茂蘿街七號は重建された当初は「動漫基地」だった。重建中に通りかかった時に素敵な舊唐樓がリノベーションされているなぁと思って見ていたのだけれど、2013年に出来上がってみると全館あげて動漫だらけになっていて個人的にはかなり落胆したのだった。舊唐樓なのにけばけばしい動漫とはセンス無さすぎやろと。政府としては舊唐樓のリノベーションに正反対の当時最もトレンドなものを載せることを狙ったのであろうという意

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電影鑑賞記『看我今天怎麼說 The Way We Talk』(2025)

電影鑑賞記『看我今天怎麼說 The Way We Talk』(2025)

数年前にはまだ資金を集めて回っている最中だったこの作品が遂に作品として出来上がってきた。「次の作品は聾人の話なんだ」と目を輝かせていた Adam Wong 黃修平。もう5年も前のことになるのか。

本作の香港正式公開は2月20日と発表された。5年かけて膨大な量のリサーチをしたという。とても重要なポイントが複数ある作品なので是非観てみていただきたい。

初鑑賞では感動よりも学びや気付きが残った。感動

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電影鑑賞記『曾經擁有 Remember What I Forgot』(2017/2025)

電影鑑賞記『曾經擁有 Remember What I Forgot』(2017/2025)

この作品、実は『電影痴漢』という原題で2017年に撮影したものを7年も寝かせてやっと公開にこぎつけたそうな。なので、タイトルに付ける年表記に(撮影年/公開年)の両者を入れた。これでまずはこの作品の特別さがわかっていただけるかと。撮影はしたものの一向に公開されないということで「都市伝説」となっていたらしい。導演自身も「やっと出土した」と笑いを取っているという。

上記写真の「一月11日電影痴看」がお

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電影鑑賞記『十方之地 Obedience』(2024)

電影鑑賞記『十方之地 Obedience』(2024)

ドキュメンタリー作品はあまり観ないのだけれど、これは口碑(口コミ)がとても良いので観ておこうと思っていた作品。実は少し前に書いた電影鑑賞記『只是影畫 Still Life』で「ゴミ収集者のドキュメンタリー作品だと勘違いして」と書いたのがこの作品。やっと観られた。

話が少し逸れるが、実は私、数年間「アジアン・ドキュメンタリーズ」というドキュメンタリー専門の配信チャンネルの香港映画リサーチャーをやっ

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電影鑑賞記『誤判 The Prosecutor』(2024)

電影鑑賞記『誤判 The Prosecutor』(2024)

実は一般公開に先駆けて優先場のクルー用チケットで一度観たのだけれど、デカすぎる IMAX スクリーンの2列目だったせいで画面が視界に入りきらないわ、下から見上げるから画面が光ってよく観えないわで、鑑賞できたとは言えない状況だったことは以前の記事 『The Prosecutor 誤判』11/12/2024 優先場写真館 で書いた通り。

そして今度こそクルー用チケットを貰って自分の思うシートで観られ

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電影鑑賞記『久別重逢 Last Song For You』(2024)

電影鑑賞記『久別重逢 Last Song For You』(2024)

まだ鑑賞していないのにロケ地ツアーに参加してしまった顛末とリポートは前記事 散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 > をご参照いただきたい。

ロケ地ツアーに行ってしまったからには観ねばなるまいという義務感と、これらの撮影ポイントがどう使われたのか確かめてみたいという好奇心から速攻で観に行った。

この作品、鑑賞に行くプライオリティが低かったのよ。というのも実は私、鄭

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散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 >

散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 >

「久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅」という電影ロケ地巡りツアーに参加してきた。「團長:《電影現場之旅》作者 奇夫」とある。この奇夫氏は香港電影ロケ地巡りの始祖だそうな。

実はこのツアー、Facebook で見かけたのだけれど『久別重逢 The Last Song For You』のロケ地巡りだというので、まだ観ていないしと申し込んでいなかった。

前記事 電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Do

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電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Dot』(2014)

電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Dot』(2014)

嶺南影像というプログラムで『點對點 Dot 2 Dot』を上映していたので観に行った。

2014年の作品。大阪アジアン映画祭で上映されたおかげで導演の Amos Wong 黃浩然や音音姐こと Susan Shaw 邵音音と仲良くなった。もう10年も前になるのか。感慨深い。

ストーリーを大雑把に紹介すると、黃雪聰(陳豪)が様々な場所にこっそり書いた線結び用の点に気付いた曹小雪(蒙亭)が線結びを完

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電影鑑賞記『虎毒不 Montages of a Modern Motherhood』(2024)

電影鑑賞記『虎毒不 Montages of a Modern Motherhood』(2024)

東京国際映画祭2024で『母性のモンタージュ』という邦題でジャパン・プレミア公開された作品。

監督の Oliver Chan 陳小娟は『淪落人 Still Human』でその実力を知られている。この作品も期待して鑑賞。

『淪落人』と同じく、市民の日常生活の状況や起伏を丁寧に描いている。自身が母親となったことで感じたあれこれを伝えたかったとのこと。

母親になるまでわからなかったこと、街で接した

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『The Prosecutor 誤判』11/12/2024 優先場写真館

『The Prosecutor 誤判』11/12/2024 優先場写真館

2024年12月11日・保良局による包場の慈善首映禮。クルーに回って来たチケットで行ってきた。iMaxなのでスクリーンがデカい。どれだけデカいかわかっていただけるだろうか。

しかもC列だけれどA列が無いので、実質2列目。隣が空いていたので隣へ乗り出して寝転がって観たけれど、それでもスクリーンが視界に入りきらないし、真下から見上げる状態なのでスクリーンが光ってよく見えないという悲惨な席だった。

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李小龍生誕84周年記念イベント 陳福慶氏トーク『我係Thomas! 俺はトーマス!』

李小龍生誕84周年記念イベント 陳福慶氏トーク『我係Thomas! 俺はトーマス!』

2024年11月27日 李小龍會イベント

李小龍生誕84周年記念イベント 陳福慶氏トーク『我係Thomas! / 俺はトーマス!』

龍哥のお誕生日が水曜日という平日ど真ん中だったので、お勤めの方も参加できるようにと夜8時から香港電影資料館にてトークのみ開催。

話者は複数の龍哥作品に出演した Thomas Chan 陳福慶氏。『猛龍過江 The Way of The Dragon ドラゴンへの

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散步香港136 < 赤柱 / Hong Kong Sea School 香港航海學校 >『The Orphan / 人海孤鴻』拍攝地

散步香港136 < 赤柱 / Hong Kong Sea School 香港航海學校 >『The Orphan / 人海孤鴻』拍攝地

2024年11月23日、Hong Kong Sea School 香港航海學校の Open Campus Day に行ってきた。実はここ、李小龍主演『The Orphan / 人海孤鴻』(1960) の拍攝地なのである。

そうそうない Open Campus Day ということで李小龍會で事前に連絡を取り、李小龍生誕84周年記念イベントその1として会員一同で参観させていただくことになった。

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電影鑑賞記『寄了一整個春天 Blossoms Under Somewhere』(2024)

電影鑑賞記『寄了一整個春天 Blossoms Under Somewhere』(2024)

全くのノー・マークで観てきた。導演も知らない、主角も知らない。Adam Pak 栢天男だけ知っているという状態で。

特別優先場だったので入場プレゼントあり。

内容としては青春もの。ガールズもの。かなりシンプルでファンタジック。主役二人も張毓軒も芝居は悪くなかった。Adam Pak 栢天男もはまり役だった。彼は『毒舌大狀』に引き続き、善良そうなイケメンだが実は腹黒の賤男という役がピッタリ。だが、

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