20240824「湯船にちゃぽん」
湯船にちゃぽん
汗を流し
湯に浸かり
高い天井で
身体は沈みながら
浮かんでいる
夕方過ぎの
忙しくもなく
中途半端なくらい
持て余しているが
何も持ってないが
それが自分なのだと
そう思う
考えてはいないが
何かを思いつつ
泡が浮かび
また泡が消えている
波を揺らし
ざばっと上がって
桶で流す
置いた時の音が反響して
中々いい感じがして
泡を塗り付け
素肌をこする
洗い流した
それらはわたしのこと
要らないわたしを撫でて
どこへ行くのか
流れの先は暗渠の道程
適当に泡にまみれ
水滴を受けて
しばらく目を閉じる
洗い流せないものまでも
少しずつ捨てている
衣を脱いで
またその意味を纏う
何も違わないくらいに
その人だとしておいて
一個のわたしたちは
方々へと帰るのだろう
日常の出来事
些細な渇き
からんころん
下駄の音が鳴っている
七時には帰っておいでと
言われていたのに
誰彼に会ったら少し話し
またさよならしている
少しさっぱりして
三々五々
わたしに戻る時が来ている
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