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20240520「ハイライト1本」

ハイライト1本
煙の中を進む
灰になるまでは
その空気と苦味で
わたしは生きられるだろう
燻る焦げを踏みにじって
もう1回躙る
後はさよならだけだ
風にかき混ぜられて
拡散して
もうどこまで行ったのか
身体の中で留まっている
何ものかが
その指先まで
掴もうとしている
雲間はまだ棚引いている

どうでもいいことも
あってもいい
しゃらしゃらと
ふらふらとして
十分休んで
集中を研ぐ
他のことは考えもしない
只そこに在って
既に全うしている
時々の時間と
濃淡を遅らせ
凝縮のエッセンスを
身体へと送る
繋がらないボタンを押しては
また空気は滲む
それでいいとしておく

一先ず越えたのなら
また唇に沿う
口に出した言葉の先で
嘘も使えるくらいに
適当でいて
更に太々しい
繊細な壊れをも
既に畳みつつ
先へと送る
今日の自分を輝かせ
後は暗闇でもいい
一瞬越えて
また泥のように眠る
掌から零れるから
その感触だけ撮っておこう
燻る儘に揺蕩うように

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