20240114「今日もカレー」

今日もカレー
たぶん明日もカレー
でも美味しいから
カレーでいい
誰かが作ってくれたら
美味しく食べられる
甘いカレー
辛いカレー
誰かが育て
誰かが運び
誰かが交換して
誰かが料理する
わたしはお腹空かせて
待ってるだけだけど
美味しく食べるから
きっとわたしは幸せの一部
選り取り見取り
それぞれ違う味だけど
それもその範疇に既に在る

その誰かを集めて
その理由を聞いてみたい
わたしが望むのは
芋蔓式の連鎖のこと
名前も知らない
知ることもできないけれど
きっと誰かがその役を担っている
食べるのは簡単そうで
それが消化されるのかどうか
労りと労いの身体の中の出来事
それでいて身体の外の事もよく知らない
どこどことここさえ
見知らぬ背景だとしたら
わたしのことととして
その誰かに聞いてみよう
何があって
どんな工夫で
どれだけこだわって
何を求めてるのだろう

わたしの美味しさは
きっとあなたの美味しさから
たどり巡って
ここに在る
香りを含んで
お腹の膨らみ
誰かの笑顔
そんなひと時の食卓では
繰り広げられる
摂食と捕食
否応なしに是非を問われる
拒めない要求と
抗えない生存
甘味と辛味を混ぜ込んで
スパイスはそれぞれを引き立てる
今日のそれは誰かの施し
明日のそれも誰かのそれ
担う役目の某
既にテーブルは平らに整っている