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冬支度の温もり、それは
寒さがじわり、身に染み入る季節は
重ねた衣が、一つの布団で重ねた人が
恒例行事のような木枯しのそれは。
一人の冬眠か、二人の冬眠かでは
まだ若かった私には誰でもよくなって
体温だけが実感できるそれで。
もう随分と、お一人様用の冬支度
手慣れていながらも窓を覗けば
それが思い出の反射熱の温もりが。
鶴は千年、亀は万年の孤独なら
私のそれは飽きない秋の中で
もう雄の残りの時間を数えないように。
世に出す私の声、消えていく温もりは
数日布団を暖める抱き枕は
どこかで誰かのそれになることを期待して。
目の前に立つ人の、その手の温もりは
私のそれよりも冷たいのに暖かくて
一冬を超えるには充分過ぎるほどで。
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