ずっと、ずっと誰かを、探している。名前も顔も知らない。けど、会えば分かる。周波数がぴったりと合うように、たとえすれ違っても振り向ける自信がある。けどその誰かがどこにいるかわからない。今日はその誰かに会えるかもしれないと、変わらない日々が、今日とまた、訪れる。

今、僕は中学生で残り学校に通う日数も限られてきている。友達とバカやりながら、はしゃいで、喧嘩して、叫んで。もうこんなことできるのも残り数十日。卒業までのカウントダウンカレンダーがめくられるたびに少し切ない気持ちになる。周りの人と繋がるってつくづく大切だなって思います。

プールに入った後の風が、一番好きだ。しかしその風がもう二度と自分には当たらないと思うと、少し寂しい。プールの後の授業は決まって国語。眠そうな生徒の髪をふさふさとかき上げ、教科書のページをパラパラとめくるあの風。音読される物語の声が響き渡る教室は、すごく暖かい空間だった。