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眠りたいのに眠れないあなたへ:ADHDの睡眠問題をADHDの睡眠専門家と乗り越える。


皆さん、こんばんは。とある睡眠博士です。

すっかり朝方が冷え込むようになってきましたね。

睡眠環境は睡眠の質に直接影響しますので、温かいお布団にくるまって寝てくださいね。

今日は、最近何かと話題で上がることも多いADHDと睡眠についてです。

かく言うとある睡眠博士もADHDです。

夜、布団に入っても頭が冴え続ける。
「早く寝なきゃ」と焦るほど眠れなくなり、やっと寝つけたと思ったらすぐ朝が来る。

疲れが取れないまま新しい一日が始まる……。そんな夜を、どれだけ繰り返してきたでしょうか。

もしみなさんがADHD(注意欠陥・多動性障害)を抱えているなら、この眠りの悩みは特に深いものかもしれません。

「眠れない」という問題は、ADHDの脳と体の特性と深く結びついています。

でも、安心してください。

それは決してあなたの努力が足りないせいではありませんし、変えられないものでもありません。


今日の記事では、ADHDと睡眠の関係を紐解きながら、少しでも楽に眠れる方法を一緒に考えていきたいと思います。

小さな一歩を積み重ねていけば、やがて穏やかな夜と心地よい朝を迎えられる日がきっと訪れるはずと信じて。


ADHDが睡眠に影響を与える理由


ADHDを抱える方々が睡眠の問題を抱えやすいのは偶然ではありません。

その背景には、脳や体の特性が深く関係しています。

「どうして眠れないのか」を知ることは、自分を責める気持ちから解放される第一歩です。


1. メラトニン分泌の遅れ:体内時計のズレ

ADHDの方の多くは、眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌が通常より遅れる傾向があります。

そのため、夜遅くまで目が冴えてしまい、「そろそろ寝よう」と思っても、体が眠る準備をしてくれないのです。


2. 脳の過剰な覚醒状態

布団に入った瞬間、今日の出来事や明日の予定、さらには昔の失敗まで頭を巡ることはありませんか。


ADHDの脳は、夜になってもスイッチが切れにくいのが特徴です。

リラックスしたいのに、脳が勝手に走り続ける感覚。これも、眠りを遠ざける原因の一つです。

3. 日中のストレスや不安の余韻

ADHD特有の忘れ物やミス、他人とのトラブル。

それらが日中に積み重なると、夜になって「ちゃんとできなかった自分」を責めたり、翌日の不安が強まったりすることがあります。

このストレスがさらに眠りを妨げる悪循環を生むこともあるのです。

眠れない夜がもたらす悪循環


ADHDと睡眠の問題は、互いに影響を与え合う関係にあります。

睡眠不足はADHDの症状を悪化させ、集中力の低下や感情のコントロールの難しさ、過剰な疲労感などを引き起こします。

そして、日中の課題が増えることで夜の不安がさらに強まり、また眠れなくなる――。

でも、だからといって解決が不可能なわけではありません。

少しずつ、この悪循環を断ち切るための方法を一緒に見つけていきましょう。

ADHDと睡眠を改善するためにできること。



すべてを一度に変えようとしなくて大丈夫です。

ここでは、少しずつ取り入れられる改善策をご紹介します。

あなたに合いそうなものを、一つだけでも試してみてください。


1. 毎日のスケジュールを一定にする

毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつけましょう。

特に週末もそのリズムを守ることで、体内時計が整いやすくなります。

最初は難しいかもしれませんが、続けることで徐々に効果が現れるはずです。


2. リラックスできる夜のルーティンを作る

寝る1時間前から、脳と体をリラックスさせる時間を持ちましょう。

例えば以下のようなことが効果的です:
• 温かいお風呂にゆっくり浸かる
• 呼吸を整える簡単な瞑想やストレッチ
• 明るすぎない光の下で好きな本を読む


「眠る準備をする時間」を意識することで、脳に「そろそろ休んでいいんだよ」と伝えられます。

3. デジタルデバイスを控える

スマホやパソコンの画面から出るブルーライトは、眠気を妨げる大きな原因です。

就寝の1~2時間前にはデバイスを置いておく習慣をつけてみましょう。

最初は難しくても、紙の本を読んだり、音楽を聴いたりする方法にシフトすることで、自然とリラックスできます。

4. カフェインと食事のタイミングを見直す

午後のカフェイン摂取はできるだけ控えましょう。また、就寝直前の食事は避けるのがベストです。

特に重い食事は消化に時間がかかり、体が休む準備を遅らせてしまいます。

5. 専門家の力を借りる

もし眠りの問題が深刻で、自分だけでは改善が難しいと感じたら、迷わず専門家に相談してください。

睡眠外来やADHDの治療を専門とする医療機関では、認知行動療法(CBT-I)や適切な薬物療法を受けることができます。

これらのサポートを受けることで、多くの人が良い眠りを取り戻しています。

一番大切なこと。自分を責めないで:眠れない夜を受け入れる。


眠れない夜が続くと、「どうして自分はこんなにダメなんだろう」と感じることがあるかもしれません。

でも、どうか自分を責めないでください。

眠れないのは、あなたが悪いわけではありません。

ADHDの特性と脳や体の仕組みが絡み合った結果であり、それを改善するには時間がかかることもあります。

大切なのは、「できないこと」に目を向けるのではなく、「今日はこれを試してみた」という小さな挑戦を積み重ねていくことです。

その努力は、必ず報われる日が来ます。

おわりに。


眠りに悩むあなたへ。

「眠れない」という問題は、決して簡単に片付けられるものではありません。

でも、少しずつ向き合うことで、眠りにくさは改善できるものです。

そして、その先には、疲れが取れた心地よい朝と、自信を持って一日を迎えられる日々が待っています。

自分に優しくいてください。

そして、「今日はこれを試してみよう」と小さな一歩を踏み出してください。

その一歩が、やがて大きな変化を生む力になります。

あなたが穏やかな夜と心地よい朝を迎えられる日を、心から願っています。


今夜もみなさんが、ぐっすりと眠れますように。
世界のどこかにいるあなたへ。愛を込めて。

とある睡眠博士より。

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