敏感なHSPのあなたへ:睡眠専門家が解説する毎晩ぐっすり眠るための環境づくり
皆さん、こんばんは。とある睡眠博士です。
突然ですが、皆さんは、HSPと言う言葉を知っているでしょうか。
HSPは近年着目されるようになった心理学分野で生まれた言葉です。
詳しく説明しますと、HSPは、「Highly Sensitive Person:非常に敏感な人」のことで、日常生活で、他人の気持ちや周りの状況に敏感に反応してしまうような特性をもつ人びとのことを指します。
HSPはその特性のため、些細な音や光、匂いなどが気になって、なかなかリラックスできないことが多くあります。
そして、そうした敏感さは、夜になっても心を落ち着かせてくれず、眠りの妨げになることが少なくありません。
今日は、そんなHSPの方が少しでも安心して眠れるよう、睡眠の専門家の視点から「生きやすい環境づくり」についてお話ししたいと思います。
HSPと睡眠の関係性
HSPの方が抱える「敏感さ」は、一見すると小さな出来事や言葉であっても心に響いて残りやすいという特徴があります。
そのため、夜になってベッドに入ったとき、昼間の出来事や人の言葉が頭から離れず、ぐるぐると考え込んでしまうこともあるでしょう。
眠ろうと思っても思考のスイッチが切れず、気づけば夜が更けてしまう。
そんな経験、ありませんか。
また、HSPの方は、睡眠環境にも非常に敏感です。
ちょっとした光や音、シーツの肌触りまで、普通なら気にしないようなことでも気になってしまうことがあるでしょう。
こうした感覚が睡眠を邪魔すると、翌日も疲れが取れず、さらなるストレスの要因になりがちです。
今回はそんな敏感な気質を持つHSPのひとが、少しでも快適に眠るためのコツを解説していきます。
HSPが快適に眠るためのヒント
1. リラックスルーチンを大切にする
心に留めておいて欲しいのは、
睡眠は、心がリラックスした状態で訪れるものということ。
ですので、特にHSPのひとが快適に眠るためにおススメなこととして、寝る前に「心を穏やかにする時間」を取り入れてみてください。
その時間では、例えば、ホットバスにゆったりと浸かる、アロマオイルで深呼吸をする、やさしい音楽を聴くなど、自分に合った方法で心を落ち着かせる工夫を試してみてください。
スマホやPCは、なるべく早めに切り離すと、頭もスッとリラックスモードに切り替わりやすくなります。
2. 睡眠環境を整える
HSPの方にとって、快適な睡眠環境づくりはとても大切です。
遮光カーテンやアイマスクで光を遮り、耳栓やホワイトノイズマシンを使って音を和らげると、敏感な五感を少し休めてあげられるので非常にオススメです。
また、シーツや枕カバーは肌触りが心地よいものを選ぶと、さらにリラックスした状態で眠りにつけるかもしれません。
3. 考えすぎを和らげるための書き出し
HSPの方は、どうしても「考えすぎ」てしまう傾向があります。
そんなときは、眠る前にその日感じたことや気になることを紙に書き出してみてください。
頭の中をすっきりさせることで、自然と心も落ち着きますし、「書き出したからもう大丈夫」と思えるかもしれません。
ジャーナリングや感謝日記も、心の整理に役立つ良いツールです。
4. 深呼吸を習慣にする
呼吸は心と体をリラックスさせる大切な鍵です。
特におすすめなのが「4-7-8呼吸法」で、4秒で吸って7秒止め、8秒でゆっくり吐くという簡単な方法です。
不安や緊張を和らげてくれるので、眠れないときにぜひ試してみてください。
心拍が落ち着き、穏やかな眠りに導かれる感覚を感じられるかもしれません。
日中の過ごし方も見直してみる。
HSPのひとが夜だけでなく、日中の生活において工夫することも眠りの質を上げる良い行いになります。
無理のない範囲で、少しずつ取り入れてみましょう。
1. 感覚刺激を控えめにする
HSPの方は、日中の刺激がそのまま夜に影響しやすいため、過剰な刺激を避けることが大切です。
人混みや騒音の多い場所は無理せず避け、静かな場所で少し休むなど、心が落ち着く空間を選ぶようにしましょう。
2. 規則正しい生活リズムを意識する
生活リズムを一定に保つことで、体内時計が整い、眠りにつきやすくなります。
毎日同じ時間に寝起きする習慣をつけると、少しずつ体が「この時間は眠る時間だ」と認識し始めるので、自然な眠りが訪れやすくなります。
朝の光を浴びると、体内時計がリセットされる効果もあるので、できれば朝少しでも外に出て太陽の光を浴びるようにしてください。
3. 軽い運動でリフレッシュ
運動は、日中に溜まった緊張を和らげ、夜の睡眠を促進する効果があります。
無理せず、ヨガやストレッチ、ウォーキングなど軽い運動を取り入れてみてください。
体を動かすことで、心もリフレッシュしやすくなり、夜も自然とリラックスした状態に導かれます。
おわりに
HSPのひとが快適に過ごし、良質な睡眠を得るためには、自分自身の敏感さに理解と優しさを持つことがとても大切です。
「敏感である」という特性は、決して欠点ではなく、心豊かな感受性を持っている証です。
自分にとって心地よい環境や習慣を少しずつ取り入れることで、日々の生活が少しずつ楽になり、穏やかな睡眠も訪れるはずです。
自分を大切にし、無理せず、自分に合ったやり方で「生きやすい環境」を作り上げていってください。
今夜も皆さんが、ぐっすり眠りにつけますように。
世界のどこかから愛を込めて。
とある睡眠博士より