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「小説8050」誰にでも起こりえる家族の物語。

読み切れた。
久しぶりにこんな分厚い小説を読んだ。

正直、図書館で予約していた本を手に取った瞬間は
「あ、無理かもしれない」と感じていた。

でも、読み始めたら夢中になって読んだ。

残り半分位になってからは、加速度的に「早く続きが読みたい!」と夢中になった。

林真理子さん、やっぱりすごい。


小説8050


林真理子さんのこちらの小説を読んだ。

物語の概要

従順な妻と優秀な娘にめぐまれ、完璧な人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男の翔太が、七年間も部屋に引きこもったままなのだ。夜中に家中を徘徊する黒い影。次は、窓ガラスでなく自分が壊される――。「引きこもり100万人時代」に必読の絶望と再生の物語。

出版社の特設サイトより

誰にでも起きる話


私の子供は、まだ7歳と5歳なので常にリビングにいる。
リビングで闘いごっこをしたり、走り回ってうるさかったりする。

でも、いつかは引きこもりではなくても「食事・トイレ・風呂」以外は自室から出てこなくなる日も来るかもしれない。

昔と違ってスマホ1つあれば、無限にエンタメは転がっている。

私自身も、10代の頃に部屋にTVも漫画もあったので自室にこもっていた。
(引きこもりという意味ではなく)


段々、子供が何を考えているのか?が親から見えなくなる。

決めつけずに観察する

この小説の中で、父親が息子に中学受験を薦めた時の事を回想するシーンがある。

「お前は勉強が出来る。充分にいい学校にチャレンジ出来るんだ。そういう努力をしないのは、いちばんみっともないことだと、お父さんは思うよ
説教をしたとは思わないし、人生訓を垂れたつもりもない。が、ことあるごとに、生きるうえで大切なことを語るのは、父親の大切な仕事だと思っていた。
「お父さんは翔太にお医者さんになってもらいたい。これはお父さんの望みだ。もちろん翔太は、途中で別の道に進んでもいい。だけど、いろんな可能性を増やしていくのはいいことだ。
勉強しないっていうととは、可能性をどんどん小さくしていくことなんだろうな
」ああした言葉は、それほど悪いものだったのだろうか。

小説8050より

医者になる事を薦める親は決して多くはない。

だけど「可能性を増やす」という謳い文句で受験を薦める親や塾は実際に沢山存在している。


こうして客観的に「小説」として読むと「その発言は良くない」とか「酷い!」と感じるけれど。

実際に自分が当事者となり、子供を目の前にしたら「つい言ってしまう」様なセリフが溢れていた。


子育て本の中に「小説形式」「漫画形式」で例を紹介するページがあるけど、それとは比べものにならない位引き込まれた。

改めて「物語」の力は凄いと思った。


「家族」がいる全ての人。
特に中学受験を考えている人。
20歳未満の子供がいる人には是非読んで欲しい。

〈あとがき〉
母親の影響で、10代の頃からよく林真理子さんの本を読んでいました。
林真理子さんと言えば、私の中では「不機嫌な果実」などの恋愛小説のイメージでした。
久しぶりに不機嫌な果実を検索してみたら、1997年に連ドラとして放送されていたのですね。
しかも年齢を重ねてから人気が出た石田ゆり子さんが主演でした。
こんなに長期間、色々なテーマで小説を書き続けられるって改めて凄い作家さんだなと感服しました。
小説も沢山読みたい。時間が足りない!(笑)

今日も有難うございました。

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なんでもやってみる母
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